4月某日 エリスの入学の後ぐらい
【騎士団日報】
4月某日 執筆者:モブ騎士(アストリアの代筆)
「おいジーク、その後あいつの様子は大丈夫なのか?」
俺はこの国の第一王子、まぁ第一王子とは言ったが兄妹で男児は俺だけだからな、次期国王と言うわけだ。
「あぁ、店も順調にいってるみたいだ。」
こいつの名はジーク、幼い頃からの友人だ。
俺たちは両親が親友同士という事もあって昔から仲がいい。
本当はもう一人いるのだが、どうもそいつの親が領地経営が忙しくなったとかで、会う機会が無くなってしまった。
「順調にいってるって、ケーキ屋だっけ? よくもまぁ、あの泣き虫が店の経営なんて出来るよなぁ。よほど腕のいい料理人でも入れたんだろう。」
「泣き虫って、それをお前が言うか? アリスが泣いたのって、ほとんどはアストリアが原因だろうが。」
そんな事したか? ん〜、そういえば虫を投げつけたような気はするが、あれはもう時効だろう。
「あと、料理人の腕もいいらしいが、ケーキ作りのほとんどは本人が作っているらしい。」
「はぁ? なんで本人が作っているんだよ。あいつ、あれでも伯爵令嬢だろ? なんでケーキなんて作れるんだ?」
昔からママゴトの様な事が好きだったが、まさか今でも続けていたのか?
「それもどうやらめっちゃ上手いらしい。」
「マジか!」
自慢じゃないが甘いものは結構好きだ、妹達の菓子をこっそり奪うぐらいに!
後でバレて親父にど突かれたが……。
「おい、今度変装して店に行ってみようぜ、うぉー楽しみになってきた!」
後日ローズマリーに怪しい二人組が訪れる事になる。




