第3話:転校生
土曜日、日曜日と朝から晩までずっとバイトで、気が付くと月曜日。また学校か…そんなことを思っていた。
雪の降った夜に出会った女性、北川雪乃さんを思い出した。
「そういえば今週か…」
そう思い、学校に登校した。
学校に着くと教室では転校生が来るらしいという噂で持ちきりだった。まさか俺のクラスじゃないだろう…
「お前ら席に着け!!」
そうこう思案してる間に担任の山田の声が教室に響いた。
「今日はグッドなニュースがあるぞ!!」
「なんですか!? 先生!!」
クラスの連中が騒いでいる。
「なんと!! ……………」
そこ無駄に溜めんなよ…
「転校生だ!!!!」
クラスの連中は一段と盛り上がっていく。
「北川! 入ってこい!!」
クラスの連中が扉を一斉に見る。
…ガラッ
扉が開いた先居たのは美しい人。
…まさかと思ったけどやっぱり北川雪乃さんだった。
「すげぇ美人じゃん!!」
「彼氏とかいるんですか!?」
クラスの男子が野次を飛ばす。
「お前達静かにしろ!! 北川、ほら自己紹介でもしろ」
北川は少し恥ずかしそうに口を開いた。
「北川雪乃です。よろしくお願いします」
大きな拍手が教室に響いた。
「北川の席は…南の後ろだな。南ってのはあの無愛想そうなやつだ」
山田が俺の方を指差した。
それにしても、その説明はないだろ…
周りからの視線が俺に注目される。
そんなに見んなよ……
「太陽いいなぁ」
「なんで北川さんが南の後ろなんかに!!」
また男子から野次が飛ぶ。
しょうがねぇだろ。俺の後ろ席がたまたま空いてたんだから…
そうこうしてる間に、北川雪乃さんが後ろの席に座った。
「また会えたね。太陽くん」
北川は笑いながら言った。
「あぁ…でも同じクラスとはな」
「私も同じクラスになれるとは思わなかったな」
そんな会話をしてるうちにホームルームは終わり、授業が始まった。