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聖獣伝説
世界を造りし神は、未熟な土地、未発達な人間の行く末を心配し、
己の力を聖なる獣に変え、各々の地に遣わした。
神の力は竜や白蛇、狼など、十ほどの聖獣となる。
彼らは時に、目に見えぬ力を貸し。時に、人間の前に姿を現し。
神が造りし愛し子を見守ってゆく。
やがて土地は落ち着き、人間も生活を始める。
数を増やしてゆく人間たちは、天上に住まう神に、自国を護る聖獣に、
深く深く感謝を捧げた。
その思いはどれほど時が過ぎても廃れることなく、
聖獣信仰として、今の世にも語り継がれていた。