西へ
9
太陽が昇り、街が活気始める時間帯、バリアハールの表通りを走る一人の少女の姿があった。短めの亜麻色の髪を揺らし、手に持ったバスケットを大事そうに抱え、それでも少しでも急ごうとえっちらおっちら懸命に走る。150センチに満たないであろう身長も相まって、その姿はおつかいを頼まれた孫にも見えた。
やがて少女は一軒の古びたプレハブ小屋の前で足を止めた。所々が錆びており、作られてからの年季の長さがうかがえるが、大きさとしては充分なサイズで、少女が以前住んでいた山中の家とあまり変わらないくらいはあった。
息を弾ませる少女――シーナはドアの前で一度深呼吸し、勢いよくドアを開け放った。
「おはようお兄ちゃん!遅れてごめんね。朝ごはんのパンを焼くのに手間取っちゃっ…て…」
「おはようございます、シーナ。今日もご苦労様です。集なら今、朝の行水をしているのでそれは私から渡しておきます」
部屋には、同姓のシーナから見ても美しく、まるで一本の剣のような凛々しさも兼ねそろえた美人が座っていた。…他に座る所があるにも関わらず、いつも集が寝るベッドに。
「か、楓さん…?ど、どうして楓さんがこんな時間からお兄ちゃんの部屋にいるのかな…?」
自分の口元が引きつるのを感じながら、とりあえずシーナは問うてみる。
「これはまた異なことを言いますね。私は集の為さんとすることを理解し、協力すると誓った彼の右腕です。右腕とはすなわち体の一部。いつも近くにいるのは当たり前の事でしょう」
「だからって!こんな時間帯から要るのはおかしいでしょ!?日が昇ったっていってもまだ朝の七時ちょっとだよ!?大体、なんでいつも私が来るといつも先にここに来てるの!」
「いつもお前が表通りを通るのを見かけたら家を出て、屋根伝いに移動してショートカットしているからではないでしょうか?」
「お前は忍者かよ…」
「あ、お兄ちゃ…ってきゃあ!!」
小屋の中の仕切られたところから出てきた集を見てシーナは悲鳴を上げる。楓も流石に驚いたようで顔を背けながら、集に問う。
「しゅ、集。おはようございます。勝手に上がらせてもらってますよ。と、ところで、その格好は何なのですか?まだ朝ですしそういうのは夜でないと心の準備が…」
「お前…、ほんとに勝手に上がってるな…。一応閂はしておいたはずなんだが…まあいい。まさか俺が水浴びしているうちにお前らが入ってくるとは思ってなかったからな。着替えをこっちに置いたままだったんだよ」
集は少し大きめのタオルで下半身を隠しただけの状態で、部屋に入って来た。シーナと楓が目を逸らす中、黙々と着替えをする。
(お兄ちゃんの体…、今までも何回か見てきたことあったけどやっぱり逞しいなあ…。胸板はけっこう厚かったし、着痩せするタイプなのかなあ…)
「シーナ」
「ひゃいっ!」
想像していた本人に突然名前を呼ばれて文字通り飛び上がるシーナ。そんなシーナに少し疑問符を浮かべる集だったが、構わず続ける。
「毎朝弁当、ありがとな。ここじゃまともな料理なんて作れないし、それにやっぱりお前の料理の方が断然美味いからな」
「!う、ううん…!こんなの当然だよ!助けてもらったんだからこれくらいは…」
「…もう、大丈夫なのか?」
「…いつまで泣いてもいられないもん。しっかりこれから先の事を考えていかなきゃ!」
なるべく弱気なところを見せないようはにかむ。それを見て集は、とりあえずの安堵の表情を浮かべた。
あのオークション襲撃事件から既に二週間が経っていた。
長らく権力者の腐敗の象徴として存在したオークションは、たった一人の少年による襲撃で解体。人さらいや奴隷を売買していた者たちは一気に検挙され、事態はひとまず収拾した。
バリアハールの剣鬼、と呼ばれた少女は行方を眩ませたが、他の警備兵、およびそれらに加担していたと思われる魔法使いなどは死体で発見された。保安隊は、生き残った者から尋問し、剣鬼の行方についても調べていくという。
「まあ、私が保安隊程度に捕まるわけがないのですが…」
「…楓さんってたまに私の考えてることが分かるよね?そんな魔法でも使えるの?」
「シーナは考えていることがすぐ表情に出ますから。正直なことは美徳ですが、それはいつかお前を滅ぼしかねませんよ」
「…シーナはそれでいい。俺たちみたいな外道とは違う。同じ外道からシーナを護るのがあの人との約束だしな」
「…お父さん」
シーナは俯く。事の真相は全てあの日に集から聞いた。集はだいぶ渋っていたが、結局は折れて、話してくれた。当時はショックが大きくて数日ふさぎ込んだが、集と楓が最後まで静観してくれたことで、どうにか最近は乗り越えつつある。
『よお、来てたのかお二人さん。朝から相変わらずモテるなあ主様は』
すると突然集の指輪から声がする。なんでもあの日集と契約を交わしたというドラゴンのカリラだ。
「おはようカリラさん。…いつも思うんだけど、どうしてお父さんの時はお話ししてくれなかったの?」
『呪いを受けてからのアセムには、シーナとは話さないよう言われてたからな。腐った主様だったが、それでも盟約を交わしたんだ。義理は通すのが決まりだ』
「…それでシーナ。お前には話しておかなきゃならないことがある。俺たちの今後についてだ」
集が真剣な顔で言う。シーナもその雰囲気に気持ちを引き締める。
「うん…。じゃあ、朝ごはんを食べてからでいいかな?」
「…ああ。そうだな。まずは朝飯とするか」
集はゆっくりと腰を上げた。
「「「ご馳走様でした」」」
手を合わせ口をそろえて言う。それではと、俺は口を開いた。
「シーナ。率直に言うが、俺はバリアハールから発とうと思っている」
「!?そんな…一体どこに行くつもりなの!?」
「ここからずっと西へいったところにある大都市、ウィンデルだ。そこで勇者の学校に入ろうと思う」
「ッ!あの王立図書館があるっていう!?それに勇者の学校って、なんでそんなところに…」
「…すまない。シーナのためにもそれは言えない」
「そんな…」
俯くシーナに俺は胸を痛めながらも、先ほど準備しておいた小袋をテーブルに置く。中から硬貨特有の金属音が鳴る。
「…!これは?」
「この二週間、オークションに出て捕まった糞野郎共から巻き上げた金貨二十枚だ。これくらいあれば、そこまで豪遊しなければ、十年は生活できるだろう」
そして、十年分もあれば十分だ。言葉には出さないが、言外にそういった意味を付けるが、勿論シーナには分からない。
「…待ってお兄ちゃん。それは、ウィンデルにはお兄ちゃん一人で行くってこと?」
「集を一人にはしません。私も共に行きます!」
その問いに、今まで静観していた楓も声を上げるが、俺は静かに首を振る。
「いや、お前にはシーナの警護を頼みたい。…シーナはまだ子供だ。いくら人さらいがいなくなったとはいえ、他に何があるかは分からない」
「……ッ!」
「…おい、シーナ?」
シーナの肩が震えていることに気づき、声を掛ける。顔を上げたシーナは次の瞬間、机を勢いよくドンと叩き、目尻に涙を溜めながら怒鳴った。
「ふざけないでっ!お兄ちゃんはいつも私を子ども扱いして遠ざける…。私にはもうお兄ちゃんしか家族はいないんだよ?なのにまた私を一人にするって言うの!?」
俺は驚いて固まった。どうにか「でも」言葉を紡ぐ。
「これから先、俺の周りには危険が伴う。俺の傍にいちゃいつ死ぬかもわからない。それに一人にはしない。だから楓を付けると――」
「馬鹿じゃないの!?私にはお兄ちゃんしかいないって言ってるでしょ?別に楓ちゃんが嫌いとかそういうわけじゃない。けど、やっぱり私にはお兄ちゃんが必要なの!」
「全くです。それに、私もそれに了承したわけではありません」
そこで予想外の方向からも声が上がる。俺はじろりと楓を見る。
「…楓、お前、勝負に勝ったら俺の部下になるって言ってたよな?」
「部下になるとは言いましたが、仕事に対しては私にも拒否権というものが存在するはずです。リストラが許されないブラック企業なのですから、仕事の選択権くらいはあっていいと思いますが?」
「…」
俺は忌々し気に楓を見る。そこでシーナが再びしゃべりだした。
「お兄ちゃんと一緒にいられるなら危険だってかまわないもん。お願い、私も一緒に連れてって!」
「…俺にはアセムさんと約束したシーナを護るっていう使命がある。むざむざお前を危険な所には向かわせられない」
「――ではこういうのはどうですか?」
「!!」
楓は突然、帯刀していた刀を引き抜くと、シーナの喉元に当てがった。
俺は腰を浮かせる。ぎろりと楓を見据える。
「…どういうつもりだ?」
「簡単な話です。お前が私とシーナを置いて出ていくというなら、この女は私が殺します。一緒に連れていくというならば、私は一本の刀となり、お前とシーナを命に代えても護ると誓いましょう」
「…」
俺は歯噛みする。最初は驚いていたシーナも、刀を突きつけられながらも、堂々と言う。
「お兄ちゃん。私を護るのが自分の使命って言ったよね?なら、私を楓ちゃんから護る為にはどうすればいいかもわかってるはずだよ」
『主様よ。これはもう方法は一つしかないんじゃねえか?』
「カリラ…。お前まで…」
『嬢ちゃん達の決意は硬いようだ。それなら、最後まで付き合ってもらって、面倒を見た方がいいと思うぜ』
追い討ちのようなカリラの言葉に、遂に俺は折れた。
「…分かったよ。お前らには最後まで付き合ってももらうとしよう」
「お兄ちゃん!!ありがとう!」
「…良い判断ですね」
感激するシーナ。腰に刀を戻す楓。こうして、なし崩し的にだが、二人のウィンデル行きが決まった。
10
その三日後。俺たちはバリアハールの入り口に来ていた。
初めてここを訪れてからまだ三週間にも満たないと言うのに、もう何年も住んでいたような、そんな感慨が浮かぶ。
「二人とも、忘れ物はないな」
「うんっ」
「ええ、いつでも行けます」
馬に乗った二人(乗馬は練習したが、この短期間ではさすがに習得できず俺は徒歩だ)は力強く首肯する。
それに俺も頷きを返し、街に踵を返したそのとき。
「待ってくれぇ~~!」
「?」
表通りの方から走ってくる人影があった。それは少年のようで、シーナと同じくらいの歳に見える幼さを残した顔立ちだった。
楓が馬から飛び降り、刀に手を掛けたところでそれを手で制す。少年は俺たちの前まで来ると息を整えてから言った。
「兄ちゃんさ、あのオークションを、ぶっ壊した時の、人だよね?」
弾む呼吸を整えながら早口にそういう。
「…お前、何の用だ」
俺の返答を肯定と受け取ったのか、少年は意を決したように言う。
「兄ちゃん、この世界をどうにかするんだろ!?俺もそれについて行かせてくれよ!」
「ッ!…お前、どこでそれを…」
その言葉に楓が敏感に反応する。しかし、それでは正解と言っているようなものだ。少年は顔を輝かせる。
「やっぱりそうなんだ!頼むよ、俺もこの世界を変えたいだ!」
「…お前、なんでそう思うんだ?」
「…俺は兄ちゃんがオークションをぶっ潰した時、兄妹たちと一緒に奴隷として売られるところだったんだ。妹たちが泣き叫ぶ中、俺に力さえあればって何度も思った。そんなとき俺たちを兄ちゃんが助けてくれたんだ。兄ちゃんが本当の正義の味方って奴だと思ったんだ!そんな兄ちゃんの下にいれば俺も強くなって、いつかこの理不尽な世界を変えられるって思ったんだ!」
そこでシーナが思い出したように、「あ、そういえばこの子会場で私を助けてくれた子だ!」と声を上げた。
「そうなのか?」
「うん。大きい男の人にも怖がらないで私を助けてくれたからよく覚えてるよ」
「へへ、アンタにはオークションの前に俺の妹をあやしてくれたからな。その借りを返しただけだよ」
「…ああー!じゃあ君はあの女の子の?」
「カスミっていうんだ。あいつ、兄妹の中で一番泣き虫だったから、アンタが励ましてくれたおかげで助かったよ。ありがとな」
どうやらシーナと何か関わりがあるらしい。とりあえず悪い少年ではなさそうだ。俺は今一度少年の覚悟を問いただす。
「おい、お前名前は?」
「…はいっ!アレンって言います!」
「アレン。お前は俺が死ねと言ったら死ねるか?」
「!」
「ちょっ…お兄ちゃん!?」
シーナが慌てたように声を出すが楓がそれを手で制す。アレンは一拍置いたあとはっきりと告げた。
「できません。俺には俺を待ってくれている家族がいます」
「…じゃあ俺についてくるのは諦めて、その家族をせいぜい大事に――」
「――でも、一年であなたが俺を殺すには惜しいと思わせるような漢になる自信はあります」
「なっ…」
「おー」
後ろの二人がそれぞれ反応を示す。俺もこの答えには少なからず驚きを覚えた。
「…言うじゃねえか。一年で俺の中で重要な存在になるってことか?」
「はい」
アレンはまっすぐ曇りのない瞳でこちらを見上げる。決意は固いように見えた。
『そんなすぐ信じていいのかよ主様?アセム・ルーキの一件で人の怖さは分かったろ?』
突然俺の頭にカリラの声が直接届いてくる。盟約した間柄ならばこんな風に会話もできるらしい。
(…そのときはそのときだ。世界征服だって一人じゃ無理なことくらいわかってる。いずれは信用できる仲間を増やさばきゃいけないわけだ。ここでアレンに寝首を掻かれるようなら所詮そこまでの男だったってことさ)
『ふん。アセムといい、俺の主様は思い切りがいい人間が多い。その考え方は嫌いじゃねえ』
「あ、あの兄ちゃん。俺は結局ついてっていいのかな?」
カリラと会話していたら、アレンが不安げに俺に声を掛ける。確かに、傍から見ればただ沈黙していただけに見えただろう。
俺はアレンに言う。
「これからは俺を兄ちゃんと呼ぶのはやめろ。――最初の一年は大目に見るが、その後足手まといになるようなら容赦なく置いていく。いいな?」
「――ッ!は、はい!」
「わー、じゃあアレン君もこれから仲間ってことだね。私はシーナ。よろしくね!」
「おうシーナ!これからよろしくな!」
歳が近いせいもあるのか、早速シーナとアレンは打ち解けた。あれだけ人見知りだったシーナがここまで成長したのは純粋に嬉しい反面、少しだけ寂しかったりもする。
「おいアレンとやら。私はまだお前を認めたわけではありません。少しでも不審な素振りをすれば容赦なく斬りますのでそのつもりで」
「え…ってわあっ!バリアハールの剣鬼!?お前は人さらいの仲間だろ!なんで邪龍の人達と一緒にいるんだよ!」
「楓ちゃん。突然ライバルが出来たからって意地張るのはやめなよ」
「だ、誰がこんな子供をライバルなど!?い、言っておきますが、集の右腕の座は譲りませんからねっ!」
「思いっきりライバル視してるじゃん…」
「…おい、アレン。今の邪龍の人って俺の事か?」
そういうとアレンはしまった、というような顔をした後、渋々と答える。
「あー、にいちゃ…、兄貴って、最後は黒い龍の背中に乗って帰って来たじゃないですか。ここらへんじゃ黒い龍は邪龍っていう認識が普通で、それで他に呼び方もないもんだから…」
それで邪龍の人、か。カリラが今度は皆にも聞こえるような声で言う。
『全く。黒き鱗を持つだけで邪龍扱いとは…。これだから人間は…』
「カリラさん。少し声が弾んでるよ?本当は嬉しいの?」
『ば、馬鹿を言え。俺が邪龍などと一緒にされるとは、七転八倒にもほどがある!』
「笑止千万と言いたかったのでしょうか…」
「…てかなんで指輪とみんな会話してるの?俺が知らなかっただけで、それが当たり前なの?」
周りがガヤガヤと騒がしくなる中、俺は邪龍と呼ばれることについて考えていた。
邪龍というのも悪くはないが、実際カリラはそこまで悪い龍でもなく、義理堅い道理を弁えている龍だ。それを全く何も知らない奴らに悪しき者と後ろ指刺されるのは主としても少し面白くない。
『…主様。そんなことを言われると流石の俺も少し照れるんだが…』
「…お前に聞かせるつもりは無かったんだけどな…」
どうやらカリラの意識があるときは俺の心の声も多少聞こえてしまうらしい。まあ大した問題でもないのだが…。そこで俺は全員に顔を向ける。
「皆、聞いてくれ。今後順調に事が進めば、いずれは世界に名を轟かせるような存在になるだろう。そうなったとき、俺たちを象徴するような名前が必要だ。それを今考えた」
「象徴…。なんとか隊とかそういうことですか?」
「へえ、いいじんじゃないそれ!なんて名前にするの?」
楓が顎に手を当て、シーナが興味ありげにこちらを見る。アレンとカリラも次の一言を待っている。そこで俺はゆっくりとその名を口にした。
「――『黒龍』。どうだ?正直そのままの名前だけど、逆にシンプルでいいと思ったんだが…」
「…なるほど。お前の地球でのあだ名に掛けたのと、カリラが邪龍と言われるのが気に入らなかったための配慮ですか。いいと思いますよ」
「うん、かっこいいと思う!やっぱりお兄ちゃんは優しいね!」
「『黒龍』…。それが俺がこれから生きていくとこの名前…。うおお燃えてきたあ!」
「…どうだ、カリラ?」
各々が好意的な反応を示す中、俺は最も意見を聞きたい相手に訊いてみる。
『…ふん、悪くねえんじゃねえか。…ったく、昔のアセムでもここまで俺に気は遣わなかったぜ。どうやら俺は、人を見る目があるらしい』
「…そうか」
どこか照れたようなカリラの声に、俺は微笑する。そして今度こそ、街に踵を返す。
「よし、だいぶ時間を食ったな。そろそろ出発しよう。みんな、準備はいいな?」
全員がうなずいたのを見て、俺は悠然と歩き始める。
これから先、何があるかは分からない。もしかしたら夢半ばで力尽きてしまうかもしれない。しかし今だけは、後ろを見ずともついてきてくれていると分かるこいつらとなら、不思議と不安は無かった。
そうしてどこまでも続く地平線を、俺たちは歩き始めた。
「…そういえば、兄貴はなんで馬に乗らないんですか?」
「…お前は馬に乗れるのか?」
「はい。…はっ、そうか、それも修行の一環なんですね!すみません。一瞬兄貴が馬に乗れないのかと思っちゃいました!よーし、俺も兄貴を見習って自分の足で歩きます!」
「…」
『主様よ。お前は馬には乗れなくても龍には乗れるだろう?その点ではアレンよりも上だ。元気を出せ』
「…慰めないでくれ。逆に凹む」
しかし直後に暗雲立ち込めたのは、言うまでもないだろう。




