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しるし(詩集)

もじを描く

作者: さゆみ

彼は一度定年退職してからまたこの会社に来てくれている


人員不足のうちの社には彼が絶対不可欠だ


彼は若い頃画家を目指して美大に通っていた


不慮の事故で片方の瞳は光を失った


画家になる夢は叶わなかったが仕事で使うイラストなど

ちょこちょこって仕上げてくれる


本業の方も勿論しっかりやってくれる


彼は自転車通勤

週3回雨でも風でも自転車で20分かけてくる

僕はモノモライで眼帯したら真っ直ぐ歩くのさえ難しかった


その彼の描く(書く)文字が最高にすばらしい


一度見たらきっと誰もが忘れられない文字だ


まるで絵画を観ているようだ


インパクト爆裂

興奮せずにはいられない


文字一つで

そこにある景色が見えてくる

感情が飛び出してくる


それが言の葉として舞いだしたらきっと町中大騒ぎなんてもんじゃない


年賀状からはみ出すような強烈で趣きがあり

静があって動があり情があって無情であり

僕の貧弱な言葉じゃ伝えるのは無理だけれど


『よろしく』


たったこれだけの言葉に


どれだけ頭を下げたって追いつかない


文字ってすごい


いや彼がすごいのか



でも彼はボケ爺さん扱いされてみんなに遊ばれている


それを満面の笑みで受けとめている彼も彼だが


僕もいつかそんな『よろしく』を綴れるような人間になりたい





みんな本当は尊敬しています!

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― 新着の感想 ―
[一言] 味のある人なのですね。 こういう方が身近にいると、勉強になることも多い 気がしますね。
2013/05/25 16:01 退会済み
管理
[良い点] 感謝というか尊敬の気持ちが溢れてくる素敵な詩ですね。 私も文字ではないにしても、なんらかの形で人の心を動かせるようになりたいですね。
2013/05/24 10:02 退会済み
管理
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