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絃ノ匣  作者: しま
第一章 「胴の部」
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男の人

「相も変わらず、お前さんは暇そうだ」



嫌みな言葉と嫌みなほど整った顔立ちをなさった、男の人。二十歳前後にも、三十路にも見えます。大人っぽいというか老けてるというか。あ、怒られてしまいますね。内緒内緒。


いっつも先触れはおろか、音も気配もなくいつのまにか存在して下さいます。


片手に持つのは煙管。似合っていますね。

朱塗りの羅宇に銀の煙管口。ちなみに銀には細工付。花でしょうか、虫でしょうか。とんでもなく高そうです。私なら使うより飾りたいほど、いえ、その前に売り飛ばしそうですね。


「また、唐突なお越しで」


嫌みを返せば何が楽しかったのか、俯いてのどの奥で笑う。くつくつ、と。

怪しいのに、綺麗なんです。美形ってお得ですよね。


「来ちゃあ、まずいかい?」

「まずくても来るでしょう」

「さて、ねぇ」


飄々と、唇の端をつり上げて笑う男。この方が、江戸時代観をぶっ壊して下さる存在です。


「あい」


名を、呼ばれました。

見上げればにんまりとつり上がる口の端。



「茶ァ、くんな」



自分で入れて下さい。



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