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絃ノ匣  作者: しま
第一章 「胴の部」
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日本屋敷

私、“ここ”に来る前は普通に生活していたはずなんです。

でも気づかない間に、見知らぬ土地で生を受けていました。

赤子になった私はまぁ、いろいろ、ありつつも(母乳とか、排泄とか…赤子に必要な、諸々とか)


そして気がついたらやんごとなき身分、とやらになっていました。

不思議でした、常に誰かしらがそばに控えていることに。

不思議でした、会う人みんな、ずっと年上の方までも、私に頭を下げて下さることに。

不思議でした、私が着る着物が、多色な模様が描かれた、まさしく高そうな代物で。

きれい、なんですけどね。

自分が着るとなると…。


結局、今ではほんのりと小さな華や紋様の描かれた、落ち着いた色を着せていただいてます。致るまでに何度母や乳母に怒られたことでしょう。私が着る数は少なくなって、変わりに下の子の着物に回したので、節約になって家の経済にもいいと思うのですが。威厳とか伝統とか誇りとか、関わってくるそうです。ご近所さんの目もありますしね。


心配されなくてもいつも屋敷の奥に引っ込んでいますのに。


…そう、お屋敷でした。

広かったです、ほんとに。

日本屋敷です。

住んでいました。現役です。

お庭もあります。


で、私はいったいどこにきてしまったのでしょう。


名前を知らないので、“ここ”と私は呼んでいます。


周りを認識するのに時間がかかりましたが、“ここ”は私がいた日本の某田舎町とは違うようです。あ、日本であることは変わっていないようですが。日本語を話し、漢字、カタカナ、平仮名の文化です。


時代劇、でイメージして下さい。

どちらかというと江戸時代みたいです。暴れん坊将軍万歳。・・・戻ります。


“ここ”はどうやら、江戸時代の日本によく似ているみたいです。ただ、それも似ているだけ、という話なのですが。



「邪魔するぜ」



来た




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