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4-2 そして現在に至る

 三人ともそれぞれの緊張っぷりを見て、気が抜けた。

 ひとしきり笑ったエリザベス様はとても美しくて、凜として、私とモルヴァン様を信じてくれている。その信頼に応えるためにも私は全力で返すだけだ。


 エリザベス様の信頼に応えたい。私の中にあった思いはそれだけだ。

 その後の記憶は曖昧で、次に目覚めたのは半年以上が経っていた真冬の時期だった。


「え」


 新年も過ぎて四月には魔法学院に入学が決定していた。目が覚めた場所は王都に屋敷を構えた子爵家で、モルヴァン様とエリザベス様からの手紙が山のようにあった。

 

(半年以上眠っていた?)


 半年以上も眠っていたことも衝撃的だったが、あの日のことを覚えていないことのほうがショックだった。


(うーーーん、魔力が枯渇してしまったから冬眠的な?)


 医師に話を聞いてもよく分からないという返答だった。口止めされている気がしなくもない。恐らくエリザベス様かモルヴァン様あたりが止めていそうだ。


(それなら直接聞けば教えてくれるかな?)

「エリザベス様は体調を崩して公爵領に戻っているそうだ」

「体調を……?(もしかして解呪を失敗した? それとも後遺症?)」


 両親の言葉を聞いて手紙を読むまでが第一の修羅場だった。手紙には解呪は成功したが、諸々の手続きやら隠蔽など大人の事情というか、政治的にも魔法学院入学までは王都には戻れないと書かれていた。そして子アザラシはいつの間にか居なくなっていたそうだ。


(傷が癒えたから姿を消したってことよね? また会えるかな?)


 詳しい事情も、当時の記憶も思い出せないまま春を迎えた。そして王家主催のパーティーに強制参加が決定。


 その日、パーティーの個室でエリザベス様と会う約束としていたので、とてもとても楽しみにしていたのだ。それがまさかトラブルに巻き込まれ、監禁&求愛からのとんでもない学院生活になるとは、この時一ミリも思っていなかった。



 ***



 王室主催のパーティーに子爵家当主であるお父様、お母様と共に入場した。今日が社交会デビューという訳でもないのだが、会場内の雰囲気に圧倒されてしまう。

 金と銀の煌めくシャンデリアに、煌びやかな内装。ふかふかの赤い絨毯。金と銀の刺繍も素晴らしい。想像以上に豪華絢爛といったパーティー会場に胸が弾んだ。


 オーケストラの曲は《迷い子(アリス)とワンダーランドの果て》のオープニングで使われていたものだ。素晴らしくて思わず耳を傾けてしまう。


(ああーーー。プロの演奏控えめに言って最高。何十時間でもループして聴きたい。CD販売して欲しい──って、そうじゃない! 今日はエリザベス様にご挨拶して、解呪されているかどうか確認しないと!)


 意気込んでみたが、最推しの姿はない。


(落ち着くのよ私……!)


 エメラルドグリーンの美しい髪に、凛としたお姿。今日はどんなドレスなのか成長したエリザベス様を見るのをとっても、とっても楽しみにしていたのだ。


(婚約者の王太子は既に入場しているし、どこかで休憩している?)


 キョロキョロと周りを見渡していたせいか、従者に声を掛けられた。


「ジュラバル子爵令嬢でいらっしゃいますか?」

「はい、そうですが……」

「エリザベス様が個室でお待ちです。ご案内いたしますので、こちらに」

「承知しました!」


 二階に向かう螺旋階段を上がり、個室に通じる廊下を歩く。


(半年ぶりのエリザベス様……!)


 逸る気持ちを抑え廊下を歩いていた。

 その直後、壁に穴が空き、黒服の男が目の前を素通りして壁に叩きつけられた。


「!??」


 崩れる粉塵の中、カツカツとヒールの音が近づく。


「まったく誰に向かって声を掛けたのか分かっているのかしら」

(この声……っ!?)


 傲慢な物言いに、滲み出る怒りの声音。

 次々と黒服の男たちがちぎっては投げ、ちぎっては投げと壁にぶつけて潰していく。その怪力っぷりに思わず固まってしまった。


(雄々しいエリザベス様!?)


 宝石をあしらった真っ赤なドレスに、ヒールの高い赤い靴、ハーフアップのエメラルドグリーンの長い髪、深緑色の瞳に、美しい白い肌。 

 ゲーム画面で何度も見たあのドレスだった。


「エリザベス様」

「ん? あら、ミレーヌ。久しぶりね!」


 無愛想な顔から一変してとびきりの笑顔に、胸がキュンとなってしまう。暫く見ない間に強くて美しさが増したらしい。魔法攻撃も以前よりも精度が上がっている気がする。


(やっぱりエリザベス様は素敵だわ! ……でも肉体強化魔法って使えたっけ?)

「クソッ、これでもくらえ!」

楽しんでいただけたのなら幸いです。

下記にある【☆☆☆☆☆】の評価・ブクマもありがとうございます。

感想・レビューも励みになります。ありがとうございます(ノ*>∀<)ノ♡

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