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5-2 本当に突然の求愛


 慌ててディートハルト様の手を両手で掴んで止めたのだが、彼は痛みを感じないのかキョトンとした顔をしている。


「何って、心臓を捧げるのが人魚の求愛だからね。ちゃんと誠意を伝えないと。まぁ、断られたら僕は泡になって消えるんだけれど?」

「はいいいいい!?」


 どちゃクソ重い。

 人魚姫の童話を反映した設定に近いのか、心臓を捧げるか喉を潰すかで求愛になるらしい。ちなみにガチでディートハルト様は、心臓を捧げるつもりだったようだ。何それ怖すぎる。ゲーム設定にもなかったから本気でビビった。


「ストップ! 本当にストップです! 心臓を捧げるなんて某アニメでしか聞いたことがないんですよ!? 死ぬ気ですか!?」

「人魚の末裔は心臓が三つあるって知らないのかい?」

「知りません!」

「喉も潰してもすぐに回復するから安心して、人魚族は超再生もあるから、ね」

「なにをどう安心するというのですか! 再生するからって、痛みはあるでしょう!」

「……うん」


 真剣に怒っていると、ディートハルト様の頬が赤くなる。


「ハニーは優しいね」

(なんでそこで頬染め!? 話が噛み合っていない!)


 とりあえず他に傷がないか肌に触れていると、ディートハルト様がニマニマしている。


「警戒心の強い猫みたい。ますます可愛い。キスしてもいいかな?」

「なんで!?」

「あははっ、本当に可愛いなぁ」

(展開についていけない。誰か正しい情報をプリーズ!)


 ディートハルト様のテンションが可笑しい。何よりどうして私と婚姻を前提とした付き合いを求めるのか。まったくもって理解不能だ。


 血まみれのプロポーズ。絵面的にサイコホラー状態だ。乙女ゲーム世界観は何処に言ったのだと叫びそうになる。


「とにかく心臓を出さないでください!」

「じゃあ、僕の求愛を受け取ってくれる?」

「受け取りますから! だから心臓を取り出すのは無しで!」

「やった」


 満面な笑顔を見て、してやられたと悟る。

 

(あああああああああああああああーーー!)

「求婚って初めてしたけど、心臓が飛び出しそうなほどドキドキするね」

「実際に取り出そうとしてましたけど!」

「そうだねぇ」


 ディートハルト様は未だ血が手に付いているし、胸を抉った傷も真新しい。急いで苔魔法で治癒をする。


「んんー。ハニーの治癒って温かくって、心地よくて好きだな。それにこうドロドロした物が溶けていく感じ。ふふっ、早く僕と同じくらいの好きになってほしいな」

(恐怖感が増しただけですぅ!! でも求愛受けるって勢いで言っちゃったし……どうしよう……。いやそもそも本気なのかも……うーん)


 ディートハルト様はジッと見つめていたが、少し不機嫌そうに顔を近づける。鼻先が触れるほど近い。近すぎる。


「……ん? 話が噛み合ってない?」


 心底不思議そうに首を傾げる。その疑問は私も思っていた。


(少しどころか全然話が噛み合ってないです。そもそもどうして急なプロポーズに?)

「あ。まさか僕との約束を忘れている?」

(なにそれ?)


 なんか怖いことを言い出した。しかし心当たりはあるのだ。エリザベス様の呪いを解いた日の記憶が曖昧なこと。

 もしその時に、何かあったのなら私は覚えていない。


「ごめんなさい。……忘れていると言うよりも……その、記憶が一部消えているというか、曖昧と言いますか……倒れた日の記憶が思い出せなくてですね……」


 ディートハルト様の瞳は、どうみても捕食者側のそれに近い。蛇に睨まれたカエル。狩られる子ウサギのような気分で、身体が震え上がる。


「そっか。じゃあ、覚えていなくても良いよ」

「え?」

「でもこの一年は僕の傍に居て、僕の婚約者かつエリザベス嬢の取り巻きの一人として学院生活を送って貰うからね。はい、決まり」

「ええ!?」


 ガチャリ、と外側から南京錠を開ける音が聞こえてきた。


「ここまでかぁ~」

「?」


 ディートハルト様は私の首筋に噛み付くようなキスをしてきた。唐突なことに驚きと痛みと衝撃に固まってしまう。

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