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魔女  作者: 野口つかさ


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1/7

祖母は霊能者。

「ありがとうございました。体が軽くなりました。」

「お疲れ様でした。揉み返しが来る事も有りますので水分を多めに飲まれて下さい。」

「ありがとうございました。」

「ぜひご自愛ください。ありがとうございました。」

僕はセラピストというもみほぐし屋で働いています。

このお仕事をして1年ほどになるのですが、

とにかく(ありがとう)という言葉が飛び交うお仕事で。

僕はこの(ありがとう)を聞くと(幸せ〜)とか

(生きてるぅ~)てなるのです。

お客様が揉んでる途中で、ぐぅぐぅ〜寝ると

自分もお客様を揉みながら、眠くなって一緒に癒やされちゃうんです。

ちゃんと揉んでますよ。

とにかく幸せです。


僕の祖母は霊能者でした。

いわいる家業です。

私の両親はごく普通で、

祖母がよく「私の代で終わりにする」とよく言ってました。

祖母が言うには霊能者という仕事はとにかく辛いし、

変な死に方をすると言ってたのでした。

だから祖母は「私で終わり」と言ってたのでしたが、

幸いな事に、祖母は変な死に方はしませんでした。

祖母からは色んな不思議な話しや、

話しだけでなく霊に取り憑かれた人を見てました。

両親や兄はそういうのを見たくない、聞きたくない人だったのですが

好奇心旺盛な僕は祖母が住んでいる広い屋敷に

しょっちゅう行っていて、

取り憑かれた人が祖母の前で

ぴょんぴょん2メートルくらい跳ねてたり、

白目を剥いて固まってる人や

体じゅうに文字が浮かんだりしていたり

そんなように取り憑かれている人を見て、

言い方は悪いのですが興奮していました。

霊を払うと、とても疲れるらしいので、

お仕事終わりの祖母の体をたくさん揉んでました。

よく祖母は霊の話しや神仏の話しをしてくれてたのですが、

その一つに

「福岡には魔女の一族がいる。」

と。

僕達は熊本県に住んでたのですが、

昔に霊能者を熊本に集めた事があるらしく。

祖母の話しなのですが、

一斉に霊能者の人達が学び、訓練、修行をしていたそうなのです。

そこに奇妙な西洋風の格好をした男女が突然に現れて

その霊能者が集まる施設で

飼われている犬を魔法で燃やしたそうなのです。

犬は霊能の儀式で使われる存在らしく。

一気にオカルト感がでてると思うのですが。

そのまま続けます。


その西洋風の男女は自分達は魔女だと言いはったらしく。

手を触れずにこの施設で飼われている犬を、

焼き殺すと言ったそうなのです。

そして実際に手を触れずに呪文を唱えて焼き殺したそうなのです。

いわいる道場破りだったそうです。

そこの施設で偉い人がいたそうなのですが、

「やれるものならやってみろ」の用な言葉を、吐きすてたらしく、

すかさず祖母はその魔女には敵わないと思い地面に頭を

伏せてお許しください。

すると他の霊能者の人達もみんなして、

その魔女に頭を伏せたそうなのですが。

偉い人だけは堂々と、

「やってみろ!」

だったそうで、その偉い人は霊能者ではなく学者先生だったそうで、

飼っていた犬は全部焼け死んだそうでした。

その魔女達は

「福岡の牟田牟田という所にいるからいつでも復讐に来てどうぞ。」

と言い残し去って言ったとの事があったと祖母がいつも言ってて、

「牟田牟田の魔女には気をつけろ」

だったり

「牟田牟田には行ってはならん」

だったり

「牟田牟田の魔女には逆立ちしても勝てない」

など言ってたのでした。

ですが僕はその事をどうしても信じれなくて、

というのも祖母は霊能者の中でも凄い人で

日本の実力のある霊能者では、

知床の霊能者、青森の霊能者、京都の霊能者、

山口の霊能者、熊本の霊能者、沖縄の霊能者。

と言われてるらしく。

祖母はその熊本の霊能者だったんです。

しかも、祖母の家系は平安時代から続くシャーマンとして

霊能界隈の中でも力のある人でした。

歴代の総理大臣も、祖母の屋敷に来ていたりしていたので、

どうも僕はその魔女の事を信じられませんでした。

ちなみに僕にはそういう不思議な力はないですし。

いわいる霊感みたいなのも全然有りません。

動物に好かれたり、蝶々が膝にとまるくらいです。

私はちょっと前までその魔女の話しを、忘れていたのですが、

最近になって急に思い出しました。

きっかけは

揉みほぐし屋さんです。

僕は熊本県に住んでいたので、

揉みほぐしの研修場も熊本市にある所に行ってたのですが、

セラピスト合格をすると

牟田牟田勤務になったのです。

住まいは熊本なのですが、

住まいの熊本は

熊本県と福岡県の県境の熊本側の荒田で。

牟田牟田は

福岡県と熊本県の県境の福岡側なのです。


家から近い揉みほぐし屋は

牟田牟田が近かったので、

牟田牟田勤務になったのでした。

僕は1年、牟田牟田にいたのでした。

何故、その魔女の事を思い出したかというと、

揉みほぐし屋さんでのバックヤードの中での出来事でした。

先輩の女性達がお菓子を食べながら話してたのでした。

「昨日、小学生から魔女って言われてー。」


「えっ何で?

田所ちゃん全然、魔女っぽく無いと思うけど。

髪も短やん。全然魔女感ないけど。」


「うーん」


「えっ何で何で?」


「うーん」 


「言わんとかい!」


「うーん。家がね。魔女の館って言われてる。」


「はぁ?」


「うーん。だから近所からウチの家、魔女の館って言われてて。」


「はあっ?どういう事?魔女の館って?樋口君、何か知っとる?」


唐突に聞かれた僕は、

「いや〜知らないですけどぉ、

駅の所の近くの派手な家みたいに、

あそこ妖精の館があるように、家の外観が変わり過ぎてて

変なあだ名つけられた。みたいな感じですか?」


「樋口君、その通り」


「ちょ待ってめちゃくちゃ気になる事ばかりやっちゃけど、

なん?

妖精の館?

魔女の館?

言葉が足らんて。」


「うん。足らないんだよねー。」


「田所さん教えて下さい。めちゃくちゃ僕の好奇心が。

聞きたがっています。」


「樋口君が言う通りでウチの家は外観が派手で父が増築しまくって、

ていうか父の手づくりの家なんですよ。

でーウチは普通だと思うんだけど見た目が。

だけど父や母や姉達は普通の格好じゃないから。

だから近所の人から魔女って呼ばれてる。」


「へぇ~」

「行ってみたいです。田所さん家。」


「いいですよ。来ても。」


「ちょいちょい、樋口君!田所ちゃん狙ってると?

いかんよ。先輩に手だしたら。」


「別に減る物じゃないから来てもいいんですけど。」


「いやいや辞めたがいいて田所ちゃん!

樋口君ホント来るよ。

何か樋口君、図々しい所あるけん。」


「図々しいですかぁ。」


「それ!樋口君さ、

その何ていうと、こう、

なんていうかなぁー常識ってのがあるじゃん。」


「常識なんてそんなの無いですよ。」


「はぁ〜あ。」


「ウチも樋口君派ですよ岡崎さん。

今の世の中に常識なんて無いよねー。樋口君。」


「うぁ~二人だけの世界やけんね。

揉みほぐし屋やから通用する話しやって。

普通の職場やったらアウトやけん。」


「うん。だから揉みほぐし屋が長い。」


「私、辞めたがいいとやか。揉みほぐし屋。

一般社会から遠ざかっていく気がするっちゃけど。」


「いいじゃないですか。岡崎さん。お客様が喜んで頂ける。

それだけで幸せじゃないですか。常識や社会が、じゃなくて

目の前の人に喜んで貰う。それが僕たち

セラピストの仕事じゃないですか。」


「うん。樋口君らしいね。」


「もう樋口ワールド全開。大放出。

田所ちゃんに放出しちゃ許さんけんね!」


「ウチは樋口君のそういう所好きだよ。」


「じゃあ今日、田所さんが、あがる時間に僕も、あがります。

で、そのまま家来ます。いいですよね。」


「うん。いいですよ。」


「田所ちゃん気をつけてね。」


「大丈夫です。家に父も母もいるんで。」


そういうやり取りをしながら僕は、

自分のシフトの時間を田所さんがあがる、

5時にしたのでした。

それから、岡崎さんが指名が入り、田所先輩も女性指名が入り、

1人ぼっちになった僕はスマホを取り出し、

牟田牟田 魔女の館 で検索してみたんですが、何もヒットせず…。

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