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ヘスペリデスの黄金の林檎  作者: ful-fil


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グレぴとエリリンの友情物語

 ここはヘスペリデスの園。

 女神ヘラの保護下にある神々の果樹園である。

 至高の財宝・黄金の林檎を百頭怪獣ラードーンとニンフのヘスペリデス姉妹が守っている。




 門前でヘスペリデス姉妹がもめている。

 外へ出ようとしている1名を他の姉妹たちが止めているようだ。


「本当に行くの、グレぴ」

「やめときなよ、グレぴ」

「行かない方がいいわよ、グレぴ」


「うるさーい、グレぴグレぴって皆で言うな。行くって決めたんだから止めないで」


「だが相手がアレだろう? 危険すぎるぞ、グレぴ」

「ここは慎重に様子を見るべきだ、グレぴ」

「どう考えても危ないんだよね~、グレぴ」


「うるさーい、グレぴグレぴ言うな。あいつは私のダチなんだ。ダチが困ってるなら行くっきゃねえ!」


「友達は選びなさいよ、グレぴ」

「アレは友達にしたくないタイプだよ、グレぴ」

「縁を切った方がいいわよ、グレぴ」


「うるさーい、グレぴ言うなっつってんの。あいつは性格悪いけど、中に一本芯が通った奴なんだ。私はあいつを見捨てない」


「見捨ててもいいと思うぞ、グレぴ」

「むしろ距離を置くべきだ、グレぴ」

「芯が通ってても性格悪すぎて総合するとマイナスなんだよね~、グレぴ」


「うるさーい、グレぴじゃねえし、アイグレーだし。そうやって誰もがあいつを敬遠するから、罪を犯したわけでもないのに孤立状態になって、オリンポスにいづらくなったんだ。私までいなくなったら本当に一人になっちゃうよ。そんなのダメだし。だから行く」


「考えなおしなよ、グレぴ」

「友情と泥船は別よ、グレぴ」

「火傷するだけだぞ、グレぴ」

「グレぴ」

「グレぴ」

「グレぴ」


「あーもー、グレぴって言うなー!」


「「「「「「私たちを愛称呼びし始めたのは{貴女よ/おまえだ}グレぴ~」」」」」」


「くっ、自業自得とはこのことか。とにかく私は行く。止めても無駄だから!」


「「「「「「グレぴ~」」」」」」



 アイグレーは鉄火肌。

 困った友人を見捨てない。

 たとえそれがエリスでも。


 いけすかない女の結婚式にサプライズとして黄金の林檎を送りつけたはいいが、それに添えたメッセージ『最も最近新婦と寝た男性へ』は爆弾だった。

 結果がどうなったのかは不明だが、新郎新婦の怒りの矛先はエリスに向けられたらしい。


『たすけて』


 短いメッセージを受け取ってアイグレーは立ち上がった。

 止める姉妹を振り払い、友のピンチに駆けつけるために。


「待ってろエリリン今いくからなー!」

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