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ブラックホールに吸い込まれたら

作者: 立花 ひまり

僕はエメラルド。

今、おじさんが変なことを言っている。それはブラックホールの中に行くということだ。でも、それは不可能ではないと思う。おじさんはロケットを操縦できる結構凄い人。おじさんは冒険家で思いついたことをなんでもやり遂げるけど…。

ロケットは持っていない。どうやって宇宙へ行くつもりなのか、聞いてみることにした。

おじさん、質問があるんだけど…。

「なんだい?エメラルド。」

「どうやってロケットも持っていないのに宇宙へ行くの?」

「お、おー。そうか、そうか。そう言やぁ、まだ言ってなかったな。え、えっとなー。

私の友人がロケットを唯一作れる人で、その友人は、小学生からの仲で大の仲良しなんだ。だからブラックホールに行ってみたいんだが、ロケットを貸してくれないか。ってダメもとで言ってみたんだけどさ、あっさりOKしてくれたんだよ。貸すっていうか、あげるよ。とまで、言ってくれた訳でロケットを貰ったんだ。」

それを聞いて僕はびっくりしてしばらく石みたいに動かなかった。

やっと理解し、動けるようになると僕はおじさんに

こう言った。

「おじさん!お願い!僕も連れて行って!」

すると、おじさんは

「んー。困ったな。私もエメラルドがそう言うと思って言いに来たんだが、エメラルドの両親は反対するだろ?」

と言った。

それを聞いて僕は

「お母さんとお父さんなら僕の考えついた方法で納得して見せるよ。」

と言った。

おじさんは

「命の危険もあるんだぞ。それを覚悟しろよ。」

と言った。

さて、さっそく本題だ。

夕飯を食べている時にタイミングを見計らって

僕はこう言った。

「お父さん、お母さん、あの…。僕のお願い聞いて!」

僕は勇気を振り絞り言った。

「宇宙に行ってブラックホールに吸い込まれたい!」

それを聞いて、最初に口を開いたのは父だった。

「あはは。面白い事言うなー。おじさんから話は聞いたぞ。俺は賛成だ。」

「やったー!」と思ったのは束の間。

お母さんが泣き出したのである。

ポロッ…ポロッ…。そして母はこう言った。

「だめよ。そんな危険な所に行っちゃ…。」

「うん。ごめん…。お母さん。お母さんの言う事は聞けない。命の危険を冒してでも、僕はブラックホールの中に行ってみたいんだ。」

そして一夜明けて、お母さんを見るのが怖くて、また泣いていたらどうしよう。怒ってたらどうしよう。と思いながらも、リビングに足を踏み入れた。

「るん!るるるるん♪」

ん?なぜかお母さんは上機嫌だった。理解不能でいると、お父さんが声を掛けてくれた。

「おめでとう。宇宙に行っていいよ。」

そして、お母さんも駆け寄ってきて、こう言った。

「昨日はごめんね。反対して。お父さんに納得させられちゃったんだー。ほ、ほらお父さん!エメラルドに説明してあげて。」

「うん。説明するよ。」

とお父さんは言った。

お父さんによると、昨日の夜、お母さんにこう言ったらしい。

「昔の話なんだが、ブラックホールの中に行って帰って来れた人が居たんだ。テレビで放送してただろ?その人は、あいにくカメラを忘れて写真は撮れなかったらしいんだ。そして、その人はこう言った。ブラックホールの中は楽しかったです。とただそれだけだ。その人によると、俺は、昔その人の後輩だったから、聞けたんだけど、ブラックホールの中は凄かった。でもその中は家族にしか言えないんだ。とな!エメラルド、エメラルドが行ってきて必ず帰って来い!そして俺達に話を聞かせろよ。」

「うん!」

僕は元気に返事をした。早速、歩いて10分のおじさんの家へ行った。

「ピンポーン!」

「ガチャ。おー。エメラルドじゃないか。もう両親を納得させたのか?」

「うん!行っていいって。」

「よし!じゃあ、3日後に出発だ!準備しとけよ。あぁ!でも、食べ物と飲み物とかは、私が用意する。あと必要な物もな!エメラルドは、心の準備をしとけ!」

「はい!」

と僕は返事をした。

それから3日後。今は午前8時朝です。いよいよ、出発の時間。緊張が走ります。身支度が整いました。

「よし!準備OK!行くぞエメラルド。」

「うん!おじさん。」

僕達はロケットに乗り込んだ。

「シートベルトしたか?」

「うん!したよ!」

「よし!じゃあ出発だ!」

というおじさんの声と同時にロケットは飛んだ。

「は、早い!」

僕はロケットに乗れて嬉しい。

すると、おじさんが

「よし!出発成功だ。」

と言った。ぐんぐんぐんぐん進んでいく。とその時!物が浮き、自分も軽くなった。

「もう、シートベルトは外していいぞ。宇宙に着いたから、外を見てご覧。」

僕はシートベルトを外し、外を見た。すると、なんという事でしょう。とても、地球が青く美しいのです。

「うわぁ〜。生で見るのって凄い!」

「綺麗だよな。俺らが住んでいる地球は。」

その時!ロケットが勝手に動き出したのである。

「ブラックホールだ!シートベルトをしろ!」

とおじさんが叫んだ。

あわてて僕はシートベルトをした。ロケットはぐんぐんブラックホールに吸い込まれていく。僕は少し怖くなった。そして、ついにブラックホールの中に入った。気がつくと、そこは色とりどりの数え切れない程のドアが沢山並んでいた。ドア番号みたいなのがドアに付けられていた。なんだろう?ここの世界と思いながら、おじさんと歩いていると、トコトコトコ小さな白熊が歩いて来た。小熊だ。トコトコ。小熊は、

「んー。見た事ない顔だねー。どこから来たの?」

と言った。

僕は答えた。

「地球です。」

「へー。地球から、良く来れたねー。じゃあ、ここを存分に楽しめば良いよ。案内人なら、あの女の子がいるから聞きな。バイバーイ。」

と小熊は言いどこかへ行ってしまった。

「おじさん、案内人の所へ行こう?」

「あぁ、そうだな。エメラルド。それにしても、凄いドアの数だな。」

僕達は不思議な空間を歩いた。

「ここってドアの世界?あんまり楽しくないじゃん」

「いや、凄いよ。この世界も。」

案内人の女の子に

「こんにちは。」と挨拶をすると

女の子は

「こんにちは!私はクララと言います。クララと呼んで下さい。ご用件はなんですか?」

と言った。

「ここはどういう所なの?」

「はい。では、ご説明、致します。ここは色々な世界が楽しめる所です。」

「え?色々な世界って?」

「もしかして、ドアの中がそれぞれ違う世界とか?」

するとクララが

「はい。お見事です。ドアの中がそれぞれ違うのです。ドア番号1番は、ディナー。要するに、食べ物を食べる事ができる世界です。そして2番が海の世界。3番がジャングルの世界。4番が飲み物の世界。5番がお菓子の世界というように、様々な世界へ行く事が出来ます。ここには1億以上の世界があります。人気の世界、オススメの世界が書いてあるパンフレットを差し上げます。宜しければ、どうぞ。」

と言った。

おじさんと僕は、それを貰った。

そして、口を合わせてこう言った。

「びっくらこいたー。」

「アハハ。」

と笑っていると

「あ!」

「おじさん、帰りどうしよう。ロケットは?」

「それがロケットは無くなってしまったんだ。」

「えええー!」

どうしようか困っているとクララが

「問題ありません。ここの支配人様がロケットは出発前の所に戻して置いて下さいました。それに、ここにはもちろん、地球の世界もございますので、いつでもお戻りできますが戻ってしまったら、またここに来る事は基本的には出来ません。それと、ロケットが地球にあって、お2人様が居ないとなると騒ぎになりますので、ロケットは今透明です。あと、存分に楽しんでおられる間、ご家族の方等が心配されると悪いので、地球に戻った日は、ここに着いた日に時間が戻されますので、大丈夫です。」

とクララのお話が終わった。

僕はクララに

「ありがとう!」

と言った。

その時!

「ぐーぐぐぅー。」

と僕のお腹が鳴った。

「じゃあ、ディナーの世界に入ろう!」

とおじさんが言った。

ドアを開けてみると、なんて事でしょう。食べ物がずらりと並んでいます。お寿司にパスタ、マヨネーズ。

「美味しい!」

おじさんも食べてみます。

「これは、美味しい!」

さて、お腹いっぱいになりました。全然、寝れていなかったので、ベッドの世界でぐっすりと寝ました。

起きて、次は海の世界に行ったり、宝石の国に行ったりしました。海の世界と宝石の国は美しく2人は癒されました。様々な世界へ行き、夜が明け、朝になりました。4日目の朝です。

「そろそろ、出発してから家族に4日くらい会ってないよな。」とおじさんが言い

僕は

「うん。」

と言った。

「帰るか!地球に。」

とおじさんは言った。

「うん!帰ろう!おじさん!」

クララに早速帰ることを伝えた。

するとクララは

「ちょっと、待って!」

と支配人を連れてきてくれた。

「どうも、支配人のダイヤです。」

ダイヤさんはとてもおしとやかで綺麗な人だ。

「こんにちは。」

と僕とおじさんはダイヤさんに挨拶をし

「お世話になりました。」

と言った。

すると、ダイヤさんが、ネックレスをくれた。石がぽつんと1つある。お土産に持って行って下さい。

とダイヤさんが言い

「ありがとうございます。」

と僕とおじさんは言った。

「その石は、願いが1つ叶う石です。今度また家族といらして下さい。あと、最後に一つだけ、お伝えしたい事があります。ここでの出来事は、家族にだけしか話してはいけません。他の人に話したら、ここでの記憶と出来事が全て無かった事になります。ここでの楽しかった出来事を大切にしたいのなら、絶対に家族以外には話さないでください。」

とダイヤさんが言った。

「はい!ではまた。」

と僕とおじさんが言い、ドアに足を踏み入れたとたん、気が付くと地球に戻って来ていた。

家に帰り、家族にブラックホールの中の事を全部話した。そして、石の事も伝えた。

あぁ。とても長かった旅。今度は家族全員で行って、家族と共に楽しめるのが待ち遠しい。

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