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Episode 4 役場へ

暑いので熱中症には勿論、食中毒、脳梗塞などにもご注意ください。

こまめな水分と塩分補給、涼しい場所で体温を調整。

手洗いうがいも外出後はしましょう。

水分をとらないと脳梗塞なども起こりやすくなります。

トイレが近くなるとか言わずにしっかり水分補給しましょう。

「あの相談があるんですが……」

役場にやってきた俺は何と言えばいいか分からないし、どんな手続きが必要なのか全く分かないまま来客の全くいない総合案内受付にいる女性へと声をかけた。

「何の相談でしょう……か?」

俺が挙動不審なのだろうか、受付の女性も何だか挙動がおかしい。

「えっとですね……俺なんか死んだ事に……ぐきゃ!」

「あんた……恵吾?だよね?」

いきなり胸ぐら掴まれて何故か受付の女性に涙目で問い詰められる。

「そっ、そうですけど……誰です?」

更に胸ぐらを強く握りこまれ睨まれる。

「幼馴染に向かって誰とは随分な事言うじゃない」

「幼馴染……って……あきら?」

「そうよ、晃よ!見たら分かるでしょ」

服が伸びる……とか言ったら本気で怒られるんだろうな。

「見ても合うのは高校卒業ぶりだから……12年前?」

「22年前よ!」

相変わらずツッコミの鋭い彼女は産まれた時から近所に住んでいた同級生で、昔から俺の事を弟扱いしてくる面倒見が良い姉貴分だ。

「あんた行方不明になって葬式まで……って生きてる!?」

「だからそれを相談しに来たんだよ」

「今まであんた何処にいたのよ!」

大きな声で叫ぶ晃の姿に異常を感じたのか職員たちは俺たちを覗き込んでいる。


「何事かね?重要な話があるなら応接室を使いたまえ」

「課長……重要な話というか何というか……」

「私事でも何でも構わないが受付で話す内容ではないのだろう?なら部屋を使って話すことだな」

どうやら気を使ってくれたらしい。

「せっかくだ、お言葉に甘えよう」

晃に促し部屋へと移った。


「で、何処にいたのよ?」

さっそく不機嫌そうな晃に睨みつけながら問われた。

「俺にも分からないんだけど」

「嘘は無しよ。嘘ついたら五寸釘万本飲ますから」

「五寸釘じゃなくて針だろ!万本じゃなく千本だし!」

「嘘付かなきゃ良いじゃないの」

目が本気過ぎて変な汗が出てくる。

「拉致されてたんだよ」

人じゃなく神様にだけど。

「15年も拉致されてたっていうの?」

「いや5年だけどな」

「あと10年はどうしてたのよ?」

まぁ、理解出来ないよな。


「1つずつ説明するから落ち着いてよ」

明らかに冷静ではない晃には取り敢えず話を聞いてもらわなければならない。

「また誤魔化そうとしてる!」

「良いから一度黙って話を聞け!そうやって話を途切れさせて何か分かるのか?……言いたい事は分かるから……」

思わず出た大きな声に晃は驚き、冷静さを取り戻す。

「話をするぞ?いいな?」

この問にコクリと頷く姿に俺は少し安堵して話を始めた。


「15年前のあの日……俺は気付いたら異世界にいたんだ」

「ちょっと!そんな話……あっ」

ギロリと睨むと晃は言っていた言葉を飲み込んだ。

それから俺は異世界に連れていかれた事、5年間異世界にいたらこちらでは15年経っていた事を少しずつ説明していった。

「それで帰ったら死亡扱いされてて困って役場に来たんだ」

と話を終えると晃は難しい顔をして質問してきた。

「何か証拠がある?」

やはり異世界話をすぐには信じられないのだろう。

「俺の姿はどうだ?25歳の頃のまま……って言うか鍛えられた分若く見えるだろ?」

「確かに40歳にしては異常なくらい若いけど……」

「この世界にないものは持っているけど、それを確認しようと専門家に依頼でもしたら大騒動になりそうだな」

「この世界にないもの?」

コテンと首を傾げる晃も到底40歳には見えない……現役で総合案内受付にいるという事だけでそれは周知の事実なのだろう。

「若返りの薬とか万能薬みたいな物とかかな」

「万能薬?それってどんな効果があるの?」

晃は意外な事に若返りの薬より万能薬の方に食いついてきた。

「あらゆる病気の治療に効果あると思うけど……」

「癌にも?」

「試した事無いから確証は無いけど多分」

「それを譲ってくれない?そしたらあんたの色んな問題は私が対処してあげるわ」

そんな晃の表情はとても真剣で、この顔をされた彼女には俺は勝てた試しがない。

「誰に使うか先に聞いてもいいか?」

晃はそっとスーツのポケットから1枚の写真を取り出した。

その写真には晃と中学生くらいの女の子の姿が写っている。

「娘の真理よ。去年から癌と診断されて入院してるわ」

「いつ試しに行く?今日でも良いぞ」

即座に返答した俺に晃は信じられないといった顔をしていた。

「万能薬よ?貴重なんじゃないの?」

「晃の娘なんだろ?他にいつ使えっていうんだよ。確かに貴重ではあったが無くなったら材料はいくらかあるから作れば良いしな」

「作る……もう何でも良いわ、今日にでも来て貰えるなら助かるわ。ちょっと早退の許可取ってくるから待ってて!」

晃は俺の事など見向きもしないで応接室を飛び出して行くのだった。

「早退します。後は宜しくお願いします!」

と許可を本当に取ったのか怪しい声が聞こえて来たが、俺は聞こえなかった事にしようと決めた。

本タラバ蟹食べました!

祖母の好物で食べたいというので買ってみました。

美味しかったのですが人の分まで殻を剝くのは大変……かと言っても祖母には硬いタラバに対応出来ません。

キッチンハサミ持って悪戦苦闘した結果、大満足してくれたようです。皆さんはどんな食べ物が好きですか?

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