八 ヤーパン国のコジロウ殿
「ハモンド、シーラン姫はいつ来るかしら?」
「はい、アリエ様、明後日の予定ですが?」
「分かりました。重ならないようですね」
次の日、村長に連れられ人替えの男がやって来た。
一緒に六人の娘を連れていていた。
「アリエ様、ヤーパン国のコジロウ殿を連れてきました」と村長が告げると
その男は姫の前に出て片膝を付き右手を胸に当て挨拶した。
中々礼儀正しい男だとアリエ姫は思ったが、八等身で顔が小さく、頭も黒い毛が
びっしり生えている。鼻も高く目も大きい。醜い男だと感じた。
「私はメシコデ王国の国王の一人娘のアリエです。そなたが人替え人と
聞きましたが、連れているのはそなたの国の娘か?」
「はいそうです。アリエ様」娘達を見ると醜女ではなく、五等身で顔が大きく、
鼻も低く、頭もそれほど禿げ散らかしていないが中の上の程度だった。
確かに昨日の村娘の醜女から比べると各段に美人だった。
「コジロウ殿、私は昨日この村の交換される娘より行きたくないと相談され
ました。未来の王女として庶民の話に耳を傾けなければなりません。
何とかなりませんか?」
「アリエ様、私は今回で人替えは四年目です。その間十八人の村娘を国に連れ
帰りました。その全員が幸せに暮らしています。みんな身分の高い方と結婚
されています。今回も嫌がる娘もいると思い、我が国で開発した写真と言う物
を持ってきました」
「えっ! あの鏡に映った姿を紙に写すと言う写真ですか?」
ハモンドが目を輝かせて聞いた。
「はい、そうです。試しに私の姿を写したものがあります」
と一枚の写真を差し出した。
アリエ姫はコジロウ殿と写真を比べて見て「同じですね、凄い技術ですね」
と感心した。
「では今まで私が連れて行った娘達と結婚相手の写真を見せましょう」
と十数枚の写真を見せた。
確かに醜女と腕を組んでいる男性が写り、それは四等身で顔が大きく、
禿げていて美男とまでは行かなくても普通以上だった。
「これは本当ですか?」
「本当です。神に誓って嘘は言いません」
「では何故、この男の人達は醜女が好きなのですか?」
コジロウ殿はその質問に困っているようだった。
「答え難そうですね。村長、交換する娘達を連れて来なさい。そして写真を
見せて本人達の希望に沿うようにしなさい」