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六 初めての旅


 それから二カ月程経った頃に日程が決まった。


ハチトウシン村には十日程かかるので早めの十二日前に出掛けた。


一行はハモンドと兵士五十人と食事とか身の回りの世話をする侍女二十名だった。


大きなお城の門が開き一行は出て行った。


考えればアリエ姫は城から出るのは初めてだった。


暫く行きアリエ姫は馬車の中から後ろを振り向いた。


十メートルはある高い塀で囲まれた安全な城内、門の上で心配そうに見送っている

父を見ると今直ぐにでも戻りたかったが、好奇心が優先した。


ハチトウシン村への間には十の村があった。一行は一つの村に一泊ずつした。


やはりアリエ姫の美貌は国中に知られていて、村人が一目見ようと

押し掛けて来た。


舞台もある村では惜しげもなく舞を披露した。


初めて見る美しい姫に皆狂喜した。

年寄りはもう思い残すことは無いと涙を流した。


その状況を見たアリエ姫は「ねえ、ハモンド、こうして庶民と交流する事も

必要で大切なことですね」


「はい、アリエ様、その通りです。これで王様とアリエ様への信奉も

大きくなるでしょう」


「ところでハモンド、シーラン姫も十の村を通って来るようですが、

舞台のある村では踊っているのですか?」


「いいえ、踊っていないようです」


「やはり、私に会うのは気乗りがしないからですね」


「いいえ、前にも話したと思いますが、日が沈みカラスが(カアー カアー)と鳴かないと踊りを始めないそうです」


「ではハチトウシン村でもカラスが泣かないと踊らないと言うことですか? 

では踊りが見られないのですか?」


「アリエ様、大丈夫です。カラスは後から連れてくるそうです」


「そうですか、安心しました」そして十日目の夕方にハチトウシン村に到着した。


やはり村の至る所に醜男、醜女が馬車の中のアリエ姫を見て美しさに感嘆の声を

揚げていた。そして村長に出迎えられ宿舎に着いた。

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