文字を覚えましょう
チョロチョロって書いてる感じですね。
あれから3ヶ月、九官鳥のように
「あれなに?これなに?」と聞いて回ったが家族は嫌な顔すら見せない。
喜んであれこれ教えてくれる。
お陰で
“エルフ語レベル1を習得しました。“
とアナウンスさんのお墨付きまで頂いたし。
が、理解できるようになるとそれはそれで暇になる。
そこで、
「ママ、もじおぼえたい。」
と上目遣いでお願いしました。
「わ、わかったわ。ちょっと待っててね…すぐに帰るから」
パタンとドアが締まると、絶叫が鳴り響く。
「うちの子かわいすぎやろー」とか言ってた気がするが気にしない。いつものことである。
再びドアが響くと取り繕った笑顔で
「も、もじのお勉強ね。書いていくから少しづつ覚えるのよ。まだ一歳にもならないんだからね。」
ね。の部分でウィンク要らないよ母さん。
とりあえず、土の床に下ろされ一文字づつ書かれては撥音の繰り返し。
文字の数は50文字日本語と変わらないが何故か鏡文字のように書かれてる。
日本語と同じならよかったのにと思いつつ文字練習する。
日に日に覚えながら、七日語には文字をマスターしていた。
時々間違えることはある。気を抜くと日本語書いちゃうから。
いつものかまってくる兄妹だが6日後位から姉の方はプルプル震えながら、
「このままではあねのたちばが…」
なんてこといって横で文字を練習し始めたのだが、7日語には追い抜いていたらしく。
「リズはかしこい…あねなのに…おしえられない」
「ねーねえらい。いっしょにべんきょうする!」
そういうと
「そうだね。いっしょにべんきょうできるよね。」
とパアッっと明るくなった。
実にちょろい姉である。
兄の方はというと賢い人である。
母がうろ覚えになってきた知識の間違いを但し、今現在先生の座に君臨中。
学校で使う黒書板(黒板の小さいタイプのもの)に午前中の暇が潰せるような問題を書いて持ってくる。
兄の部屋に、母に連れられ入ったときがあったがニヤニヤしながら「俺の嫁のため…」パタン。
「リズちゃん…何も見なかったわね…」
「あい…」
という訳で無かったことにした。
あれはないわあ…非常事態以外では一人で兄の入らないようにしなければと心に誓った。
姉の部屋もあんな感じなのかなと不安になりつつも、エルフの高潔なイメージがまた崩壊した1日でした。
文字をマスターしましたが…相変わらず身内ネタです。Σ(-∀-;)