表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

きまぐれ短編集

「知ってた」

作者: 来阿頼亜

 今日の出来事もいい思い出。

 思い出になんてしたくないけど、いつかは思い出になってしまう。

 それはきっと消えない記憶。

 消えて欲しくない記憶。


 あの時、一緒に食べたハンバーガーの味も思い出せないくらいに僕は、君の(こと)()を拾う事に夢中だった。君の笑顔をこの(レンズ)を通して、脳裏(フィルター)に焼き付ける事に必死だった。君の声を記憶(メモリ)する事に従事していた。

 あの時、僕の心の中にこみ上げてくる想いを必死に殺していたよ。

 ずっと、この時が続けばいいって思ったよ。時間が止まればいいと思ったよ。


 神様は本当に意地悪だ。

 君とずっと一緒にいさせてくれないんだから。

 もう直ぐ会えなくなるんだね。会いたい時に会えなくなるんだね。会いたくない時でも顔を合わせていたのに、それももう直ぐ出来なくなるなんて。

 神様(うんめい)は本当に意地悪だ。こうなる事が分かっていたのなら、最初から出会わせてくれなくてよかったのに。


 まだ君に言ってない事が沢山あるんだよ。まだ君に伝えていない言葉も沢山あるんだよ。まだ君に僕の全部を見せてないんだよ。まだ君の事を全部知ってないんだよ。もっと君と仲良くなりたいんだ。もっと君と一緒にいたいんだよ。




 だって君は……




 君は僕の一番の友達。君は僕が一番好きな人。

 君は知らないだろうけど、僕は君と会う時が一番楽しくて、一番嬉しくて、一番心から笑えて、一番心が安らぐんだ。


 思い出になんてしたくない。いつかは色褪(セピア)せた色になってしまうのかも知れないけど、僕は君を忘れない。だから、サヨナラは言わない。その時が来たら、お互いに笑って「またな」って言おうな。

 そして、その時が来る前に……君にちゃんと伝えるよ。




「君がずっと好きだった」って。




 でも多分、君はこう言うんだろうな。




「知ってた」って。

この作品の捉え方は読者の皆様に委ねます。作者的にはどう受け取って頂いても構いません。ですので、キーワードの設定は?マーク付きです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ