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巡り姫  作者: 双未三水
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第2話 コタツでの攻防

家の中ではテーブルの下にコタツがあり、かつては家族の憩いの場となったであろう。


第2話 コタツでの攻防


闘いは、テーブル上からコタツの中と外で激しく行われていた。

コタツの中を陣地として固めていたのはロボット少女の「アピ」だ。

コタツの外では、激しい戦闘が繰り広げられており、少女の口から焼夷弾が落下してくるような効果音が漏れる。

少女は、時折コタツ布団から顔を出すと驚くような仕草をして再び、布団の中へ身を隠す。

「くっ、周囲を敵に囲まれた。だが、この強力なバリア(コタツ布団)は、並大抵のことでは崩れないぞ」

戦況は、こちらが不利らしくコタツ内の暗闇の中で独りウロウロする。

籠城戦ともなれば、昔の戦いでは、持久戦だ。あまり勝利したものはいないし、兵糧攻めという言葉がある通り、いたぶるような戦法だ。

アピ将校もそれは、避けねばならなかった。

いつ、「飽きた」という衝動に駆られるか分からない。一気に攻め、戦況を逆転させなければならない。

「仕方ない。使いたくはなかったが••••••コイツを使用しよう」

と布団を開け、僅かな光をコタツの中にもたらした。

うっすらと戦車の模型のような物が見える。少女は、後ろからゆっくりと戦車を押すとキャタピラが回転を始めて、コタツの隙間から砲台だけを覗かせる。

かつて、大地を焼き尽くした最悪の兵器(という設定)の戦車。その脇に少女も立った。

「最終警告だ!」

と声を高らかに宣言した。

「これから使う兵器は、お前達が持っているどの兵器よりも強い。大人しく降伏をするならば勘弁してやるぞ」

しかし、少女の想像上の大軍は、歩みを止めることなくコタツ拠点へと近づいてくる。

無論、こうなってしまえば後には引けない。

少女は、弾を戦車に装填する動作をすると座布団が敷いてある場所へ砲撃を開始した。

「仕方ない、砲撃開始」


ドォォォォン

ヒュンヒュン


一瞬で辺りが焼け野原となり、戦車の絶大な威力が発揮された。

相手も応戦を始めた。少女は、絶対防御の布団に包まりながら次弾を装填する。

「いけ!レーザービーム」

と今度は、砲撃ではなく電磁波を使った兵器で辺りを見渡すように戦車を移動させる。

レーザーが当たった所は、一拍空いて爆発炎上。次々と座布団が燃えて敵の兵は、吹き飛んでいく。

布団の陰で満足気にうなづくと、コタツ拠点から飛び足してテーブルの脇に立ててあった仮面人形を肩に担ぎ、座布団の上に寝転ばせる。すぐに布団の中に入ると顔を覗かせ

「やはり、貴様が総統のようだなトラ仮面(今、命名)、決着を付けよう」

コタツから飛びだし、寝転がっている仮面人形を起こすと足払いを掛けて、上に飛ばす。

ジャンプをして位置を同じにすると両腕を前で握り、一気に上から下へ振り降ろした。

仮面人形は、為す術なく座布団に叩き付けられる。

「まだまだ、メガトンキーック!」

無駄に運動機能が良い少女は、空中で1回転すると目下に無様に倒れている仮面人形に全体重を乗せたキックを浴びせた。

「あ!」

胴体に当てるはずだったキックは、目測を誤り腕に当ててしまい、ポッキリと関節部が割れてしまった。

大切にしていたものが壊れると急速に熱が冷めてしまい、仮面人形と割れて取れてしまった腕を交互に見ながら溜め息をつく。

「ごめんなさい。そんなつもりはなかったの••••••」

というとテーブルの上に仮面人形と取れた腕を置いた。

闘いは終わった。コタツの内外で行われた闘いは、敵の総統の瀕死により終戦。

少女は、がっくりと肩を落としてコタツの布団をめくり上げると中にあった「最悪の兵器」を押して出てくる。

「さて、お片づけ!お片づけ」

今度は、壊さないように絨毯の微妙な凹凸にも細心の注意を払って元あった所に••••••


片付けなかった


押している最中に妙な箱があるのを見つけたからだ。

それは、テーブルとは反対側にあるテレビの台の奥にぽつんと置かれていた。全く陽が当たらないので少女がその存在に気がつくのが遅くなった。

「なんなんだ?これ」

戦車をほっぽり出して、箱の周囲を探る。

箱は直方体で横は少女が手を広げたものより大きく、高さは少女より少し小さい形だった。

ふむふむと観察してから、持ってみると意外に重いが少女には持ち上げることが出来て座布団の上に置いてみる。

箱なら何処か開けられる所がありそうなもの。

あれこれと引っ張ったり、押し込んでみるが開きそうにもない。

「?ここに隙間がある」

箱の横側の真ん中に隙間があり、両端が留められている箇所を見つけた。

「少し潜りこむか」

と身を乗り出して、上半身を隙間に滑り込ませる。

うつ伏せで侵入したのを反転させて、仰向けに直ると両腕に力を込めて隙間を広げてみようと試みた。

すると、パチンと留め具が外れるような音がして押し上げた部分が寝転んだ少女の頭を通り越した。

早速、起き上がって開いた部分を見に行くと

何やら同じような機械が3本あり白い紙のような所に


観月、睦月アルバム S63. 5.11

松羅おばあちゃんの思い出

順胠様の墓 墓参り


という文字が並んでいた。


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