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巡り姫  作者: 双未三水
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第1話 玩具に興味

初のオリジナル作品です。


読んでいただければ幸いです。


この物語はフィクションであり、個人、団体名等は架空のものです



今から何十年も前の出来事

1人の人間が秘密裏に処刑された


罪状 世界崩壊罪


その人間がいるだけで地球が崩壊するということであった。

俄かに信じ難い話であるが、当時の資料からも信憑性が高いとされている


時は流れ西暦X年

人類は、滅亡した

ある国から端を発した第三次世界大戦により、最悪の兵器である原子爆弾を核保有国が使い泥沼と化した戦争に終止符を打った

それは、平和から最も遠い決着

双方の相討ちによる決着だった。

遺されたのは、致命的な地球の損傷と生命体の遺伝子の破壊だった。

もはや、大地を揺るがすことのない

歩むこともない渇いた地だけが殺伐と存在するだけだ


誰もいない 生き残っていない

永遠に絶望な世界


物語 巡り姫


第1話 玩具に興味


山間部の小さな村にその家があった。家が二軒隣り合っており、一つは木造建築でもう一つは、白壁を塗ってある。

家の元々の主の家族が住んでいたのだが、今では生きている者は居なかった。

そんな民家に、小さな影が物置の中で何かを探していた。

「えっと~これは、車の小さいので、こっちはなんとか仮面の人形だったかな」

緑と赤のコントラストがある箱から、玩具を取り出しているのは、体長が15cmにも満たないような少女であった

関節部分には、大きなボルトがあり大小様々な部品で構成されてあった

少女は、人工知能を搭載したロボットであった。彼女を造ったのは、かつてこの家に住んでいた家族の末っ子だ。

人類が滅ぶ寸前に彼女を作成し、家の1番奥の部屋に隠すように置かれていた。

彼女が目を覚ました時には、家は静寂の膜に包まれていた。遺体も遺さずに綺麗になった家の中で彼女は起動してしまった

最初は、何が何だか不明瞭であったが起動してから何時間すると自分のエネルギーや家の内容が解るようになったのだ。おそらくバックアップメモリーが作動したのであろう。

その後、彼女は居間と呼ばれている部屋に入るとソファーに身を投げた

思いの他、使い込まれていたらしくスポンジの部分が露出していたり、カバーが破れていたりしてその隙間に入ってしまい抜け出すのに難儀した。

やっとの思いで、ソファーから脱出すると近くに置いてあったペンを持つと辺りを見渡して紙を探した。手頃の紙は運よくテーブルの下に落ちていて拾ってくるとテーブルの上に広げる。

ペンのキャップを取るのが最初は分からなかったがこれが何かのメッセージを書くものであると知っていた。

キャップは、脚に引っ掛けて両腕て渾身の力を込めるとキュッポンという空気の音と共に外れた。

反動で頭を強打したが、動作上問題はなく視界も良好であった。

テーブルの端に置いたメモ用紙を取って

キケンと赤く書き、落ちたソファーの上にそっと置いた。

フッと誇らしげに笑みを浮かべると先程取り出した玩具をテーブルに置いてみる。

車の上に仮面人形を乗せようとするがなかなかバランスが取れずに首をあれこれと向きを変えてみる。

最後は、諦めて仮面人形をテーブルに置くと車を両手で押してテーブル上をレーシング場に見立てて縦横無尽に乗り回す。

勢いを付けたら、飛び乗って惰性での運動を楽しみ、速度が落ちたら足を付けて走り出す。

それの繰り返しをして遊んでいたのである。

当然、惰性であるしテーブル上の空間は限られていてある時に飛び乗った所で端から落ちてしまった。

直ぐに、車の玩具からジャンプしてテーブルに戻るがあまりの驚きに肝を冷やした、否エンジンを冷やした。

文章上、機械上良さげに聞こえるが仰天しているので気分はよろしくない。

テーブルの端から下を覗き込むと横転した車がソファーの上で横になっていた。

キケン

この文字がある所だ。

危ない

危ない

罠(←?)に掛かる所だった。


「よーし、次の遊びをしよう」

と言って標的になったのは、仮面人形だ。

テーブル上が街中となり、敵の戦闘員となった仮面人形が少女の前に立ち塞がる。

「お前の好きにはさせないぞー!パーンチ!」

とバランスが悪く倒れている敵を片手で起こして右手でパンチを繰り出し、軽く投げ飛ばす。

「どうだ!次はキックだ。トォォォ」

倒れている敵に上からキックをかます。

続いて肘打ちをする。相手はもはや動くことができないようだ(←元から動きません)

今日もこの家の平和を守った。


少女の名前は「アピ」

誰もいない世界で独りだけ動く機械仕掛けのロボットである。

これは、かつて存在していた家族との想い出を巡る物語。






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