揺蕩う青の底に住まうもの達
ファーブルの住む星は基本的に地球と同じ種類の生命体が繁殖している。だが、この星の海には人工的に生み出されたそれらとは別に、オリジンである古代魚や甲殻類(ようはカンブリア紀とかにいる珍妙な生き物)もわらわらと住んでいる。
特に顕著な違いは海竜の類や烏賊、蛸などの軟体動物であろう。巨体を持つそれらは食欲旺盛で、人が作った船は簡単に沈没させてしまうことは間違いない。
対抗策を持つ生物が存在しないために陸より遠く離れた海は、彼らの支配下にある。
そして、日の届く海底は大体がマーマンの支配域である。
マーマンは以下のような特徴を持つ。
鱗だらけの体、長い首や蛇のような顔立ち、水かきのついた手足、海中を進むための強靭な尾鰭や背鰭。海中ではわき腹にある鰓で、海上では肺で呼吸をすることができる。
道具を使い、言語を持ち、海底に洞窟状の住居を作り生活しているらしい。
これらの特徴からノアの遺産が絡んでいる可能性は高いが、武器や衣服(というか防具?)は原始的なものが多く、大体が骨や岩などで作った槍で武装し、ネックレスのようなものをつけているだけであることから、彼らの中に大した技術伝承は行なわれていない可能性が高い。
海草からうっかり海に近づきすぎた陸上動物、あるいは海竜や烏賊、蛸の類の大物まで、狩猟で捕れるものや採取で採れるものは何でも食べる。
狩猟で捕るわりに海竜信仰であるらしく、海竜もなぜか積極的に彼らを襲ったりはしない模様。
工業技術が低いので環境汚染の類も起こらず、かれらの生活圏はいたってクリーン。