遠い異国の話
ひりひりと焼けるように
干からびていく喉
昼も夜もなく
上から降る地響き
突如人の頭骨に
音もなく奪う
連鎖する弾は
呻き声と飛び散る肉になる
張り詰めた祈りは
どこに届くのだろうか
正当化された正義のもとに
命は陳列されて
値踏みするブロイラー達
腐臭と汚物、こびりついた血
果てるともない撃鉄を引く
失いまいとする抵抗
彼らのそばに天使は見守っていたのだろうか?
武器を持たぬ人の恐れ
武器を持つが故の恐れ
交差する国家
撒かれた土壌へ
横たわる眠り
やがて冬が来る
それでも
遠い異国の話