どうしてこうなったし
「なあ、直斗。」
「どうしたの?氏直君。」
「やっぱお前アレだよな?」
「回りくどいね。言っちゃっていいよ。」
「お、おう、お前ヘタレだよな。」
「ある程度覚悟はしていたけど、やっぱ改めて言われると何か傷つくね。」
「すまんな。お前とは小学校からのつきあいなんだが、わかりきっている事なんだけど何か改めて聞いちまう。」
嫌な評価だね。
ああ、僕は風間直人あと一週間で高校生のごく普通の少年だ。
「おい、どこ見てんだよ!おい!」
そして僕の前にいるのが前田氏直だ180cmある巨体の持ち主だ。氏直は北条氏直の氏直だ。僕らは学校の下見の帰りだ。
「にしてもお前アレだよな?ヘタレがヒートアップしてるな。今年に入ってから、」
「なんだよ。失礼な。ちゃんとマシになってきてるよ!」
「それならいいが、おっと俺はこっちだから
じゃあな。」
「うん、またねー♪」
氏直君と別れる。もう6時だ。僕はちょっと急ぎ足で帰る。
『やめて!』
「ん?なんだろう?」
場所的に路地裏かな?・・・不気味だなぁ。勇気を持っていくと、何人かの男が1人の女性が囲まれている。
居酒屋の看板に隠れる。我ながらここまで近づけたものだ。話し声が聞こえる。
「やめて!もう帰りたいんだ!」
「いや、お前は俺のものだ!」
今時こんな人がいるとは
「そうだ!そうだ!」
「アニキの言うとおりだ!」
「キェ~イ!ア~ニキ~!」
子分かな?セリフが某世紀末救世主伝説ぽい、ていうか最後のセリフの人、まんまだったよね。
「警察を呼ぶぞ。」
「日本の警察なんぞ俺にかかればタダの無能集団よ。」
「さすがアニキ!」
みんなよ~く覚えよう。ああゆう考え方を中二病と言います。
「武道なら心得ている。女だからと言って舐めるな。」
「おいおい、こちとら5人だぜ?」
「そうだ!無駄だ!大人しくアニキを崇めろ!そうすれば道は開かれるぞ!」
何の道⁉だんだん言っている事が宗教じみてきてるね。
「くっ!ここまでか?」
「さあ、観念しろ。ゲヘ、ゲヘヘヘヘヘ。」
・・・・・もう変態だ。けど、どうしよう。
アレ完全にピンチだよね。でもな~怖いな~
けどあの子ピンチだしな。え~い!いったれ~!
気がつけば僕は落ちていた酒のビンを拾い駆け出していた。
「おいーっ!やめろー!」
30分後
ハァハァ・・・・
結局逃げた。いや彼女の手を引いて走った。運動はそこそこ自信あるからね。
「ハァ大丈夫?」
「ああ、ありがとう。」
「君名前は?僕は風間直人、閃光学園の入学生だよ。」
「僕は佐原飛雄馬同じ閃光学園の入学生だ。」
なぁんだ、同じ学校の生徒か。
「ならよろしくね。」
「ああ、こちらこそ、」
「ところでなんだが直人でいいか?」
「いいよ。あ、僕も飛雄馬でいい?」
「もちろんいいぞ。でだな、僕は女、男どっちでしょう!」
「いや、どうもこうも女でしょう?」
「正解は男だ。よく間違われるんだ。」
「いや、さっき『女だからといって舐めるな。』ていってたじゃん。」
「貴様~~〜・・・・」
「ヒィ!」
こ、怖っ!貞子さんもビックリだよ!
と、とりあえず
「ごめんなさい!ごめんなさい!許して!なんでもするから!ね?ね⁉」
本当僕、ヘタレだなぁ。
ゆっくり近づいてくる。こ、怖いぃ!
「じゃあ僕も協力する。みんなに女だってばれないようにさ!それでいいだよね?」
お、止まったようだ。よかった。
「その話本当だな?」
「う、うん、そうだとも。」
「お前、1人暮らしか?」
「まあ、はい。」
「じゃあもう一つお願いがある。」
「なんですか?」
彼女は顔を赤くしながら
「お前の家泊まっていいか?」
「まあ、今日ぐらいだったらいいけど。」
「いや、これからだ」
え、えぇーーーーーー!?