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僕と魔法と学校と  作者: Microsoft
1/3

入学

新たに連載しました。


これから宜しくお願いしますbyMicrosoft

僕、柳井埜臼(やない のうす)は今、たった今、魔法第一高校の入学式に参加していた。新入生としてである。

入学式は重苦しい雰囲気で皆押し黙っている。新入生は全員用意された椅子に出席番号順に座らされていて、担任となる人物に名前を呼ばれると「はい」と軽く返事をして席を立ち頭を下げる。その繰り返しであった。僕の順番はとっくに終わり、今は、パブリコB組が呼ばれている。

ちなみに、僕はパブリコA組である。

順を詳しく言うと、エクセルA,B,CパブリコA,B,Cの順番だ。

エクセル、パブリコとはクラスの事であり、入試での成績優秀者はエクセルへ、合格ラインを超えているだけの生徒はパブリコへと振り分けられる。

ちなみに、僕の入試の成績というと……

受験者内順位500/1500 合格者順位500/500

つまり、この新入生の中では僕の成績は最低ということになる。

入試は一般的な魔法の応用の実技と魔法の仕組みや基礎等を試す筆記試験がある。

僕は実技がからっきしであった。筆記は自分ではあまり得意だと思っていないが、よくそれは嫌味だ!とか叫ばれることがあった。

はっきりいって入学出来るとは思っていなかった。この高校はここらにすんでる天才やある程度の地位を持っている家の息子がやってくるようなところである。

それ故にハードルは相当高い。

しかし、メリットもあり、ここへ入学出来れば安定した将来が望めるのは確かだった。

それにつられて僕はこの高校を、受かれば万々歳程度で受験した。



――――寝ずに勉強をしている人もいるのに、遊んでいた僕が受かってもいいものだろうか……



そんな疑問が心の中に渦巻いたがすぐにそれを否定する。

僕は、実力で受かったんだ。ここで、堂々と生活をしてもいいはずだ。

500/500だけどね。

しかし、ここで気を緩めていてはだめなのだ。

普通の高校と違い、ここでは半年に一度、退学テストというものがある。

これは、生徒の向上を図るためとされているが、実際は生徒が少ないほうが楽だからという噂もある。

このテストで悪い点数を取ればエリートコースはない。



入学式を終えた新入生たちは地図を頼りに各々の教室を探す。

僕は、パブリコA組なのでその教室への道を目で辿る。

うん。すぐ近くだ。

2分ほど歩き、僕は扉の前へ待つ。

すぐ近くといってもこの学校は広いので移動には時間がかかる。

まぁ、移動に10分を費やす一番遠いエクセルのA組よりかは断然ましなのだが。

そして、扉を開ける。

僕は少なからず驚いた。

いくらこの高校でも将来を渇望されるエリート集団のエクセルとは違いパブリコの僕は普通の教室だろうと思っていた。

しかし、その考えはすぐさま否定される。

広い。

その一言しかでない。簡素な作りなのだが、ともかく広かった。

普通の教室の5倍はあるだろうか。

生徒100人がねそべってもゆったりできそうであった。

魔法第一高校恐るべし。

あまり扉のところにたっていると人目を引くのでとりあえず中へと入る。

そこにはもう50人ほどの生徒が席に座っていた。

僕は、この高校にくるさいに配布された、小型モバイルパソコンをバッグからとりだし、起動させる。

ウィンドゥにはメールが届いていると知らせがあった。

メールボックスを開くと、学校より というメールが1件入っていた。



“パブリコA組の皆様へ


こんにちは。魔法第一高校校長の霧生雹です。

校風は気に入っていただけたでしょうか?

我高校は皆様に心地よく勉学に励めるように快適な空間を用意させていただきました。

さて、座席なのですが、我高校では座席は自由としております。

お好きな席へどうぞ。


まずは、担当の先生から挨拶があるかと思うのでこの辺りでおいとまさせていただきます。”



座席は自由ということなので、僕は後ろのほうへ座る。

前のほうには、この高校から退学にならないように勉強するために多くの生徒が既に座っていた。

僕は、別に一生懸命勉強しようとは思わないし、人の多いところはあまり好きではない。

故に、あまり人と関らないようになっていたので友人と呼べるのは今までの人生経験で片手の指よりも少ないだろう。

ひとまず、担任の教師を待つ。

その間は配られたモバイルpcを弄る。

なんと、インターネットが使えた。

しかも、驚くほどに起動が早いのである。

軽快にキーボードを叩く。

僕は、今気に入っている「小説.com」とうサイトを開く。

あまり、人との関りを持たない僕にとっては本は友達といっても良かった。

このサイトではいろいろな小説が公開されていて、読んでも読んでもドンドン更新されて飽きない。正に夢のようなサイトだった。

この間など、つい時間を忘れて1日中サイトを開きっぱなしだったこともある。

止めよう、止めようと思っても僕の好奇心がそそられ、ついつい読んでしまう。

正に今もその瞬間だった。

まえまえから更新を楽しみにしていた小説が更新されていた。

周りの目等気にも留めずに読み漁る。

――――ハッと気づけばほとんどの席は埋まっていた。


「随分集中していたのね」

と笑いを含んだ声で話しかけられた。

首を横に向けると、僕の隣にはいつの間にか女子が座っていたことに気づく。

一言でいえば、美人だ。

後ろをポニーテールにしてちょっと茶色っぽい髪、明るく活発な雰囲気が漂っている。

「…いえ……」

自分で自分が嫌になってしまう。いつも、こうであった。

会話が続かない。何を話したらいいのか分からなくなってしまう。

僕は、いつからこうなってしまったんだろう……

「結構格好いいじゃん。勿体無い」

格好良いか……

何故、自分は好かれてしまうのだろうか?

この容姿のせい? なら親を恨む。

人付き合いが苦手な僕は、告白というものが一番厄介である。

どうしたらいいのかわからなくなってしまい、逃げ出してしまう。

小学校の頃も逃げてしまい、次の日からは冷たい目で見られてしまった。

「そうですか……」

「もっとシャキッとしなさいよ! 君、名前は?」

「…柳井埜臼です……」

「ふ~ん、珍しい名前ね。私は、椎名朱莉よ。これから、宜しくね」

「……はぁ……」

その後も、朱莉は担任が来るまで僕に質問をしたり自分の事を話したりして、やけに絡んできた。

それを、心の隅では鬱陶しいと思いながらも、久しぶりの会話らしい会話に懐かしさと楽しさを感じていたりもしていた――――

主人公の名前はテケトーです(ぁ

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