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僕の相棒

重々しい槌音が響くガンドールの街。

前回同様、ガランの案内に従い、僕は裏路地にひっそりと佇む武具屋の暖簾をくぐった。


(ここで、あの鎧を手に入れたんだ)


僕は迷いなく中に入る。鉄と油の匂い、壁一面の武器。すべてが記憶通りだ。


「ガランの旦那か」

カウンターから店主が顔を出す。

「その後ろのヒョロいのが噂の勇者さまか。ちょっとなってろ」


奥から運ばれてくる、古びた『重圧の木箱』。

重々しい音を立てて蓋が開くと、中には一点の曇りもない白銀の鎧が鎮座していた。


「大昔からうちの倉で眠っていた『勇者専用』の特注品だ。だがな、体格が合わなきゃただの鉄くずだぜ。着てみな」


ここまでは前回と同じだ。

身につけてみると、ミリ単位の狂いもなく、まるで僕の体に合わせて作ったかのように完全に身体にフィットした。


(おかえり、僕の相棒)


だが――。

首元だけ、わずかに違う。


(あれ?)


前回と同じはずなのに、そこだけ妙に軽い。

もっと鎧全体が均一に重厚だった気がする。いや……ただの気のせいかもしれない。


だけど、不意に脳裏によぎってしまった。

――僕の旅は、どうやって終わったんだっけ。


確信はない。証拠もない。

だが、一度生まれた気持ち悪い違和感は完全に消えなかった。


「すごい! 調整もしていないのに、最初から僕のためのオーダーメイドみたいだ!」


僕は違和感の正体を店主に聞こうとしたが、必死に言葉を飲み込み、前回とまったく同じ、無邪気な勇者の声を出した。

そうしなければならないと、僕の『直感』が警鐘を鳴らしていたからだ。


(……なんで、こんなに嫌な感じがするんだ?)

「僕、店主さんを怒らせるようなこと、したのかな?」


「いや?」

ガランはわずかに視線を逸らしたが、すぐにいつもの調子に戻る。


「気にするな。あそこの親父はああいうもんだ」

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