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神メンテで最強の美女ゴーレムに溺愛される追放錬金術師 ~俺を見下した勇者パーティーは『金メッキの呪い人形』で勝手に自滅中~  作者: さらん


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第1話:黄金のメッキと、鉄扇の眠り姫

はじめましての方も、いつも応援してくださっている方も、ありがとうございます!


本日より、新作ファンタジーの連載をスタートいたします!

今回は純度100%、最高にスカッとする『理詰めと物理の王道ざまぁファンタジー』です。

圧倒的な錬金術で世界を救う主人公と、勝手に呪いのアイテムで自滅していく無能たちのコントラストをお楽しみください!


※現在連載中の『勇者が来ないので、暇つぶしに太陽系を開発してみた ~気付いたら銀河最強の独裁者になっていた件~』が完結するまでの間、並行して更新していきます! あちらの重厚な展開の合間に、こちらの痛快なカタルシスでスッキリしていただければ幸いです!


「ガハハハッ! 見ろ、このオーガロードの剛腕を! 俺の『鉄壁の盾』の前では、蚊が止まったようなもんだぜぇッ!」


 ダンジョンの主、オーガロードが振り下ろした巨大な棍棒を、重戦士ガルドが大盾で受け止める。

 凄まじい衝撃音が響くが、ガルドは一歩も退かない。


「今ですわ! 『聖なる祝福セイント・ブレス』!」


 すかさず、後衛から聖女ミリアが支援魔法を飛ばす。

 ガルドの身体が光に包まれ、その隙に魔術師の炎魔法がオーガロードの視界を奪った。


「これで……終わりだぁぁぁッ!!」


 勇者アレクが跳躍し、無防備になったボスの首へ大剣を叩き込む。

 断末魔と共に巨体が崩れ落ち、光の粒子となって消えていく。


「ふぅ……。今回も俺たちの圧勝だったな!」

「さすがですわアレク様! そしてガルドさんの鉄壁の守り、頼もしすぎます!」

「おうよ! 俺の盾に傷一つつけられねぇとは、ボスも大したことねぇな!」


 勝利のハイタッチを交わす四人。

 だが、その輪の外で、俺――錬金術師のクロウは、一人静かに冷や汗を拭っていた。


(……やれやれ。ガルドの盾、今の一撃で微細な亀裂が入ってたぞ。俺が直前に塗布した『衝撃分散ジェル』がなきゃ、衝撃で腕ごと粉砕されてたはずだ)

 それにミリアもだ。さっきの『祝福』でMPが切れていたはず。

 俺が戦闘中に散布しておいた『気化式マナポーション』を無自覚に吸い込んだおかげで魔法が発動したことに、彼女は気づいていない。


 だが、彼らが俺の方を見ることはない。

 彼らにとって俺は、ただ荷物を持ち、後ろでチョコマカしているだけの「地味な雑用係」でしかないのだから。


 その時だった。

 ボスが消滅した床に巨大な魔法陣が浮かび上がり、目もくらむような黄金の光が溢れ出した。


「な、なんだ!? レアアイテムか!?」


 光が収束すると、そこには一体の巨像が立っていた。

 全身が黄金に輝く、重厚な騎士型のゴーレム。

 その輝きは、薄暗いダンジョン内を昼間のように照らし出すほどに豪華絢爛だ。


「す、すげぇ……! 黄金のゴーレムだと!?」

「なんて神々しい輝き……! まるで神話のガーディアンですわ!」


 勇者たちは目を輝かせて駆け寄る。

 しかし、俺の『鑑定眼』と錬金術師としての知識は、即座に違和感を捉えていた。


(……ん? 輝きが安っぽいな。あれは純金じゃない。魔力伝導率の低い、ただの安物のメッキか? それに関節部分の設計も古臭い上に、妙な『呪術刻印』が見えるが……)

 俺が警告しようと口を開きかけた、その時だ。

 黄金のゴーレムに魅入られた勇者アレクが、不意に俺の方を振り返り――冷ややかな視線を突き刺してきた。


「おい、クロウ」

「……なんだ?」

「お前、今回も全く役に立たなかったな」


 アレクは親指で、背後の黄金ゴーレムを指差した。


「見てみろ、この圧倒的な存在感を。ガルドの盾に加え、この黄金の騎士が前衛に立てば、我がパーティーは『鉄壁の二枚盾』となる」

「そ、そうだな。だがアレク、そのゴーレムは……」

「へっ、いいじゃねぇか!」


 俺の言葉を遮り、重戦士ガルドがニヤニヤと割り込んでくる。


「この金ピカが攻撃を受けてくれれば、俺も攻撃に回れるってもんだ。なぁクロウ、俺の盾を見ろよ。傷一つついてねえだろ? お前のセコい修理なんて、最初からいらなかったんだよ」

「(……その盾の表面硬化コーティング、剥がすのに特殊な溶剤がいるんだが……)」


 さらに、聖女ミリアまでもが、鼻をつまむような仕草で口を開いた。


「ええ。回復も私の魔法で事足りますし……正直、クロウさんのポーションの薬品臭い匂い、生理的に無理でしたの。これ以上、パーティーの品位を下げないでいただけます?」


 勇者、重戦士、聖女、そして魔術師。

 全員が、嘲笑うような目で俺を見ていた。

 俺は肩をすくめた。


 ……ああ、そうか。こいつらには何を言っても無駄だ。

 自分たちが誰のおかげで立っていられるのかも理解せず、目の前の「メッキ」に目が眩んで、本質が見えていないのだから。


「もう我慢の限界だ。クロウ、お前にはこのパーティーから抜けてもらう。その汚い荷物を持って、さっさと消えろ」

「――分かったよ。後悔するなよ?」


 俺は必要最低限の錬金道具だけを腰に提げ、彼らに背を向けた。

 背後からは、「ようやくせいせいしたぜ」「さあ、この黄金の騎士を起動しましょう!」という浮かれた声が聞こえてくる。

 こうして俺は、ダンジョンの最奥で、たった一人置き去りにされたのだった。


 ◇


「……さて、と」


 パーティーと別れて数時間。

 俺はダンジョンの入り口に戻るどころか、さらに深層へと迷い込んでいた。


「あいつら、俺が古代語で書かれた『地図』を解読して先導してたって、気づいてなかったのか……?」


 帰りのルートすら分からないまま、あてどなく彷徨う。

 だが、その不幸が幸いした。

 行き止まりだと思っていた壁の隅に、俺の「古文書オタク」としての知識に引っかかるルーン文字を見つけたのだ。


『真に価値ある瞳を持つ者にのみ、扉は開かれる』


「……隠し部屋か?」


 勇者なら剣で殴って終わりだろうが、俺は文字を指でなぞり、特定の波長で魔力を流し込む。

 すると、ズズズ……と重い音を立てて、壁が回転した。


 中に広がっていたのは、時が止まったような美しい研究室だった。

 埃一つなく、空調すら魔法で管理されているらしい。


 そして、部屋の中央に置かれた豪奢な椅子に、その「美女」は座っていた。


「……人間、じゃないな」


 長い睫毛を伏せて眠る、紫紺の髪の女性。

 豊満な胸元や、スリットの入ったドレスから覗く白い脚は、生きているように瑞々しい。


 だが、彼女の膝の上に置かれた、閉じた状態の『鉄扇』と、首筋に見える微細な魔力ラインが、彼女が人ならざる『自律型魔導人形オートマタ』であることを示していた。


「鑑定……よし」


 錬金術師の目で見れば、彼女の状態は一目瞭然だった。

 魔力回路が完全に乾ききっている。

 製作者は、この傑作を作り上げたものの、あまりの完成度の高さに恐れをなし、一度も起動することなく封印したのだ。


「勿体ない……。こんなに美しい回路を持っているのに」


 技術屋としての血が騒ぐ。

 俺は震える手で、彼女の滑らかな頬に触れた。冷たいが、吸い付くような極上の素材だ。


「回路を繋ぐには、直接触れて、俺の魔力を流し込むしかないか」


 俺は彼女の背中に回り込み、ドレスの背中を少しだけ寛げ、うなじの下にある起動紋に指を這わせた。


 ゆっくりと、丁寧に。

 絡まった糸を解くように、俺の魔力を彼女の深部へと注ぎ込んでいく。


「……っ、……んっ……」


 不意に、彼女の唇から甘い吐息が漏れた。

 ビクリと、その白い身体が跳ねる。


「あ……ふふっ、そんなに奥まで……丁寧な魔力供給なんて、初めて……♡」


 鉄扇がカチリと音を立てて開く。

 ゆっくりと瞼が開かれた。

 そこに現れたのは、アメジストのように深く、濡れた瞳。


 彼女はゆっくりと首を巡らせ、俺の瞳を覗き込むと――妖艶に微笑んだ。


「おはようございます、私の可愛いご主人様マスター。……ふふ、随分とお上手でしたわ?」


 扇で口元を隠しながらも、その瞳は熱っぽく俺を捉えて離さなかった。

 どうやら俺は、とんでもないお姉様を目覚めさせてしまったらしい。


お読みいただきありがとうございます!

というわけで、クロウの痛快な新生活(と、勇者パーティーの地獄へのカウントダウン)が幕を開けました!


圧倒的な知性と技術を持つクロウが、これからゴーレムのお姉様にどれだけ溺愛され、そして世界をどう「論理的」に救っていくのか……! ぜひご期待ください!


少しでも「スカッとした!」「この先のざまぁが楽しみ!」「ゴーレムのお姉様最高!」と思っていただけましたら、ブックマークや下部の【☆☆☆☆☆】から評価で応援していただけると、執筆の巨大なエネルギーになります!

次回もよろしくお願いいたします!

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