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未来人が天才を迎えに来たけど自分じゃなかった  作者: summer_afternoon


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初詣の合格祈願、出願、受験校の場所確認。怒涛の日々。

私は白い息を吐きながら塾に通った。


小学校でも中学受験の空気が漂って来た。私の通う小学校では、毎年3分の1くらいは受験をするから。


それでも田部ちゃんや森ちゃんと会うときは、幼稚園のころまま。

ちなみに、塾は違うけど、田部ちゃんは受験する。森ちゃんは学区内の公立中学に行く。


「受験のお菓子って、いっぱいあるねー」


友達思いの森ちゃんが田部ちゃんと私に、合格関係のお菓子をいろいろくれた。


「きゃー。嬉しい! ありがとー、森ちゃん」


田部ちゃんと一緒にリボン付きの袋を受け取った。


「ありがと。がんばれる」


田部ちゃんも感謝の言葉。


「定番のチョコのお菓子だー」


私は袋を開けて、チョコのお菓子を取り出した。


「コアラのクッキーもあるよ」


森ちゃんがニコニコしながら教えてくれた。


「ああ、あるある。一緒に食べようよ」


田部ちゃんは嬉しそうにお菓子の箱を開ける。


さくっ

さくっ

さくっ


「おおー! 合格するかもー、ね」

「ね」


田部ちゃんと2人で首をこきっと傾ける。


「コアラって眠ってても木から落ちないんだって。2人でいろいろ選んでるときに教えてくれたの」


それって森ちゃん、カレシとのデートでこのお菓子を選んだってことだよね。

ニカ、ひがむな。これからよ。中学受験が終わったら、私にもびっきりのカレシができるって神センが言ってたじゃん。


「いろいろあるよね。GOかくジュースもあったよ」


田部ちゃんがジュースもあることを教えてくれた。


「いろいろあるんだね」


さくっ


私は自分がもらった袋からスナック菓子を出して一かじり。


「2人で1本飲んだの♡」


くっ。田部ちゃんの何気ない一言が私を固まらせる。

カレシと飲んだんだよね? 間接キスしちゃったってことだよね。森ちゃんにカレシができたとき「これからも一緒にいようね」って田部ちゃん誓い合ったのは遥か遠い昔。涙。


会話は幼稚園のころとは違うね。





もう中学校には出席日数を記載した書類を提出済。小学校に来ないで勉強する子もいる。1月下旬、インフルエンザの時期と重なって、学校は空席が目立つようになった。


塾の自習室の空気はピリピリとしている。

私は3校受験する。1月後半に第3志望、2月1日第2志望、2月3日に第1志望。全部ダメだったら公立。


人によっては、同じ日にA、B2校に願書を出しておいて、そこまでに滑り止めが合格していたら、難関校Aを受験、もし不合格だったら安全校Bを受験するなんてテクニックを使う。私は至ってシンプル。



受験はハード。

母には「手洗いうがい」を厳しくチェックされた。


3校とも、去年の今ごろは、夢にも思わなかった学校。雲の上の存在だった。これもわけの分からないことに巻き込まれたおかげかも。





2月1日。


生徒会長以外がそろっている。生徒会長は、第1志望の名門校の受験に行った。

母と一緒に会場まで電車を乗り継ぎ、会場でみんなと合流。母達は塾や学校の説明会なんかでランチ友達。一緒に保護者待合室で待機。


「なんかさ、オレら、注目されてね?」


校内で受験票を見ていると、(たちばな)君が耳打ちしてくる。


「私も気づいてた。あの3人だよね」


オーラのあるキッズモデルとほぼ外国人のバイオリン姫が男子の視線を集め、王子様みたいな花園君が女の子や母親達の視線を釘付けにしている。橘君だってカッコいい。

謙虚だよね、橘君って。それともホントに気づいてないの? 自分もカッコいいって。

なんにせよ、私の雑魚感がハンパない。

橘君が携帯カイロで手を温めながら微笑んだ。


「もう少しだな」


花園君もキットカットを食べながらうなずく。


「早く終わんねーかなー。オレ、終わったら成田にDDを出迎えに行くんだー」


DDというのは、アメリカのヒットチャートを賑わせているポップグループ。


「がんばろ!」


モデルが爽やかに言い放つ。うっわー、周りにいるギャラリーにまでやる気出させてるよ。


「うん!」


私もやる気を出して返事。


「がんばろうね」


バイオリン姫はふわっと香るような笑顔で緊張をほぐしてくれた。


「おう」


と橘君。


「り」


ここまで来ても、花園君には気負いがない。

 

木枯らしの季節、脳細胞を極限まで働かせた。


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