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未来人が天才を迎えに来たけど自分じゃなかった  作者: summer_afternoon


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そーいえば、神センが「そろそろ学校見学の時期」って言ってたっけ。だから志望校決めたんだね。


塾で仲のいい男3人、女3人のメンバーに「学校見学どーする?」と提案してみた。


「どこ見学に行きたい?」


という具合に話は進み、メモに学校名を書き、見学日をスマホで調べていった。あれれ? ちょっと待って。


「私、たぶん行けない」

「オレも」


真っ先に不参加表明をしたのは言いだしっぺの私。続いたのは(たちばな)君。


「なんで?」


生徒会長が聞いてくる。


「テニス」


と私が答えるのと同時に橘君は、


「ミニバス」


と言った。

ミニバスってのは、小学生がするバスケットのこと。


「メンドクサそ。オレも行ーかない」


なんと花園君まで。花園君は行ってよ。いろいろ見た方がいいって。電車の乗換とか。道順とか。


「行こうぜ」


生徒会長が花園君の腕を揺する。


「もし撮影の日だったら、私、(ちょく)で行くから」


キッズモデルの三上さんは、今日も声のトーンから明るい。いるだけ場が華やぐし、お喋りすると楽しくてノリ良くて気分が上がるの。


「バイオリンのコンクールの辺り以外なら、行けるよ」


バイオリン姫は物腰柔らか。

最近思うこと。外見のいい女の子って、中身もステキ。


結果、参加するのは、生徒会長、モデル、バイオリン姫。


今更だけれど、たぶんモデルとバイオリン姫は花園君を好きなんだと思う。明らかに残念そう。

女子3人でいると、2人はまるで共通の趣味みたいに花園君を話題にするから、分かっちゃった。たぶん好きなんだろうって。


雑誌に載るほどのかわいいモデルは、小学生の男の子から見れば、別世界の大人な女の子。だからか、ほとんどの男の子は遠目に見てるだけで話しかけることすらなし。


クオーターのバイオリン姫は、日本人離れしたボディバランスと肌の色。優雅な雰囲気も加わって、廊下を歩いている姿を見た小学生男子は道をあけるほど。


そんなこんなで、2人は、びっくりするくらいの美少女なのに全くモテないの。その代り、女の子の友達はいっぱい。なんてったって、2人ともいい子だもん。


同じように、花園君に話しかける女の子って私達くらい。

すっごくカッコいいって騒がれてるけど、告白する勇気がある女の子の話は聞いたことがない。知らないだけかもしんないけど。


確かに花園君はかっこいいし、楽しいし、人当たりがいい。でも、私にとっては、天才っていう別の生き物にしか見えないんだよね。

あ、カッコいいって言えば、橘君もかな。

生徒会長は中身イケメン。正直でごめん、生徒会長。


「ニカと花園君と橘君の分もパンフレット貰ってくるよ」


気の利くモデルが言ってくれた。


「あ、私立だと買うらしいよ。それに募集要項と願書が入ってるってパターンもあるって」


と情報通の生徒会長。

そーなのね。


「花園君、行けばいーじゃん。何もないなら」


神センからの頼みでもあるし、何より心配で言ってみた。そーいえば、花園君って何か習い事とかしてるのかな?


「水泳はあるよ。とりあえずまだ続けてて。それはどーでもいいんだけど」


どーでもいいって。興味ないのね。続けてるのに。で、中学校の方も。


央治(おうじ)、連れてってもらえよ」


橘君も花園君に学校見学を勧める。「行けよ」じゃなくて「連れて行ってもらう」って言葉のチョイスが笑える。花園君のこと、よく分かってるんだね。


「んーっと。志望校決めてからにする」


あららー。断っちゃった。


「花園君、志望校じゃなくても見たいとこはある?」


モデルが攻める。


「花園君だったらどこでも受かりそう。気になる学校は?」


今度はバイオリン姫。

ほぼほぼ外見に惑わされている、女子2人は花園君を誘う。


「電車の乗り換えが少ないとこ」

「「……」」


美しい顔を強張らせちゃった女子2人。


「通学は大事だよな、央治」


すかさず橘君がホローする。


「自転車で行けるとこがいいのに。電車の中って人間の(にお)いがするもん」


この花園君の言葉にはもう、橘君はホローできなかった。


「ああ、人間の(にお)いするよね。音楽を聴いたりしてそっちに集中すれば?」


それでも話すバイオリン姫。優しすぎ。

だけどね、その後さすがに誰も、花園君に学校見学を勧めなかった。


読者モデルをしている女の子が登場します。今だったらインスタのインフルエンサーですよね。

修正しようとしたら、インスタは13歳以下はアカウント登録不可。TikTokもYouTubeも小学生は配信できないと知りました。というわけで、キッズモデルにしようと思います。

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