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未来人が天才を迎えに来たけど自分じゃなかった  作者: summer_afternoon


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20/64


6月、小学校の運動会は曇天。にもかかわらず、雲を吹き飛ばすかのような盛り上がり。


運動会は小さなころから森ちゃんの独壇場。森ちゃんは足が速い。めちゃくちゃ速い。ピンポンダッシュも速かった。これは内緒の黒歴史。


運動会はめちゃ燃えるし楽しい。

森ちゃんほどじゃないけど、田部ちゃんと私もそこそこ俊足。

やっぱテニスやってたからかも。バスケットやってる子達も速いもん。

50m走、障害物、父は私専属のカメラマン。気づくと「こんなところに!」って場所でビデオカメラを構えてる。ゴールのテープを持ってる人の足元とか、退場門のすぐ横とか。

綱引きのときだけは、撮影禁止なの。自分がすっごい顔してるって分かるから。


綱取り合戦は、1人で4本も取ったよ。ダントツだから。

非力な子や運動会脱力系の子のエリアに素早く攻める。素早さがコツかも。開始直後は狙い時。


応援団もやったよー。ボンボンを持って踊るのが楽しかった。もちろん田部ちゃんと森ちゃんも一緒。

男子に人気の森ちゃんは、男の子達にいっぱい写真を撮られてた。学校のアイドルだから。


夕食は父方母方の祖父母も一緒に家族で焼肉屋。

その後はカラオケ大会。だったんだけど、私はカラオケをパスして塾へ行った。


途中から塾に出席した。既に着席していた11名の背中を見たとき、帰ってきたような気がした。たぶん、今の自分の居場所はここなんだ。


志望校合格という共通の目標を持った集団。それは、運動会の団体戦で勝利を目指すのに似ていた。


もうすく夏が来る。私にとって小学校生活最後のテニスの試合がいくつもある。


仁科(にしな)、ちょっと」


いつものように、人気のないところで神センに呼ばれた。今日はトイレ出口付近。


「はい」


いきなりトイレ前が早変わり。神センの白い部屋。


「そろそろ学校見学の時期なんだが」

「あの、先生、その前にトイレに行きたいんですけど」

「あ、じゃ、ここのを使えば?」

「はーい。どこですか?」

「あの写真のパネルのとこに通路があるから」


リビングの少し離れた所に、ハンモックから男女の足が絡み合って出ているセクシーな写真のパネルがある。大きさは畳一畳くらい。その右側には通路があった。通路の突き当りにはすりガラスの扉。前まで行くと自動で開いた。


そこは畳4畳半ほどのグレーの部屋。他にドアがないから、ここがトイレ?

でも床に、直径50センチ程、高さが20センチくらいの白い円柱があるだけ。ここに乗るとか? それとも座る?

一瞬悩んだその時、円柱の上の淵が青く光って、円柱の高さがすすすーっと高くなった。


なにこれ。

????


私の膝の高さまでせり上がってきたきた円柱の上が蓋のように開いて蓋部分は宙に浮いている。円柱本体の方はぐにゃりと形を変えて、便座っぽくなった。覗き込んでみる。真っ暗。ブラックホール?

たぶん、ここにするんだよね。高さからして。


用を足すとき、お尻はふわふわと風を感じる。変な感じ。

終わって立ち上がると、便座は元の形に戻って、宙にあった蓋は円柱の上の部分に乗っかった。


目をぱちくりさせて見ているうちに、膝の高さだった円柱は腰の辺りまでの高くなった。そして円柱の上の部分がほんのりと青紫に光った。同時に英語でなにかアナウンスされた。


「え、なに」


思わず独り言が出ちゃったよ。英語だったかも。


「ワタシノ上二手ヲカザシテクダサイ」


あれ? 日本語じゃん。

訳が分からないまま、腰の高さにある円柱の上に手をやると、手に青紫の光が当たった。どこから光が出ているのかは分からない。でも、光は下からだけではなく、上からも当たっているとしか思えなかった。手の上側も青紫に光ってるんだもん。ひょっとして、これが手洗い?


「排水管洗浄剤ヲ増加サセマス。無臭薬ノ服用ヲオ勧メシマス」


トイレがなんか言ってる。

と、円柱の高さはどんどん低くなり、元の20センチくらいに戻った。

へえええー。これが未来のトイレ? すごいかも。


平成に書いたものなので、運動会の様子が今とは違います。現在の運動会は、丸一日かける一大イベントといった雰囲気ではなくなってきたようです。

「魔法のiらんど」に投稿したものの一部を残しておこうと、過去に書いた小説を読み返しております。様々な面で、時代の流れを感じます。

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