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未来人が天才を迎えに来たけど自分じゃなかった  作者: summer_afternoon


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黙々と作業をする私。一方で神センは何やらデスクワークをしている。ちょっと、自分でもやってよ。


何個もお菓子のセットを作っていると、神センはメッセージカードをお菓子の外袋に入れている。ふーん、さっきまで何か書いてたのはメッセージカードだったんだ。見ればメッセージカードにはローマ字で女の子の名前が描かれている。


「え、一人一人メッセージ付き?」


丁寧過ぎ。あんなにもらったのに。


「あれだけもらうとね。名前を書かないと渡し()れが出るからね」

「『おいしかったよ』とか書いてあるんですか?」

「ご父兄も見るだろうから英語で。あと、理科の弱点を一言」


嬉しくねー。


「メンドクサいことしますね」

「営業だよ。塾の生徒は顧客。顧客満足第一。これをきっかけに理科や英語を好きになってくれれば人生にとって財産になると思うよ」

「財産って、理科と英語だけじゃん」


人生って勉強が全てじゃないと思う。


「甘いな。昨今、英語を話せる人は珍しくない。それでも重宝されるんだ。大学入試のとき、理系のネックになるのは英語だよ。

 科学技術が躍進している時代、理系の頭脳は様々な分野で求められる。これに英語が加われば、鬼に金棒。例えば、研究したら論文発表を英語で行うことができる」

「……」


得意気につらつらと述べる神セン。あのー、手を動かしてほしいですけどー。


「それに、英語ができるってだけで、職業の幅は格段に広がる。海外に市場を求める企業では採用や昇級試験に英語のテストが絡む。それだけじゃない。世界中に友達を作ることができるんだ」


「就職に大学入試ですか。まだ中学受験すら終わってないのでピンと来ません」


水を差すようで悪いと思ったけど、これが今の私の正直な感想。

私の中学受験の目的は、硬式テニス部に入ること。(後付け)

仕事のことも世界中に友達を作ることも考えたことなんてない。


「僕はね、花園央治(はなぞのおうじ)を未来に連れて行くために派遣された。だから、彼が中高生になったら英会話スクールの講師になる予定なんだよ。仁科には、僕の働く英会話スクールへ彼を連れて来てほしい」


ちょっと、何言ってんの?


「中学受験までって言ったじゃないですか」

「ははは。そうだった。忘れてくれ」


神セン。あわよくば私をこき使おうって企んでる。

中学受験が終わったら勉強なんてする気なし。硬式テニス部一筋の予定。

きっと白いテニスウエアが似合う、錦織圭みたいにステキな先輩がいて、一緒に帰ったりするんだー。長期休暇には合宿所で、一緒に星を見ちゃったり♡

だから、英会話スクールなんて通ってる暇ないから。


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