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未来人が天才を迎えに来たけど自分じゃなかった  作者: summer_afternoon


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家に帰って、マフラーを外しながら母に聞く。


「お母さん、塾の先生がね、塾が天バーガーとかなんとかって言ってたんだよね。天バーガーってなに? 蕪入りのハンバーガー?」


ばん


母はいきなりテーブルに両手をついて立ち上がった。


「なにっ。ノーチェックだったわ。そうよ、上場したばっかりじゃない。スタンダード市場だからうっかりしてた」


母は謎の独り言。

それから、キッチンカウンターに置いてあったスマホを手に取って操作しだした。


「どしたの?」

「おぉ。PER低いじゃん。ありがと。明日買っちゃお。天バーガーじゃなくてテンバガーって言うの。10倍の値段に大化けする株のこと」

「ふーん」


何語を喋ってるのかよく分かんない。

そんなことより、私はチョコレートのことで頭がいっぱい。今日の異空間のことよりも比重が大きいかも。



うふっ。

自分の部屋。机の上の可愛くラッピングされた箱を見つめる。薄いピンクの包装紙に赤い透けるオーガンジー素材の水玉のリボン。ふわっとした赤いリボンをほどいて包みを開けてみた。


自然に顔がにへらーっとにやけちゃう。

おおー。これ本命のやつじゃん。どう見ても。


箱の中には、色んな形や色をしたチョコが整然と並んでいた。キューブのミルクチョコレートや、丸い抹茶色、ナッツ入りもある。ホワイトチョコレートは薔薇の形。

あ、かわいい。ピンクのハート型。


嬉しくって、ど真ん中のピンクのハート型から。


ぱく


食べてみた。


『うっわー。かわいい味』


自分のために一生懸命選んでくれたんだって思うと胸がいっぱい。


塾ってノーチェックだったわ。いったい誰なんだろ。受験が終わった上級生かも。下級生の可能性も。まいったなー。私、やっぱ見た目もそこそこかもしれないもんね。なんてったって、モテ男の兄と血を分けた兄妹だもん。あんまり似てないけど。


純粋に嬉しい。自分を見ていた人がいるってことが。自分をいいと思ってくれたことが。SNSの「いいね!」の承認欲求が満たされた感じなのかも。私を「いいね!」してくれた人がいるってことだよね。それって、すっごくステキ。


この世界でたった一人の、私を認めてくれた人、感謝。

ありがとー。

大切に味わって食べてるよ。美味しいよ。シアワセになったよ。


口の中に広がるチョコの香りに包まれて眠りに就きたかったんだけどね、歯は磨いたよ。今日は、たくさんチョコを食べたから。

はあああああ。いい夢がみられそう。


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