監視霊
私の名前はミサキ。この古いアパートに越してきて3年、最近怪異に悩まされている。
まずは、モノが消える。この間、久しぶりに肉じゃがを作ったのだか、醤油を足そうとしたら醤油差しが置いてあった場所にない。仕方なくそのままの味で食べたのだが、食べた後に醤油差しは元の場所に戻っていた。
次に、電気が消える。お風呂上がりに部屋に戻ると、確かにつけていたはずの電気が消えている。お風呂も湯船の半分程しか溜まらないのも不可解だし、湯も温いのだ。
誰がやったの? 侵入者を疑った私は、恐ろしくなり、玄関の鍵を変えた。
しかし、それでも怪異は続いた。
冷蔵庫から飲み物を取り、キッチンでコップに注いでいると、背後で冷蔵庫の扉がパタンと閉まる。
勝手にTVのチャンネルが変わる。ドラマの殺害シーンやキスシーンなどの刺激が強いシーンになると、ニュース番組に変わる。
エアコンの温度も勝手に変わってしまう。変えられてしまう。勝手に扇風機がつき首を振り出す。
私は、本当に恐ろしくなり実家の姉に連絡をした。
このままでは、このアパートに住み続ける事なんてできない。
姉に事情を説明すると、姉は電話越しに笑って応えた。
「ああ、それ?それ、曾祖母ちゃんのオバケだよ。 曾祖母ちゃんが、あんたの心配してんの」
姉の声に私は全て納得した。確かに!曾祖母ちゃんだ。曾祖母の教えだ。
「しょっぱすぎるのは身体に良くない」
「電気はこまめに消しなさい」
「お風呂は温めのお湯にゆっくりと」
「冷蔵庫は開けっ放しにしない」
「TVは悪いもの」
「エアコンの温度は下げすぎはダメ」
「扇風機で空気を循環させると良い」
曾祖母ちゃんに心配させてしまったな。今度、帰省したらお墓参りに行ってお礼を言わなきゃ。




