自転車の想い出
人生は自転車に乗るみたいだと
ふと想った
始めのうちは
後ろを誰かに持ってもらい
訳もわからずただこぎつづけ
バランスを取れるようになると
その手を離され
ヨタヨタしながらでも
ひとりで乗れるようになる
慣れてくると
すごい下りの坂道を
じぶんの能力を超えるスピードで飛ばして
バランスを崩したりして
転んで大怪我をしたりして
それで悔い改めて
ゆっくり走ってゆこうと
左右をみながら安全に安定性をもとめて
ノロノロと走ってみたりして
そしてある日ふと気づく
今度地面に両足をついたら
じぶんの人生は終わってしまうのだと
まるで自転車みたいじゃないか
この人生ってヤツは
そして
初めて自転車に乗った日のように
ヨタヨタと
グラつきながら
それでもこぐのをやめず
ただただこぎつづけ走りつづける
足が地面に着く
その日まで
なんて自転車みたいなんだろう
人生の想い出は