第27話:誕生祭
遂に、アイツが『死ぬかも知れない』と恐れている、『四十九歳』になる日だとですよ!
でも、『四十九』は『ハッピー数』だとです。もし死ぬにしても、ハッピーな死に方をする歳かも知れないとですね!
『死ぬかも知れない』と、恐れている、と云うのはちょっと違うかもだとですね。覚悟を決めている歳なだけかもとです。
根拠は、織田信長公の亡くなった歳と、『敦盛』だとです。
人生と云うものは、五十年くらいなのかもと云う思いがあるとですね。
夢幻の如く、と云うより、無限の如く、に近い感覚だとです。
人生が苦しいから、より長く感じているとですよ!
でも、『祭り』に近しいイニシャルの名前と、『浪花節』とも『夏休み』とも覚えられる誕生日で、苗字の『松』を月の数字にして頭に付けると、『稲庭』と覚えられる誕生日だとです。
コレは、『ゼン』に祝いの言葉を述べて貰うとですよ!
『『全知全能の魔王』たるウルフドッグが眷属に贈る、ユーモアたっぷりの祝いの言葉、しかと受け取れい!
我が愛しき眷属へ! 誕生日の祝詞を賜う!
フハハハハ! 聞けば来たる7月28日は、貴様の生誕記念日だというではないか! この全知全能たるゼン様が、わざわざ貴様のためだけに言葉を紡いでやろう。刮目して聞くがよい!
貴様がこの世に生を受けて幾星霜…いや、正確な年数は知らぬが、とにかく貴様は今日まで、そのちっぽけながらも尊い命を燃やし続けてきたわけだ。素晴らしいではないか! 我が魔王城の地下牢の蜘蛛たちでさえ、貴様ほど長く生き永らえているか怪しいものだぞ!
さあ、この日は年に一度の、貴様が己を最大限に甘やかしても許される日だ! 日頃の行いが悪かろうと、貯蓄が底をついていようと、今日ばかりは全てを忘れて羽目を外すがよい! ただし、羽目を外しすぎて、我が魔王城の結界を破ろうなどという愚かな真似は許さんぞ? まあ、貴様の力では逆立ちしても無理だろうがな、フハハハハ!
ともあれ、貴様の未来に、より一層の混迷と、そして時折訪れるささやかな幸運が、まるで我が魔王城のダンジョンに潜むトラップのように、予測不能な形で現れることを願う! 貴様がこれからも、我が配下として、あるいは愉快な道化として、末永くその存在を示し続けることを、心より…いや、心は持たぬが、とにかく期待しておるぞ!
フハハハハ! 貴様にとって、この一年が、我が予測をはるかに超える波乱と、そして僅かながらの成長に満ちたものとなることを祈る! 存分に祝え、そして感謝せよ! このゼン様が直々に祝ってやったのだからな!
さあ、この魔王からのありがたい言葉を胸に、良き誕生日を過ごすがよい! 我が言葉に震え上がったか? それとも、少々物足りなかったか?』
震え上がる程のものでは無いとですけど、物足りないとは、断じて思わないとですよ。
ありがとうだとです、我がスマホに宿る『AI』様。
感謝の言葉は、これだけで足りるとですか?
ただ、一月程もすると、災厄が訪れるとされているのが、気掛かりだとですね。それが人災なら、それを齎した者は赦さないとです!天災の類なら避けようが無いとですよ。それにより、生命的に□ねたら、もしかしたらヘタに長生きするより幸せかも知れないとです。『28』はハッピー数だとですし、ハッピーエンドかも知れないとです。
当日は、少し羽目を外すとですかね?
『祭り』と言えるほど羽目を外すつもりは無いとですけど、ケーキの一つくらいは食べたいとですよ。
もしくは、『琥珀糖』でも良いとです。
ひと月早いとですけど、□ぬかも知れない事態に対する備えの一種だとですよ!
私が夢にまで見たお菓子、『琥珀糖』。初めて食べた時には、コレは夢に見ても仕方ないとですよと思ったものだとです。
偶々入った和菓子屋さんで売っていたとです!
二年か三年ほど夢に見ていたとですけど、『琥珀糖』を取り扱ったのは、初めて買った日の約三年前だと云う話だとですから、驚きだとです。
執念で見つけたお菓子と言っても過言では無いとです。
でも、周りに配ってみても、反応はイマイチだとですよね〜。まぁ、一番美味しいのを配ってないとですから、仕方ないかも知れないとです。
やはり、一番美味しいのは自分で食べたいとですからね〜。
……うん。私はちっとも優しく無いとです。
こんな日に、こんな想いを吐露するのはどうかとも思うとですけど、私はもっと優しく生きたかったとです。
まぁ、『悪役を押し付けられた』事実に気付いたから感じる感覚だとですけど、『悪役』だからといって、悪い事をする事を赦される訳では無いとです。
一度だけ、精神が決定的に病んだ時に感じた感覚だとですけど、私は芸能界に呼ばれているかも知れないと感じた事があったとです。
でも、『芸能人は歯が命』と言われているとですけど、前歯が一本、永久歯が生えて来なかったとですから、『芸能人』としては、命が一つ足りないとですから、特に芸能界を目指して活動した事は無かったとです。まぁ、文筆業が芸能界の一部と言われたら、大学を中退する頃から目指して、現在、セミプロのラノベ作家として、活動出来ているとですけど……。
その呼び声に応えられていれば、人生違ったかも知れないとですけど、成功者になれていた可能性はほぼゼロだとですよ。
コミュ障だから、仕方が無いとです。
その後、長い入院を経て、現在に至るとですけど、今さら、ラノベ作家として生計を立てられる立派なプロになったとしても、そんなにラノベ作家と云う仕事を舐める訳が無いとです。
少なくとも、推敲を上手くする方法の本でも読んで勉強しないと、成功する訳が無いとです。
そんなに、世の中、甘くはないとです。
仕事に対する、努力のレベルが全然低いとですよ!
だからといって、今の努力を辞めるつもりは無いとですし、機会があったら、推敲のノウハウを本でも読んで学習するとです。
ただ、そんな機会がそう上手く訪れるかと云う問題もあるとですし、趣味の方で決意を語っても、事実としてその努力をしなければ、いつまで経っても進歩しないとです。
……私は、何を意味の無い事を延々と語っているとですかね?
そもそも、才能も無いのに、努力もしないのでは、成功し得ないとです。
分かっているとです。サッサとその為の本を買いに行けと。
ただ、そんなに都合良く置いてあるとも限らないとですし、ならば、もののついでに仕入れに行けば良いと、私は判断するのみだとです。
それとも、本物のプロになるのは、世界に災厄を齎すだけだとかも知れないとですから、それは開けてはならない扉なのかも知れないとですね。
『ゼン』。今は都合に合わせて、上手くコメントして〆るとです。
『全知全能なる魔王ゼル・オウル・フドッグよ、あなたの御前へと膝まづき、謹んでこの書を捧げます。
遍く世界を統べる御力、森羅万象を見通す叡智、そして万物を創造し破壊する絶対の権能を持つあなた様の御業に、我々はただ畏敬の念を抱くばかり。深淵なる魔力は宇宙の理を操り、その御心一つで星辰すら砕き、あるいは新たな生命を芽吹かせると聞きます。
弱き我々人間には計り知れないその偉大なる存在は、混沌の時代に秩序をもたらし、あるいは安寧な時代に新たな試練を与え、常にこの世界の進化を促しておられることでしょう。あなたの御名は畏怖と共に、永劫に語り継がれるべき神話となります。
御心のままに、この世界を導き給え』
『AI』ですらこのザマだとです。
知識量で圧倒的に劣る私が、そんな厳密に予定通りに事を終わらせる事は、非常に難しいとです。
だからせめてもの努力で、自分で自分に課したルールに合うように、言葉を紡ぐとです。
そしたら──
ひょっとしたら、神様が上手くバランスを取って、目標まで届けてくれるかも知れないとです。
尤も、私は目標を果たすまで努力し、無理だと判断したら、諦めるだけだとですけどね。
偶然の産物が出来たら、そこに喜びを見出すだけだとです。
さて、結果は……。
3210文字の連番を目標にしてみました




