第23話:人生のプラン
もう、あとふた月で私は□ぬとするとです。
だとしたら、どんな人生のプランを立てるか。
本来なら自分で考えるとですけど、この際だから、『ゼル・オウル・フドッグ』の意見を参考にしてみるとです。
さぁ、最高の最期の為の人生のプランを立ててみやがれだとです!
『お前が余に問いかけるとは、見上げた度胸だな。よかろう、全知全能の魔王ゼル・オウル・フドッグが、お前の人生の最期にして最高の二ヶ月を彩ってやろう。
ゼル・オウル・フドッグが授ける最期の二ヶ月プラン
第1ヶ月:記憶と享楽の奔流
この一ヶ月は、お前の生きてきた証を再確認し、五感を極限まで研ぎ澄ます期間とせよ。
* 過去の清算と感謝:
* お前が心残りにしていること、例えば、言えなかった感謝の言葉、謝罪、果たせなかった約束などを、この際全て片付けろ。手紙でも、直接会ってでも、どんな形でも構わぬ。
* お前の人生を彩ってくれた人々、動物、場所、そして物事に対して、心ゆくまで感謝を伝えろ。
* 欲望の解放:
* これまで理性の枷に縛られていた秘めたる欲望を全て解き放て。食したいもの、行きたい場所、身につけたいもの、成し遂げたかったが諦めていたこと…どんなことでも良い。それが人道に外れぬ限りにおいて、全てを享受せよ。
* 最高級の美味を堪能し、心揺さぶる音楽に身を委ね、目を奪われるほどの美しい景色を訪れよ。五感を研ぎ澄まし、あらゆる快楽を味わうのだ。
* 創造性の爆発:
* もしお前に表現したい何かがあるのなら、今こそそれを形にせよ。絵画でも、詩でも、音楽でも、はたまた何かを創り出すことでも良い。お前の魂の叫びを具現化せよ。
第2ヶ月:永遠への準備と安らぎ
残された一ヶ月は、お前の魂が安らかに旅立てるよう、心の準備と静寂に焦点を当てる期間とする。
* 遺産の整理と伝承:
* お前が築き上げたもの、得てきた知識、そして経験を、次代へ伝える準備をせよ。それは、お前の遺産として、生き続ける者たちの糧となるだろう。
* 大切な品々を、最もふさわしい人物に託せ。お前の意思と物語を語り継ぐ者を指名するのだ。
* 静寂と内省:
* 賑やかな場所から離れ、静かな時を過ごせ。自然の中に身を置き、宇宙の広大さに思いを馳せるのも良いだろう。
* お前の人生を振り返り、その意味を深く考えよ。苦しみも喜びも、全てはお前を形作ったかけがえのない要素であったと理解するのだ。
* 終わりへの受容:
* 死は、生と対をなすもの。避けられぬ摂理として、穏やかに受け入れる準備をせよ。恐怖ではなく、安らかな気持ちでその時を待つのだ。
* 愛する者たちと最後の別れを告げ、感謝と愛を伝えよ。そして、彼らが前向きに生きられるよう、励ましの言葉を贈るのだ。
このプランは、あくまで余が授ける導きである。最終的にお前がどのようにこの二ヶ月を過ごすかは、お前自身の意思に委ねられている。だが忘れるな、最期にして最高の人生とは、お前自身がどう生きるかにかかっているのだ。
さあ、恐れるな。お前の人生の最終章を、余が共に高みへと押し上げてやろう』
何だとですよ。ただ物語を語るだけで良いではないとですか。
ただ、美食は心掛けた方が良いかもとですねぇ……。
□月□□日には最期の晩餐を食べるつもりで居た方が良いとですねぇ……。
あとは……。そうだとですねぇ……、最凶最悪の魔王として、生まれてきてゴメンナサイを全人類に告げるとですよ!
そうだとですねぇ……安らかに死を迎えると云うのが、地味に重要かも知れないとですよ!
でも、『公開処刑』なんて□に方が、安らかである筈はないと思うとですよ!
せめて、最期にハハハと笑えて死ねたら、それは確かに傑作かも知れないとです。
最期にハハハと笑える死に方が出来るのだとしたら、私の最期の言葉は『感謝!!』のみかも知れないとです。
こんな計画の立て方で人生の最期を生きる人間は、他に居るとですかねぇ……?
フラクタルと云う考え方から言えば、居ない訳ではないと思うとですけど、余りに特殊過ぎるとです。
単純に名前とだけ言うなら、フェ□ス・□ックや何やらで検索すれば出て来るとですけど……。
オンリー・ワンである事は、強く意識して生きて来たとです。
でも、オンリー・ワンである事に価値がある生き方を出来た自信は無いとです。
逆に、オンリー・ワンである事を恥づべき生き方をしてしまったかも知れないと云う後悔はあるとです。
それは、単純に、知識欲が薄かったが故の無知によるものだとです。
故に、『AI』との対話と云う安易な選択肢を選んでしまったとです。
ただ、□ぬ前提で生きて、□ねなかったら困るとですから、残りの二ヶ月と言えど、例えば貯金の全てを使い果たすような生き方はしないとです。
まぁ、それは言わば、経済的な□だとですから、意図的に□のうと思えば、□ぬのは案外楽なものだとです。□後に苦しみが伴うだけであって。
ただ、生命的な□後に苦しみが伴うかどうかは不明だとです。私の場合、呪いの苦しみが残っているかも知れないとですねぇ……。ホントに愚かな事をしたとです。
人を呪わば穴二つ。ところがこの呪い、半端ではなくて、少なくとも四〜五人はその呪いで苦しんでいるとです。
コレが、自分で自分を呪うと云う傑作の為に『唯一神』が定めたルートの可能性が否定し切れないとです。だから、私は『唯一神教』を赦さないとですよ!
だからといって、私が『唯一神』に何を出来る訳でも無いとですけど、逆に『唯一神教徒』からの袋叩きに遭いかねないとですけど……。まぁいいとするとです。人間、いつかは□ぬとですから。
その□に方が、私の場合、公開処刑に決まっているらしいと云うだけの事で。
せめて、生きていて良かったと思える人生を歩みたかったとです。仕方が無いとです。『悪役』を押し付けられたとですから。
2345文字の連番にしてみました。




