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下校

「ところで松井さんの家はどのあたり?」俺は尋ねる。


「豊橋公園の近く、なので天気が悪い日は市電で通ってるよ」

市電とは今では全国でも珍しくなった路面電車の事だ。東海地方ではここ豊橋が唯一走ってる。


「俺は大池の近くなのであまり近いとは言えないな、まずは松井さんを俺の家まで送って行って、松井さんの家を教えてくれたらそこから一人で帰るよ」

 どのみち松井さんがついてきてくれても松井さんは家に入れない。いきなり男を連れてきたと家族に思われめんどくさい事になりそうだ。


「わかった、じゃあ帰ろう」

 俺と松井さんはとりあえず話しやすいように自転車を引きながら歩く。


 豊橋東高校を越え、大池のある向山緑地に入ったころ。

「ところでやっぱり校庭のヤマモモの樹が今回の事の原因になってると思うんだよねぇ」


「なんで松井さんはそう思うの」


「だってヤマモモの樹の伝説知ってるよね、卒業の日に告白すると必ず成功し幸せになれるってやつ。あれっておかしいよね。必ずだなんて」


「あー俺もそう思う。そう思うけどそんな眉唾な伝説にでもすがって俺はお前に告白した」


「それなんだよ!それで私は断ったよね。もうその時点で必ずじゃないじゃん」

 確かにそうだ、俺は振られた。松井さんは続けて言う。


「でもこの伝説って私のお母さんの頃にもあったらしいよ。有楽高校はお母さんも通っててそれで私はお母さんからこの伝説を聞いたんだから」

 となると少なく見積もっても20年近く前には存在する

「そんな昔からあるなら松島くんの他にもヤマモモの樹で告白して失敗した人いるでしょ。それで、なんだやっぱり伝説なんてデマか、となりそうなものなのに今も伝説は存在して実行する人がいる。不思議なんだよ」

 確かに不思議だ。

「だからやっぱり身体の入れ替わりも一年時間が巻き戻った事も、このヤマモモの樹の伝説と関係があると思う」


「関係があるとしてもそれでどうするの?」


「どうするの?って、もちろん調べて早く元の身体に戻るんだよ。まずは先生に伝説の話を聞いたり学校の図書室で調べたり。なので松島くんも付き合ってよ」


「あーもちろん付き合うよ、意味わからない今の状況を意味わからないままにしておくのは気持ち悪いし」

 そう話しているうちに俺の家の前に着いた。


「じゃあ松井さん頑張ってね。俺の家には両親の他に中学の妹もいるから」


「松島くんも……私の部屋勝手にさばくらないで。あと私の身体も見ない。着替えもお風呂もトイレも全部目をつぶって行うように!」


「無理だろ!」そうツッコミながらもこの後一人になり好きな人の身体で好きな人の家で生活をすることを改めて考えて、胸がドキドキした。

愛知県豊橋市の地理を知ってる方なら有楽高校のモデル(あくまで学校の場所のみで学校内はモデルとは言えません)がわかったと思います。


そして次回からは本格的に入れ替わり生活が始まります。

次話更新はまた来週金曜日を予定しております。

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