13星座のへびつかい座「S型の暗黒星雲」の物語
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キャンプの野外活動をしていると、普段町中では目にいかない夜空を見上てみよう。
無限の可能性があり、小さかった頃の冒険心をくすぶられる。
宇宙は、僕達をはてしないロマンに一瞬で連れて行ってくれる。
やぎ、みずがめ、うお、おひつじ、おうし、ふたご、かに、しし、おとめ、てんびん、さそり、いて座の12星座は誰もが聞いたがあるだろう。
「ああ、流れ星だ」と、小さな子が大はしゃぎするように宇宙の星々も大騒ぎしていることだろう。
無限で拡大なため、こんな物語があったかもしれない。
それは、13星座に含まれていた「へびつかい座」のお話だ。13番目の星座「へびつかい座」を知っている人はほとんどいない。
へびつかいは、いまや息を絶ってしまったようだ。
絶たれた息と吹き返す息、夏の夜空に煌めく「へびつかい」のアスクレピオスのお話をする。
神話によると医神アスクレピオスは、医術にたけ多くの人に生を与えたとされている。死が尽きてしまうほど、生を与えたためへびつかいのアスクレピオスはこの世から目に見えない星の存在になった。その両手には、ヘビをつかむ姿で表されている。
つまり、へびつかい座アスクレピオスは、生と死の調和の死をあじわっているのではにだろうか。そのために、13星座であったはずの星座は、いま12星座になったのではないか。死を意味するヘビにとっては、都合がよくないため「隠そう」とし、神話では疫病のときにヘビに化けて現れるとそれている。
ちょうど、わたしたち人類は生と死の間に位置する。
へびつかい座アスクレピオスは、あるときは産声をあげヘビを振り回し、またあるときはヘビに変化し姿をくらます。
へびつかい座アスクレピオスに欠かせないのがヘラクレアである。コブラのヘビを殺して気が狂ったとされているのだ。こちらも、ヘビが関係している。
ヘラクレアもアスクレピオスも、所々に暗黒星雲がある。
小さい頃の冒険心を思い出し、13星座のへびつかい座「S型の暗黒星雲」の物語に耳を傾けてみよう。
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「やあ、アスクレピオス」とヘラクレアは言った。
「おお、これはこれは偉大なるヘラクレアよ。左手に持っている、そのうねうねしたものはなんだい?指みたいでちょっと変わった形をしているね」とアスクレピオスは答えた。
「おお、これは存在だけに執着してしまったコブラヘビと言うんだ。あまりにも暗黒星雲を飲み込むものだから、首元を掴んでほどほどにするよう言い聞かせているんだ」
「どれ、君にもヘビとの関わり方を教えてあげようか?」
「面白そうだね。わたしの住もう星団にも毒のない大きなヘビはいる。試してみようかな?」
「そうだね。きみの巨漢には大蛇が似合うよ。ただ、あまりやりすぎると星全体のバランスが崩れてしまうからほどほどにやるんだよ。そうだ。丁度いい師匠を紹介するよ。ペーリオン山の洞穴に住む馬人の賢者ケイローンだ。一度あって暗黒を知っておくのも悪くないよ」
「それは、楽しそうだね。冥土の師匠プルートーンに許可をとり、早速ペーリオン山に言ってみるよ」
アスクレピオスは、冥土の師匠プルートーンのところに向かった。
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「偉大なる父プルートーンよ。暗黒を知り、べーリオン山の洞穴でへびつかいの修行をしたいのですが、よろしいでしょうか」
プルトーンは、答えた。
「若き勇敢なるアスクレピオスよ。暗黒の世界にも絶妙なバランスがあり役割がある。そのバランスを崩すことは、自由への干渉にあたる。そのことは重々承知かな」
「ええ、アガピーに誓って」
「では、べーリオン山での修行の許可を与える」「注意が必要だ。ヘビに呑まれんようにすることだ。とくに、そなたが知りたがっている暗黒の世界の大蛇の毒はないがそれでも死がソナタを蝕むかもしれない」
「死に蝕まれるとどうなるのでしょうか」
「なーに、大したことはない一時的に大蛇に变化を許すだけじゃ。それもまた善き体験になるじゃろう。限度を超えて死と生で遊びすぎなければ、その变化もなくコブラの毒ヘビもヘラクレアのように立派なへびつかいになれるじゃろう。さぁ、早速べーリオンの山へおいき」
「ありがとうございます。偉大なる父プルートーンよ。」と、手に口つげをしべーリオン山の洞穴に向かった。
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ペーリオン山の洞穴に行くと、数多くの乾燥させた薬草用の漢方がおいてあり、ちょうどヘビの毒を抽出し配合させ、病人に解毒や抗体などをつけるため用いていた。
「ヘビの毒を用いる偉大なる馬人の賢者ケイローンよ。アスクレピオスに許可をいただきヘビの扱いを学びにきました。どうぞ修行をつけていたけないでしょうか」
「偉大なる巨漢アスクレピオスよ。そなたにヘビつかいだけでなく、私の知る限りの医術を授けよう」と、挨拶を交わしお互いに手の甲に口づけを交わした。
「この星団にもいくつもの暗黒物質ヘビがうねうねとしている。こいつを狩るのは首の根をつかむことだ。首の根を掴むと、手に絡んでくるのでなれないうちは反対の手でおっぽを掴むといい。なれれば片手で、首の根を強めに握り、牙がでてこいつの毒やをもらう。毒や蛇退皮を取ったら逃してやることだ。なぜだかわかるかな?」
「ええ、何度も言われてきました。暗黒の世界にも絶妙なバランスがあり役割があるからです」
「よろしい、早速こっちへ来て持ってみな。その間に私が毒を抽出しよう」
「生きとし生きる兄弟よ。そなたの名において、忠実に活かすことを誓います」
そうして、ちょっと変わった生き物へびにはじめてふれた。ヒンヤリしていて、押すと弾力があった。
首の根を掴むと身を縮め左手に絡もうとしてきた、全身に寒気が走り暗黒の世界に引き込まれそうであった。
「安心せい。首の強く握れば大人しい可愛い存在になる」と、ケイローンの声に我に返り、強めに握り、すかさず反対の手でオッポを掴んだ。
「そのまま、そのまま」と、言いケイローンはヘビの牙から出る毒抜きし、抽出したあと離してあげた。すると、急になつき寄ってくるようになった。頭から尻尾を撫でるとツルツルしており、尻尾から頭に撫でるとザラザラしておりなんとも変わった感触だった。
「簡単だろ。そなたが住まう星団は、どんなヘビであるか、知っておくと良いだろう」
「ええ、大きいですが毒はなく比較的おとなしめです」
「そうか、やることはいまとかわらん。毒抜きがない分、手を余すかもしれんが、ヘビの蛇退皮には悪を避け、風を去り、虫を寄せ付けない、生を与える。湯液にすると効果が高いがほどほどにしないと生が強すぎる。また、はちみつ加えて練ると甘くなり食べやすいぞ」
さらに続けて医術について述べた「ほかにも、セミの抜け殻には解熱作用があり発熱を抑えたりする作用がある。ティノトスの作用があるからだ。不死ではあるが不老になるわけではないので老けるから用いるのは最低限にする必要がある。自己免疫を信じることも学ぶであろう」
またケイローンは、サソリの毒をつかい「薬用に役立てたい」と話していた。
へびの扱いも終え、医術も一通り学んだためペーリオン山の洞穴を去ることにした。
「偉大なる馬人の賢者ケイローンよ。われに医術を与え生を尽くしたことをありがとう。」
「偉大なる巨漢アスクレピオスよ。天の川の東に位置するこの星団の役に立ちありがとう。そなたの無限の拡がりを願う」と手の甲に口づけし、いざ、自分の住もう星に還っていきました。
ケイローンとサソリがどうなったのかは、わからない。
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巨漢アスクレピオスは、自分の住もう星でも試したくてウズウズしていた。
おおきなヘビの薬草を使ってみたかったのだ。
なんと膨れ上がった大きな暗黒へび。S字にくねくねしたおおきな姿を現した。右手で尻尾をつかみ、左手で首の根を掴もうとしたが巨漢であるアスクレピオスも届かなかった。
うねうねと高速にもがき脱皮してその一部を薬草にした。
勢いがあるだけに、その効果はみるみる現れ生をもたらした。
ただ、そのときに大きなアルゴー船が通りかかり「生」と「生」が重なってしまった。
生をもたらしすぎたために死が尽きてしまうほどだった。
それを見かねて、偉大なる父プルートーンに相談することにした。
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「偉大なる父プルートーンよ。へびつかいとなった私ですが、へびが弱りかけてしまいました。どのようにすればいいのでしょう?」
「勇敢なるアスクレピオスよ。暗黒の世界にも絶妙なバランスがあると言ったであろう。暗黒の世界は、偉大なる父ゼウスの協力がいる。アドバイスをいただこう」
ゼウスの源へ、二人は向かった。
「偉大なる父ゼウスよ。へびつかい勇敢なる医者アスクレピオスは、生と生により死が果てそうです。どのようにすれば、良いでしょうか。」
「冥土のプルートーンよ。勇敢なるへびつかいアスクレピオスよ。誓わなければならぬ。偶然にしろ、ヘビの自由をそなたは踏みにじったのだ。誓うと言っても簡単だ。疫病がはやったときにヘビの姿としてへびつかいになるのだ。そして、生を与える。それまでそっとヘビをしてやることだ。姿をくらませよ。すれば、S型の暗黒星雲は次第に調和がとれていく」
勇敢なるへびつかいアスクレピオスは、冷たくヘビの姿になることに寒気が走った。
すると、ゼウスはそれを見かねて続けてこう言った。「安心せい。バランスがずれたのはなにかの意味があってのことだ。偶然などない必然だ。ヘビを許容できるときがくれば、源ととなりさらなく星座の拡大になる。それに、そなたは冷たくなることは温かい仮面を被ったヘビの姿になるだけだ。心の通うものにはすぐにその正体がわかるだろう」
と、落ち着きある源で答えた。
「ありがとうございます。偉大なる父プルートーンよ。私は、ヘビの姿になったとしてもアガピーから仕る事を誓います」
と、暗黒星雲を見守り姿をくらました。
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こうして、やぎ、みずがめ、うお、おひつじ、おうし、ふたご、かに、しし、おとめ、てんびん、さそり、へびつかい、いて座の13星座は、いまは12星座になっているのかもしれません。
そして、この「S型のヘビ」は、はっきりとへびつかいの巨人の足のところにあり毎秒140キロメートルの速度で太陽系に近づき暗黒星雲が活気ついているのかもしれません。
忘れ去られた「へびつかい」アスクレピオスが姿を現す日も近いかも知れません。




