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死ねないカラスは   作者: 夢野未久
1/1

再会

初めて書いた小説です。

バトル物になる予定ですが、描写研究中です。

あらすじで書いている辺りまでなので、短めとなります。世界観の導入用と思ってください。

よろしくおねがいします。




ある朝、目が覚めると



頬が濡れていた。


どんな夢を見ていたのだろう。


何一つ思い出せやしないのに


ただ、頬を伝う涙がとまりはしない。


「………。」

無理矢理服の袖で拭って、にこり、口の端を上げる。



……行かなくちゃ。




行きたくなくても行かなきゃ行けない。

仕事というのは、全くもってめんどくさい。




今日も、1日が始まる。











【prologue】






#file 1






世の中には、生きたまま《Araive》捕らえる《Arrest》命の下された人が数少なくいる。






本来なら人が持ち合わせるはずのない《力》を持つ、所謂“超能力者“。




その中で、特に永く存在し続けている集団がある。




それは、総称で《birdcious》と呼ばれている。




鳥の名前を冠する、特別な力を持った存在_________。




(カラス)」「啄木鳥(キツツキ)」「四十雀(シジュウカラ)」「赤提灯(アカチョウチン)」「(ウグイス)」「(トンビ)」「鴿(ハト)」……


確認されている数は約30人弱と言われているが、これ以上いると言うのが、我々_______《adapter》の見解である。















(それ)が始まりと言わんばかりの】




「うわぁっ、笑茉(えま)さんのお弁当、すっごくおいしそうですね〜!」

「そ、そう?」

午後3時頃。

《事故》現場付近に止めた軽車の中で、後輩と二人寂しくやや遅め、いや、最早おやつの昼御飯を食べる。


今しがた、後輩に褒められた弁当だが、別段美味しそうかと問われると、特に…そうでもないだろう。

ただのありふれた食事だ。


寧ろ、美味しそうなのは後輩______津ヶ谷(つがや)すばる、彼女の方だと思う。


「そんなやだな〜!私なんか先輩の足元にも及びませんってば〜!!」


そう言ってにこにこ笑う。


あぁ、また、嫌みだ。


この頃、この子からの嫌みがとても増えたと思う…それは、


「やぁ、笑茉」


「……銀河」



そう、今しがた私にキラキラと話しかけてきた男、一瀬(いちのせ)銀河(ぎんが)だ。


一瀬銀河は、私と同じくらいに入社した、云わば同期というやつ、腐れ縁…は言い過ぎか。

そんな関係。


そして、津ヶ谷すばるは、今年の春に来た、物珍しい入社志願者だった。(私も銀河も同類か)


そうして、同じ部署となり、


「ぎ、銀河先輩〜!」


すばるは、銀河に惚れたのだ。


…まぁ、こんなイケメン、普通なら惚れてしまうのか…


(興味ないからなぁ)

「やぁ、すばるちゃん」

「銀河、何でここに?」

「あぁ、近くでここと似たような《事故》があってね…笑茉達がいるって聞いたから、話を聞けたら…とかね」


成る程、理にかなっている。

けれど、

「《()された》あとだったんですよ」



()された》とは、No.6・鴬の能力、《哨戒(しょうかい)》のこと。

この能力は、あらゆる物質を特定の人以外には見えなくさせる_____そういう《力》だ。



「そうか…こればっかりは仕方ないな」


イケメンというのは、悩んでいても様になる。

すばるちゃんがご執心だ。


「…すばるちゃん、早くお弁当食べて、部署に帰りましょう」


「あっ、そうですね!たべちゃいましょうか」


こわいこわいこわいこわいこわい、殺意がこわいこわいこわい。

誰もあなたの王子はとらないから!


と、大声で言ってやりたい…

お弁当を食べながら、ふと、つかれて出そうになった溜め息を飲み込む。


このままじゃ、今日は持ちそうにないなぁ…。


「さて、笑茉さん、いきましょうか」


「ええ、でもちょっとまって…」


「笑茉、それは?」


それ、とは私が今手にしている小さな袋のことだ。


しがない、薬だ。


「ちょっと、風邪引いてて…まぁ、平気なんだけど一応ね」


「そか、お大事にね。じゃあ、僕はこの辺で。また後で部署で会おう、笑茉、すばるちゃん」


「後で会いましょ〜!」


元気に送り出すすばるちゃんと静かに手を振る私。


対極だ。


「じゃあ、帰ろうか」




二人で他愛もない話をしながら、部所へと戻る。


「ただいま戻りました、Cot. の朱雀井(すざくい)笑茉(えま)です」


「同じくCot.、津ヶ谷すばるです〜」



社内にはいるときには、必ず所属部所と名前を言う決まりになっている。

因みにCot.とは、contact____《事故》を《()る》、ということを指しており、現場に行きそれを書類にまとめ、立証班に報告する義務がある。



恒星(こうせい)さん、これ今日の時雨通りの《事故》です。お願いします」


「りょーかい。今日はもう上がっていいよ〜」



立証班が言うのだから、今日の仕事は終わった、ということだ。



「じゃあ、すばるちゃん…」

「あ、私まだ残りますね〜!笑茉さんに追い付くために、過去の《事故》の文献見てきます〜」


「…そっか、頑張ってね。またあした」



会社の入り口へ出る。

見上げれば、程なくして我が部所、Cot.の部屋に電気がつく。

すばるちゃんは銀河に会うつもりで残ったのだろう。


人を好きになるのは、幸せですね。


なんて、感慨に耽る。



…今日は疲れてる。

はやく帰って寝ないとなぁ。





時雨通りを避けて帰らなきゃなぁ



会社から支給された愛車・MAZDADemioにのる。

カラーは薄紫だ。



「_____は、ぁ」


ようやく、一人になれた。


気張っていた顔の力を一気にぬいていく。

途端、周りの空気がおかしくなるのを感じる。



車内の窓を開けず、そのまま、アクセルを踏み込み車を発進させた。











◆◆◆









最悪だ。


せっかく回り道をして帰っていたのに。



そうおもい、目の前に目をやる。



まさか、



「………………………」


自分自身が事故を_________人を轢く、なんて。



面倒なことになった…。


「はぁ。」




ゆっくりと人に近づき、首に手をやる。


静寂


____明らかに脈はなかった。


死体だ、という確認をし、脇に手を入れて持ち上げる。


幼稚園生を抱き上げたかのような軽さだった。


死体は、推定年齢____信じたくないが、恐らく同じくらい。性別は、男だと思われる…。

どちらも釈然としなかった。


しかしまあ、会社の車で良かった。

様々な道具も積んであるからだ。


ブルーシートで包んだ遺体を後部座席にそっと寝かせる。



この車気に入ってたから、死体なんて載せたくなかったのに…


さて。

これからどうしようか。



《事故》として処理する



これが最適解だろう。


まるで犯罪者の気分だった

まあ、人を轢いているんだからそうだろう。


これからの業務に支障をきたすことは間違いないな.......。



後部座席のドアを閉め、会社に向かうために運転席に戻る。

先程見た景色を逆から眺めることになるとは



時雨通りが近くなるにつれ、車内の空気に異変を感じるようになった。



________________可笑しい


いつもなら、もっと空気が()()はずなのに

何故だか少しずつ、少しづつだが空気が澄んでいく。

まるで空気清浄機を置いているような.......



そう、空気の異変に気を取られて、私は気づかなかったのだ。




「____________君は、不思議な()()を吐き出すんだね.......」



いつの間にか助手席に座る人物に。

読んでいただきありがとうございました。

時間の合間に少しずつですが、続きを書いていければと思っています。

途中で折れる可能性もあります。ご容赦ください。

是非感想をいただければ幸いです。至らない点への指摘も大歓迎です。

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