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13日の金曜日

追われている。追われている。


私、美枝子は、今追われている。

車に乗っているというのに、なんという俊足。

ペットのワンちゃんに、追われている!


「ったく!あんたはバカか!」


窓から頭を乗り出し、ワンちゃんに叫ぶ。


「えさならやったでしょーー!」

「ぅ〜わんわん!!」


これも、毎日のことであるが、

今日は13日の金曜日…。

なにか不吉なことがないと良いが…。


考え過ぎか!気にしないでおこう。


だが、やっぱり不吉なことは起きてしまった…。



いつものように、車に乗っけて、会社へと向かう。

ワンちゃんは、会社で人気のある看板犬だ。

しかし、会社の上司に「犬に人気があっては、私の人気が落ちる!」

など意味のわからないことをいわれて怒られてしまったことがあるので、

本当はつれてきたくないのだが…。


予想はあたり、また上司に怒られてしまった。


「美枝子さん!困りますう!」

「す、すいませんすいません!」


ったく、ワンちゃんのせいで、また今日も怒られている。


いつも通りのデスクに向かうと、パソコンを開けて、

資料を作成している。


ワンちゃんは、特別に受付の人に頼んで、見てもらっている。


「ふああ!終わった!」


残業で遅くなってしまった。


「美枝子さん、お疲れ!」

「あ、先輩こそお疲れ様です!」


いつも通りの挨拶を交わし、

ワンちゃんの方へ向かった。


「わん!わん!」

「ごめんね、遅れちゃって。ありがとうございました。」

「いえ、良いんですよ。お疲れ様です。」


さて、帰ろうかとワンちゃんをだっこすると、

ワンちゃんがいきなり、


「う゛ーう゛ー」


とうなりだした。

振り返るが、何もない。


「ワンちゃん、なにかあるの?」


しかし、もううならなくなった。


「きっと、つかれたのね。」


車に乗って、家へ帰るとき、

後ろから追いかけてくるのが見えた。


ワンちゃんを忘れてきた…はずがない。

後ろを見ると、ワンちゃんは伏せている。

しかし、何だろう、この違和感…。


信号で止まって、後ろを振り返るが、

特に変わった様子はない。

信号が青になって、進み始めると、

また妙な違和感がする。


ブレーキをかけて、とまって振り返ると、

いた…。のっぺらぼうが…。

しかも、追いかけてくる!!


「ぎゃああああああ!!」


ワンちゃんがビックリして起きあがると、

またう゛ーとうなり始めた。


そして、ドアの開け方を知っていたのか?

自分で鍵を開け、ドアを開け、のっぺらぼうの方へ向かう。

のっぺらぼうに飛びかかり、のっぺらぼうは倒れて、消えた…。


「え?」


私は止まって、ワンちゃんが来るのを待った。

ワンちゃんは私に近づいて、また、今度は私の後ろにうなり始めた。


…。まさか…。後ろを振り返ったら、いた。


のっぺらぼうが、顔の皮をはぎ、口が裂けていて、一つ目で、刃物を持っていた。


なにかしゃべった。


「13日の…。金曜日…。」


といって、刃物を振り上げた。


「ぎゃああああああああ!!!」

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