夜景
夜は溢れるものだから
闇はこぼれていく
手のひらのような地平線
そしてその先
暗がりの中でだけ
暖かくなれるような
臆病さを抱えて
灯す明かりに
開かれていく
星は星の光を繋ぎ
ひとつひとつと
数え上げながら
一体となる矛盾に
安堵し悩める
流星は落ちる
吐息のような風が
夜空を浚って
瞬く間に暴かれた
孤独たちの呼応する藍
分かり合えずとも
重なりあえば
色を濃くするから
ねぇ、一緒に
君の見上げる
等級のないさみしさが
今、輝ける
夜の話をしよう