この世界、なんかおかしいんですけど!? 6
あまり派手な格好ではなく、民族衣装のようなものを着て町へと来たのだが、やはり、お腹の締め付けはきつい。コルセットというやつなのだが、お腹を締め付け苦しくなる代わりに、腰のくびれが綺麗な放物線を生み出す。美しさには代償が付き物ということだ。でも、あまり化粧が出来なかったので、プラマイゼロ。まあ、私はあんまり化粧をしなくても元がいいから大丈夫だけど。
とはいえ、ここは日本とは違う。それは、城やドレスでも分かっていたが、町に来てみると違いを実感せずにはいられなかった。
「はぁ……外国じゃん」
地面はアスファルトではなく石畳。電柱もなければ、横断歩道も信号機もない。そもそも、車がない。代わりに馬車は通っているが。おかげで、なんか獣臭い。
「最悪……さっさと男釣って帰ろう」
海外だろうが異世界だろうが、男がチョロいのは万国共通。人通りが多いこの場所なら、とりあえず数人は釣れるだろう。
まずは、手始めに……。
「あれれぇ、ここぉ、どこだろぉ? 道に迷っちゃったのかなぁ?」
わざとらしく口に出し、周囲の男に聞こえるように呟いた。
これで親切心を建前に下心を隠し持った男が釣れる。はずだったのだが……。
「あ、あれぇ? おかしいなぁ。こっちから来たんだっけぇ? それともぉ、こっちぃ?」
お、おかしい。全く見向きしない。一人ぐらい声をかけてくるはずなのに……。なんだろう。ここには親切な人間はいないのか?
「ねえ、お母さん。あの人、僕より大きいのに迷子なんだって」
「こら、見ちゃいけません」
あ、あれ? 声をかけてもらうどころか、クソガキにバカにされた気がするんだけど……。
いや、もしかしたらこの場所がダメだったかもしれない。こんな人通りが多い場所、日本で例えると駅みたいな場所で、困ってるかわいい女の子がいても声をかけづらい。そもそも、オタクというのは奥手なめんどくさい生き物だ。こんな人の目がある場所では目立ちたがらない。
つまり、もう少し人が少ない場所がベスト。
大通りから少しはずれ、人の行き来も少ない場所にきた。ここなら、問題ないはず。そして、今回はさらに釣りのレベルを上げる。
「きゃっ!」
自分の足を自分でかけて転ぶ。一切の不自然さがない完璧な転け方。
「いててぇ……。転けちゃったぁ」
そして、転けることにより、パンツが見えるか見えないかのギリギリのラインまでスカートが翻る。もちろん、完璧に計算されているためパンツなんて見せない。見えないギリギリを男は好むし、代わりに白い太股を見せることで、発情しない男はいない。
「どこか擦りむいちゃったかもぉ……」
もちろん、怪我なんてしていない。これは幼気な少女を演出するアピールだ。
これを見て声をかけない男なんて……。
「あ、あれ……」
もはや、見向きもされない。完全な無視。
そうか。なら、私にも考えがある。男を確実に仕留めるための奥義を見せてやろう。