2:第一印象は大切に
「ここかぁ〜」
少女は扉の前に立って言った。
ここは五大大国の1つ、ヴァーレ。五大大国とはその昔、神に仕えた5人の使者に与えられた国で、今でも他の国に多大な影響を与える大国である。
ヴァーレ王には代々、何故か平和主義者が多いみたいで、他の五大大国に比べ軍事力はあまり発達していないが、その分、商業が発達した国で、人々は安定した暮しを送っている。
そして、ヴァーレ城の城下には世界一と言われる学園都市、ヴァーレ学院がある。魔術、剣術、武術、錬金術、……などを学びたい前途ある若者が、世界中から集まってくることで有名である。
城の周りを囲うように位置する学院は、城を守る防壁としても役立っている。そこには、優秀な者が兵士兼教師として働いている。
最初に戻るが、今少女は扉の前に立っている。
ここは学院から少し離れた場所にある¨なんでも屋 in THE ビル¨というお店。道行く人がその名を見て、ダサっという印象を受けることは確実であろう……
もちろん、このお店はビルじゃない。ビルというものはこの世界に最近、五大大国の1つ科学の国¨ラクトス¨にできた1つだけである。ちなみに、ラクトスにビルができる前のこの店の名前は¨なんでも屋 in THE キャスル¨である。
もちろんこの店は、ビルでもなければ城でもない。ただの2階建の木造建築である。1階が車庫のような倉庫で、外にある階段を登った2階がお店になってる。ちなみに少女の目の前にある扉は引き戸である。
この店の前の道は舗装されてなく(この世界ではコンクリートやアスファルトの道はほとんどなく、土か石畳の道が普通)、砂埃で看板は汚れ、いかにもうさん臭そうな雰囲気である。
そんな店の前に立っている少女の名は¨レナ・エヴァル¨。16歳である。
髪は赤く、肩までもない程の長さ。くりっとした目は緑色で、全体的に顔は可愛い。
身長163cm、胸は平均的な感じだか、ウエストはくびれていて、スタイルはいい。
腰に銀色の銃を2丁ぶら下げている。
彼女はヴァーレ学院の特別科の生徒だ。
ヴァーレ学院には魔法科や剣術科、銃術科など、自分が習う科に別れて勉強する。
特別科は珍しい能力、特別な技、変人などの他の科では授業できない人が集まる場所である。
彼女は友達の情報でこの店に来たのだが、いかにも怪しい感じだったので少し戸惑ったが、友達を信じ、ノックをしてみた。
「はぁ〜〜い」
中から若そうな女の声が聞えた。そして、廊下を走ってくる音が聞えたかと思うと、すぐ扉が開いた。
すると、目の前に笑顔の女の人が現われた。髪は灰色で長く、瞳も灰色だ。顔はとても美人でスタイルも良く、胸もレナとは比べるのもおこがましい程だ。まだ年齢は若そうだが、大人の魅力満載のセクシーお姉ちゃんという感じだ。
彼女はレナを見ると、さっきまでの笑顔が顔から消え、なんだか不機嫌な顔になった。
レナは挨拶してないから不機嫌なのかなぁと思い、急いで頭を下げて、
「レナ・エヴァルです。依頼に来ました!」 と、元気良く言ってみたが、彼女の顔は不機嫌なまま、レナの顔を舐め回すかのごとく見ると、ますます不機嫌になっていった。
「あのぉ……依頼……」
「悪いけど、若い女の依頼は受けないの!!」
彼女はキッパリ言い放つと、引き戸を閉めようとした。しかし、レナは足を引き戸の間に素早く入れて、それを防いだ。
「なんでダメなんですか!?」
「だ・か・ら!若い女は嫌なの!無理なの!」
「そんなこと言わずに、依頼受けて下さいよ!」
「ダメ!!依頼は受けないの!さようなら!」
「おい、カミナ!!いつも言ってるだろ!客を勝手に返すなって」
レナの後ろから不意に聞こえる声。振り向くとそこには男が立っていた。瞳は血のような紅色。髪は短めのツンツン頭で、髪色は雪のように白い。顔はかなりの美形で、体付きは細身で引き締まっている。身長は180以上は確実にあるであろう。
街をあるけば、きっと何人もの女の子からの声を掛けられるであろう。
そんな男性がレナの目の前で………
パンツ一丁で立っていた。
最近はたまに時間が空くので、少しずつ書いていくつもりです。
倉田家の日々は書いてる途中で行き詰まったので、休みます。