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幻影
キュウとその人間を見に行ってみると、一人の男がいた
動物を狩りに来た訳では無さそうで、結構若くて美形な青少年が普通に歩いている
……本当に迷ったのだろうか?
それにしては落ち着いてるし、怖がる素振りも見せていない
この森は国内で一番、野生の魔物が多い
それもどれも凶暴で危険極まりない
だからこそ、珍獣で絶滅寸前の魔物もいる
魔物は基本、同種とは争わないためここは魔物にとって楽園なのだ
人間が近づかない、近代的なこの世界で唯一といっていいほどの自然
あ、私は例外だよ?
取り敢えず幻影で外への道に案内して、お引き取り願うか
年に一度位は勇敢な狩人が入ってきては、こうやって魔物に会わせないようにしているのだ