不良と幽霊の話(2)
「なあ今日みんなで集まりあんだよ。倒も来るよな?」
クラスメイト久志原 将太は靴箱にて、まるで当たり前のように自分の隣の靴箱に赤いスプレーを吹きかけながら言った。いつも足を長く見せたいとかで馬鹿みたいにズボンを上まで上げたやつだがこの頃は案外腰パンしている。心境の変化というやつだろう。
定期テスト前日、我が私立雄乗高校ではテスト期間中は午前中授業で自主学習に励むようにとされている。偏差値三十にも関わらず何故要らないところで真面目なのか、謎だ。
「いや僕は今日用事あるからいいわ」
「なんだお前珍しいな。まさかお前……」
ん?勉強する気かとでも言うのかこの馬鹿は。
「彼女が出来たのか?」
「テスト前に用事といってそれが出てくる僕らはなんか色々終わってるな」
まあテスト勉強なんてする奴はこの高校には居ないだろうが。
「まあ……なんだ、暗いこともあったんだ。遊びてえよ」
暗いこと、同じクラスのある生徒が先日焼却炉で発見された。当然遺体で。
「別に仲良くなかったしぶっちゃけあんな
根暗嫌いだったけどさ、でも死なれるのは何か嫌だな」
悲しいというよりは気分が悪い。
「まあ気持ちのいいもんじゃねえけどさ。ま、俺はどうでもいいし、勝手に死んどけって感じなんだが」
まあ所詮は他人ごとなのだ。人が死んだとしても俺には何も関係ねえ。
もっとも、この件に関しちゃあ関係ないなんて言えねえか。
「さて帰るか、また明日な」
「ああ、また明日」
最後に靴箱に画鋲をぶち込んでから別れた。
自転車置き場へ歩くこと数分。
ケハッ
「ああ?」
何だ?今の、人の声か?
「いやまあ空耳だろう……っが!」
刹那。
まさにあからさま、見計らったかのようなタイミングで。
焼却炉に……人?
ここからは少し距離があるので顔までは見えないが、じっと焼却炉を覗き込んでいたようだ。
「当番の仕事か?いや、そんなの終わってる時間だろ」
いや、いくらでも答えはあるじゃねえか。逢引、カツアゲ、散歩、掃除が長引いたのかもしれねえ
「気にする価値ねえな。ハッ、つまんねえ帰るか」




