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プロローグ

例え、あなたが何者なってもあなたを見つけるから、待っていてね。


だって、あなたは私のものだから誰にもあげない。


ふふふ、待っていてね。私の恋人さん?

王族に転生してしまった。

突然だが、俺ことひいらぎ徳文のりふみは転生者だ。何か神様が出てきて「悪いけど転生ね。」と言われて転生された。


別に間違って死んだ訳ではなく、普通に刺されて死にましたよ。幼なじみの逆ハーに!それも決まった運命で!


・・・まぁ、何時かは来るかもと考えていましたよ。幼なじみは超絶美少女で文武両道の天才を超える神童のお嬢様。そんなの幼なじみだと刺されてしまうよね~。嫉妬した野郎達に・・・


しかも、神様のやつは戦闘では使えない能力寄越しやがった。それも2つだよ2つ。


その2つが『魔王と勇者だけに効果のある逃走用の魔法』と『そんなに魔力と体力が伸びない身体』だ。


法は何で魔王と勇者限定?魔王はわかるが、勇者から逃げる意味がないよな?しかも、その二人以外だと訳に立たないし、意味ねぇ~


最後のはただのバットステータスだよ!ちくしょぉっ!


そんないらない能力を貰っちまいました野郎である俺だが、転生先はすっげー良かった。だって魔法がある異世界の王族だもん!やりたい放題だぜ!ヤッホー!


異世界の名前は『エルドランド』。その世界でも大国の一つの王子だ。これはもう美人と美少女を捕まえて夢だったハーレムを建築だ!アハハハッ!


・・・そんな時代も私にはあった。王族だからってやりたい放題な訳がない。政務やら外交などやらされたよ。父上や母上は三男の俺を王にするため教育が厳しかった。兎に角厳しかった・・・


仕方ないよなぁ。五兄弟の兄、兄、姉、俺、妹の中でも魔力と体力がバットステータスの性で低い俺には政務以外はないけどさぁ、青春が送れないよ!


・・・まぁ、それのお陰で玉座に付けましたよ。はい。これも青春を犠牲にした俺の努力のお陰だよ。はい。


まさか、15で玉座に付けるとは思わなかった。兄貴達は戦闘が得意分野だったのでそれぞれ魔法師団と騎士団のトップだし、姉貴は同盟国の王妃だし、妹は国専属の神官だし、かく言う俺は王様だ。良かったよ、血の修羅場にならなくって。


それからの生活は野望と策謀の溢れる政務と外交で嫌になるよ~。それが三年も続いたある日のことだった。


魔王が降臨と、魔族による侵略が始まったのだった。


俺は迷う事なく、魔王討伐の命令を軍に出した。直ぐに迎撃部隊の編成が始まり、各国との連結を模索し、戦争の準備が始まった。更には金で動いて魔物を狩る冒険者たちに多額の依頼を出してみましたよ。もはや、藁を掴む勢いだよ。


へ?勇者はって?確かに勇者を召喚する魔法陣はうちの国が所有しているよ。それを使えば勇者を異世界から呼んで魔王を討伐は簡単だろうね。お金もかからないし、便利だねぇ~。


だけど、それは関係ない異世界の人を戦いに参戦させることだから俺は使わないと決めた。だいたい、役立たずが召喚されたら迷惑だし、何よりも送還するための魔法は存在しない。だから、魔王討伐の後に何をされるかわからない。召喚しない。召喚しないと決めたのに・・・


あのクソ貴族の反逆者共!全員打ち首にしてやる!!


事の始まりは俺が各国と魔王の対策として協力を要請するために飛び回っている時に城から緊急の知らせが舞い込んできた。なんだろう?と思い聞くと、バカ貴族共が勝手に勇者を召喚したとの知らせだった。


それを聞いて俺は急いで勇者の保護と命の安全と人権を守る為に丁重にお持て成しをするように命令した。後、バカ貴族共を拘束、牢屋送りにするように命令もしました。主君である俺の命令を無視したのだから当然の報いである。


その後、俺は保護された勇者に会いにいき、事情の説明と返す方法がない事を伝えて謝罪をしましたよ。深々と頭を下げてね。


勇者は心優しく許してくれましたよ。はい。流石は勇者に選ばれるだけの優しい方だ。ただ、まさか魔王討伐も受ける何て言うから正直驚いたし、勇者を引き受けてくれる何てお人好しなのか英雄願望かは謎でしたよ。本当。


・・・まぁ、旅に出る前に「この国の花を貰ってもいいですか?」と言われたから、了承しましたよ。はい。何だよ、勇者め。もう女ができたのかよ。流石は一級フラグメイカーめ。お手が早い早い。俺なんて女ができないくらい忙しいのに・・・あれ?目から汗が・・・


ただ、勇者の素顔が気になる。俺と会った時から全身装甲の鎧兜だったし、声も魔法で変化差しているからどんな人物かわからなかった。まぁ、人には色々と事情があるからいいかと思ったよ。俺、関係ないし。


それから二年後、勇者の武勇伝を聞きながら勇者が魔王討伐に成功した。ラッキー!ヤッホーィ!


それからは忙しく、勇者の出迎えの準備をしましたよ。凱旋やら謁見やら何やらで大変だし、休みてぇー!まぁ、現在は勇者の謁見に入ってますよ。






「勇者よ、よくぞ魔王討伐に成功してくれた。この国の王として、そして各国の王の代表として感謝する。」

「は!勿体なきお言葉を感謝します。」


勇者とその仲間達ハーレムが俺の前で旅の報告をしていた。勇者以外は全員女なので詰まらないと思った。もし、男がいれば勇者の性でモテなくって嘆いているから慰めて、友達になろうかなと思ったのに・・・詰まらん!


あ!各国の代表と言っても俺は『人』の王代表だから。この世界には多種多様な種族がいて、エルフ族、竜族、ドワーフ族、人族とあり、更には神の眷族の神族、魔神の眷族の魔族がある。


魔族と神族は天界と魔界とで別れているから会うことはないけど、今回の魔王討伐で天界も助けてくれたから感謝感謝ですね。まぁ、勇者が天界を魔族から退けたから協力しましたからね。出ないとエルドランドが崩壊しても関係ないと決め込んでいる連中が助ける訳がない。


話を戻して、俺の周りには魔族以外の全種族の王が揃っている。皆さん、勇者に激励の言葉を贈りたくって来たらしい。暇人め、と言ったら死ぬな。元々仲の悪い連中だから空気が悪い悪い。どうでもいいけど。


「勇者よ、此度の旅で疲れたであろうか今日はゆっくりと休むと良かろう。」

「有り難きお言葉、感謝します。仲間共々、今日は英気を養わさして頂きます。」


よし!終わったー。この険悪ムードの空気から解放されるから助かるよ。さあ、勇者!とっとと帰れ!俺は早く休みたいのだ。


「・・・ですが、その前に私が旅に出る前に約束した事を今、頂けないでしょうか?」


え?今欲しいの?随分と我慢のできない勇者だよ。そんなに花嫁さんが欲しいのかよ。


「あぁ、確かこの国の花を頂くのだったな?いいだろう。約束は果たそう。」

「有り難きお言葉。感謝します。」

「待ってください、勇者!」


勇者の仲間の女魔法使いが立ち上がると一斉に女僧侶、女騎士が立ち上がる。お?修羅場発生か?面白そうだな~


「何ですか、ミリヤ?それにシアもエレンまでも王達の御前ですよ?」


安心しろ。皆、笑いを堪えてます。ドワーフ王何て笑いを堪えているのが限界に近いみたいに顔を歪めてます。もうちょっと我慢して。つーかドワーフ王は仲間か、俺の。


「あなたに思い人がいるなんて聞いてませんよ!何で黙って!?」

「そうです。仲間の私達に黙ってそんなことは認めません!」

「仲間である私達に黙っているなんて許されんぞ、勇者!」


うわぁー、リアルで見ると生々しいな。これが修羅場か・・・超楽しい!


「・・・確かに黙っていた事には謝ります。ですが、それは私の大切な人を守るためです。もし、私の大切な人があなた達の誰かに話してしまい、命の危険を犯したくありません。」

「待て!それでは我々の誰が裏切る可能性があるみたいだぞ!我々が信用できないのか?」

「えぇ、信用できません。」

「「「!?」」」


ちょっと!?勇者、それは酷いって!仲間だろ?共に世界を救うために命を賭けた仲でしょ?何でそんな事を言うの!?不味い不味い!修羅場から死闘になっちゃうよ!


「何でですか・・・?私達は仲間でしょう?何で信じてくれないのですか?」


ちょっ!?僧侶が泣き出したよ!何を考えているんだよ、このバカ勇者は!?お前がそんな事を言うから周りの騎士団や魔法師団、他種族の王達が困惑しているって!


「いいでしょう。あなた達を信用していない理由を教えてあげましょう。」


え?語るの?王達の御前だよ?いや、俺は聞きたくないし。余所でやってよ。


「・・・私はこの世界に来る前に神と名乗る者に会いました。」


えぇ!?神に会ってたの!?今を生きる神族でさえ会えないのに!?俺も転生前に会ったけどさぁ・・・


「神は私の死んだ恋人がこの世界に転生したと教えてくれました。私はそれを聞いてはこの勇者としての役目もいいかと思いました。でなければ、こんな誘拐紛いの召喚されては勇者をする気はありません。」


ですよねぇ。関係のない世界を救えって嫌だよね。やっぱそうかぁー。あれ?俺以外に転生した人がいるの?マジかよ・・・


「私の恋人は前の世界で私の知り合いに殺されました。その人は私に惚れて欲しかったのか、私の恋人が邪魔だという理由で殺したのです。」


ふーん。そんなことがあったのか・・・恋人さんも大変だなぁ。


「だから、私はあなた達を信用しません。実際、あなた達は私の大切な人に対して何を思いましたか?」

「そ、それは・・・」

「えっと・・・」

「・・・」


え?お前ら何をする気!?恋人さんまたもや命の危機ですか!?それと女騎士!無言を止めて!洒落にならないって!


「はっきりと言います。私の心は身体はその人のものです。そしてあの人の身も心も全ては私のものです。これは王命であり、決まっていた事です。そうですね、人の王よ?」

「あ、ああ。そうだが・・・」


俺に同意を求めるな!何?何なのこの勇者?軽くどころかかなりヤンでるよ?何でこんなやつが勇者なの?結婚する女性が大変な目に合うよ!王族の約束だから撤回はできないし、恋人さんに恨まれるよ・・・


「・・・わかった。お前の好きなようにしろ。もう止めない。婚約は許す。」

「!?エレン!?何を言っているの!?」

「勇者が決めた事な上に、王が決めた事だ。今更、変更はできない。」

「それは、そうですが・・・」


あ、女騎士が諦めたよ。つーか、うちの国の騎士で俺の今の幼なじみのエレンティア・ヒィスタリカです。実は俺のこの世界での初恋相手です。茶色の長いポニーテールで銀の胸当てを付けており、動きやすい軽装備でミニスカートです。美人で胸があり、完璧美女と言われてます。王になる前は告白したかったけど、王族が言うと不味い事に決定事項になるから言えなかっただよなぁ。


「だがなぁ、勇者。」


そう言うと、エレンは勇者の肩に手を置いた。あれ?どうしたんだ?


「知っているか?『愛は奪うもの』だと、な。」

「・・・」

「努々忘れぬ事だな。でなければ、どこかの誰かに奪われるだろう。」

「・・・えぇ、肝に銘じおきましょう。」


えぇっと、何か空気が変わったような・・・主に勇者から黒い空気が流れているような・・・あれ?隣に立っている幼なじみ大臣くんは何を納得している?


「それと、皆様に隠していた事があるのですが・・・」


?なんだろう?


「私は女です。だから、女性と結婚する気はありません。同性の趣味はありません。」


!?何を言っているの!?お前、女だったかい!あれ?仲間のエレン以外が口を開けて放心状態になってる。知らなかったんかい!周りの連中もざわつきだしたよ!つーか、エレン!お前、勇者が女だって黙っていたな!勇者の保護の時もお前が担当だったしな!そりゃ知ってるよな!


「どう言う事だ?エレンティア・ヒィスタリカ上級騎士。説明したまえ。」

「は!申し訳ありません、我が王よ。魔族との戦いのため勇者には女性である事を隠して置きたかったのです。」

「詰まり、他意はなかったと?」

「はい。その通りであります。」


まぁ、確かに女性だと求婚を申し込んでくる王族、貴族がいるから駄目だよな。しかも、勇者の力を我がものにしようとする馬鹿もいるからエレンの判断は正しい。しかし、主の俺までも黙る理由はないはずだ。


「何故、余に伝えなかった?」

「はい。エリオット大臣に『王からも黙っているように』と命令されました。」


エリオットォォ!それ隣に立っている幼なじみ大臣だよ!何か今日は気色の悪いくらいいい笑顔だと思ったらてめぇ!騙したな!


「どういう事だ?エリオット?」

「はい。実は勇者から王には黙っていろと頼まれていまして、私も不本意ではありますが勇者に協力しました。」


え?何?最終的に勇者の性?俺一人を騙すために此処でバラすか、普通?俺は今、他の国々の王達の前で恥をかいてるだよ?どうしてくれるだよ、勇者!


「さて、話を戻して、私は約束のこの国の花を受け取ります。貰います。」


待て!ちょっと待て!今のこの空気で報酬を要求するか、普通!?何を考えているんだよ、このバカは!?つーか、俺はお前の相手を知らないよ!


「待たれよ、勇者。余は主の求めている人物がわからん。せめて、名前を教えてくれなければわからぬ。」

「・・・心配はいりません。目の前にいますから問題ありません。」


え?目の前にいる?エリオットか?それとも俺の護衛についてる兄貴達?あれ?何で皆さん俺を見てるの?いやいや。俺は恋人いないからね?前世の記憶はあるけど恋人なんていないからね?


「・・・勇者よ、何を言っている?そちの目の前にいるのは大臣と魔法師団長と騎士団長だけだぞ。」

「それと王、あなたです。」


いやいや、俺は入れなくっていいからね。・・・あれ?勇者の声が女の子になった。魔法が解けたのか?あれ?だけど、この声は聞いたことがあるような・・・何か、勇者が歩いて近付いて来しよ・・・


「勇者よ、止まれ。余の許しなく、余に近付くな。」

「嫌です。目の前にいる目標を見逃すなんて勇者のする事ではありません。」


いやいや!それだと俺が獲物だよ?このまま直進して来るな!曲がれ!兄貴達かエリオットの方へ曲がれ!あれ?いつの間にか皆が俺を避けてやがる!?待て待て!兄貴達、王の俺を守るのが仕事だろう?俺を助けろよ!


「ゆ、勇者、待て!お主は何を考えている?何故、余に近付く?」

「それは私の報酬のこの国の花を摘むためです。」


おい、待て!そう言う意味の花!?その花は駄目だよ!摘むと、国が枯れるから!?


「ゆ、勇者、確かに国の花かもしれないが、余はその花を与えるとは言っておらん。第一、その花を採られると国が枯れる!」

「心配ありません。私が嫁入りすれば国も安泰です。」


てめぇ、やっぱり俺と婚約する気か!?いやいや!俺の前世に恋人はいない・・・いや、待てよかこの声はまさか!?


「お前はまさか・・・!?」

「あ!やっとわかった?ふふふ、私だよ!」


そう言うと勇者は兜を外した。兜の下から出てきたのは、カラスのような黒く長い髪、空のような蒼穹の瞳、男女問わずに惹きつける顔立ち。間違いない。この顔。この声は・・・


「み、美咲みさき・・・」

「ふふふ、時間は掛かったけど久しぶりだね、徳文。」


前世の幼なじみでした・・・



ナーバスな自分のための小説です。適当に楽しんで下さい。

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