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桜木祐介(1)-4
ガンッ
ギーー…ガンッ
「…たー…」
教室の中から机が倒れたような音がする。
今度はなんだ?
相変わらず女の声が聞こえるけれど、一人で何をやってるんだ。
「…け」
鼻をすするような音が聞こえる。
泣いている?
しばらく静かにしていたけれど、俺は耐えられなくなってきた。
声をまともに出せるのかも分からないけれど、意を決して声を出した。
「誰かいる?」
「……け」
「祐介!」
今度ははっきりと聞こえた。
俺?
教室にいるのは誰なんだ。
ギー……
「うっ、いたた」
机が軋む音が何回か聞こえて、同時に女の呻き声が近づいてきた。
そして俺の後ろの教室の扉から、声がかけられた。
「君、どうしたの?」
君って、さっき俺の名前を呼んだんじゃなかったのか。




