月曜日は映画論4
金曜は学校を休んだ。
床に倒れたまま金曜日を迎えたわたしの気分は最悪で体の節々も悲鳴をあげていた。
体のいたるところに床の痕がついている。
床にはわたしの跡がついている。
まるで現代アートのようだった。
思わずカメラにおさめた。
空以外を撮るのは久しぶりだった。
学校を休んだ理由は簡単である。
家を出る前に体温を計ったら微熱だったのだ。
これは神のお告げに違いない。
そう思った。
ゆえに休んだ。
天気が雨だったことも後押しした。
雨の日はわがままを言ってもいいことにしている。
そのせいでわたしの出席日数は危なかったが学生の身分に甘えてルールは変えていない。
数日ぶりの布団はやさしく、床は眠る場所ではないことを痛感する。
わたしはまどろみながら、クロッキー帳を手にし、忘れないように田仲、デザイン、空と書き込む。
ふと課題があったような気がした。
いまいち思い出せない。
頭のかたすみから田仲の笑った顔がでてきた。
えくぼがあった。
佐崎のいうとうり美形だった。
しかし身体は棒人間だった。
田仲は首をくるくるしながら笑う。
ホラーだった。
わたしはどうでもいいことを思った。
おざなりになりながら日はすぎていった。
決戦の月曜日がきた。
場所は大教室、授業は映画論。
わたしたちの話題は田仲でいっぱいだった。
いつもより受講生徒も多くいつも以上に教室はにぎわう。
田仲は静かにそして、普通になにごともなかったのかのように座っていた。
席は何故か先週と同じわたしの右となり。
いや、何故かなどと言ってはいけない。
それぐらいは、うぬぼれかもしれないがわたしでも理解できていた。
後ろに座っている佐崎はそわそわしてわたしの椅子を蹴る。
わたしは汗をながす。
暑いからではない。
土日いろいろ考えてみた。
筋道もたてた。
シミュレーションもした。
しかし、田仲を横にした今なにも思い出せず思いつかない。
田仲は少し疲れていた。
わたしは田仲を認識し続けられず前を向く。
田仲はわたしをみつめている気がする。
しかし、わたしは田仲のいる方角をみれない。
汗をながしながら前を凝視する。
言わなければならないことがある。
なにを?
自問自答する。
出席確認が終わっても田仲のせいか人が減らない。
教授がはいってくる。
教授は田仲にふれない。
わたしも田仲にふれない。
授業はすすむ。
今日は実際映画をみるらしい。
教授の言葉が耳にはいらない。
文字でみえる。
デザイン化された教授の言葉はわたしを襲う。
左を向けば空が見えるのに左を向けない。
今日は雨だった。
雨の日は気持ちのままにしていいのに行動できない。
逃げたい、家に帰りたい。
でも帰れない。ここからはなれられない。




