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上の空の恋人  作者: ニシ
3/5

月曜日は映画論3

「あ」


アトリエに向かう途中に雷にうたれる。

本当にうたれたわけではない。

でもうたれた気がした。

隣に歩いていた佐崎は驚く

「佐崎、どうしよう」

わたしは見事に忘れていた。

月曜日、映画論。

そして田仲の告白。

「帰りまってて」

帰ってしまっていた。

少しだけ体温が下がる。寒気がする。

佐崎はわたしを無視し田仲の話題でひとり盛り上がっていた。

田仲はなかなかみどころのある男らしい。


アトリエにつく。

佐崎は他の人と田仲の話題で盛り上がる。

アトリエがわく。

田仲は有名人だった。

いや、そもそも有名人だったらしい。

空間デザイン学科の美形の田仲くん。

おんなのこにもてるらしい。

学生だけど賞をたくさんとっている。

雑誌によくのっている。

もう企業と仕事をしている。

お父さんは有名なデザイナー。

友達も多い。

彼女も多い。

でも、本命は彼女たちのなかにはいない。

本命はこの学校にいるらしい。

本命は誰も知らない。

ないしょ。

入学式にあったらしい。

予備校であったらしい。

あいまい。

田仲は話さない。

でも田仲はずっとすき。

ずっと、ずっとその人がすき。


わたしは何もないところで転がりそうになる。

佐崎は心配する、いや心配して声をかけてくれた。

なにをしゃっべていたかわからない。

許容量があふれたわたしは、とりあえず本日を自主休校とし家に帰った。



その夜、わたしは考える。

田仲をどうしよう、と。

田仲はどうするのだろう、と。

少ない情報で田仲を考える。

田仲の作品は美しくシンプルだが複雑、無駄がなく日本の伝統に沿いながらも現代的。

サンプルを何度も何度も作成し熟考のち仕上げるタイプらしい。

粘り強く自分の望むラインや形をみちびきだす。

わたしはぞっとする。

もし、わたしが原因ならこのままでは田仲は教室から出てこなそうだ。

本能でそう思った。


なんなんだ、と机を前にして思う。

これが田仲なのかと。

頭がひっちゃかめっちゃかでよくわからなくなっている。

しかし、いままでよくわかったことなどあるのだろうか。

疑問が田仲からはなれ、自分にもどってくる。

人生とは、空とは、わたしとは、田仲とは。

ついていけない。

いつも事柄はわたしをおいて変化する。


とにかく田仲をなんとかしなくてはならない。

けれども、どうなんとかしていいかわからない。

わたしがでるべきなのか、そもそもわたしが原因なのか。

田仲は何を望んでいるのか。

頭はフル稼働しときたまショートする。

くらくらした。

気合をいれるため首をふったら頭をぶつける。

家の中で星をたくさんみた。

もう、どうでもいい。

いやよくない。

けど、どうでもいい。

頭を大きく振る。

勢いをつけすぎ椅子から転げ落ち床と接触する。

力がはいらない。

気が遠くなる。

気合をいれようとした。

何かをのぞめ!そう思った。

そして何故か世界の滅亡を思いつく。

わたしはその日、久しぶりに熱を出し倒れた。

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