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最強陰陽師教師、問題児だらけの転移者クラスを任される ~王立魔術学園第零組~  作者: ささかま
楔共鳴編

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6話 第零組の昼休み

昼休みの食堂は、戦場に近い。


別に剣や魔術が飛び交うわけじゃない。

だが、人の数が多すぎる。


皿の触れ合う音。

笑い声。

椅子の軋み。


王立魔術学園の昼は、だいたい騒がしい。


俺はその騒がしさから少し離れた席に座っていた。


一人。


いつものことだ。


別に嫌われているわけじゃない。

ただ、教師と同じ席に座りたい生徒は少ない。


その方が楽だ。

静かに昼飯を食える。


……はずだった。



「先生ー!」



聞き慣れた声。


南雲陽菜だ。


トレーを持ったまま、一直線にこっちへ歩いてくる。

その後ろに、ぞろぞろと九人。



「座っていいですか?」



もう座る気だろう。

迅が笑いながら言う。



「先生、一人飯っすか」


「お前は何を確認してる」



迅は気にせず椅子を引いた。


透は静かに座り、

悠真は小さく頭を下げる。


黒斗は気配を消すように壁側の席へ。


転入組も続く。

乃愛はきょろきょろと食堂を見回していた。



「すごーい! 人いっぱい!」



結月は皿を見て言う。



「魔力回復食材が多いですね」



凪は少し緊張した顔で席に座る。


最後に梓。

迷いなく、俺の正面に座った。



「……何だ」


「別に」



腕を組む。



「空いてたから」



陽菜が笑う。



「空いてたからって先生の正面座る人、あんまりいないよ?」


「そうなの?」



乃愛が首をかしげる。

迅が笑った。



「先生、怖いんすよ」


「どこがだ」


「なんかこう……静かに怒りそう」


「怒る時は普通に怒る」



悠真が苦笑する。



「先生は理不尽では怒りませんから」



陽菜がパンをちぎる。



「それはそう」



透が静かにスープを飲む。



「……でも近寄りがたい」



黒斗が小さく頷いた。

俺は箸を止める。



「お前ら、わざわざ教師の前で評価会するのか」



陽菜が笑う。



「だって本人いるし」



乃愛が身を乗り出した。



「先生って強いんですよね?」



迅が即答した。



「強い」


「めちゃくちゃ」



梓は何も言わない。


ただ、少しだけ視線を逸らす。

怜奈はその様子を静かに見ていた。



「昨日の模擬戦を見る限り、かなりですね」



落ち着いた声。



「判断も速い」



俺は味噌汁を飲む。



「ただの教師だ」



迅が笑う。



「その台詞、強いやつしか言わないやつ」



結月がふと聞く。



「先生」


「何だ」


「魔玉、最大何連できますか」



食堂の空気が、少し止まった。

陽菜が笑う。



「それ聞く?」



迅が興味津々でこちらを見る。

俺は箸を置いた。



「さぁな」



つまり、答えない。

結月は少し考え、静かに頷いた。



「なるほど」



乃愛がパンを食べながら言う。



「でも先生って、なんか余裕ありますよね」


「何がだ」


「戦ってるとき」



透が静かに言った。



「確かに」



梓が小さく呟く。



「……余裕じゃない」



全員が梓を見る。

梓は皿を見たまま言った。



「慣れてるだけ」



一瞬だけ、沈黙が落ちる。


俺は何も言わない。

怜奈が空気を変えるように言った。



「迅さん」


「はい?」


「近接戦闘、すごかったですね」



迅が嬉しそうに笑う。



「だろ!」



陽菜がパンを振る。



「でもあれで軍来るよ、絶対」



迅の笑顔が止まる。



「……マジ?」



悠真が苦笑する。



「来るでしょうね」



凪が小さく呟いた。



「……選ばれたら、どうなるんだろ」



誰もすぐには答えない。

俺は立ち上がった。

トレーを持つ。



「昼休みはあと十五分だ」



振り返る。



「午後は訓練だぞ」



陽菜が笑う。



「先生モード戻った」



迅が立ち上がる。



「行くか!」



食堂のざわめきの中で、第零組の十人が動き出す。


騒がしい集団だ。


だが。

――悪くない。

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