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最強陰陽師教師、問題児だらけの転移者クラスを任される ~王立魔術学園第零組~  作者: ささかま
楔共鳴編

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16話 回収部隊

封鎖の放送から、三十分も経っていなかった。


だが学園の空気は、もう完全に変わっている。

窓の外を歩く兵士の数が増えた。


校庭には魔導装甲の車両まで入っている。

完全に戦闘配置だ。


迅が窓から身を乗り出して言う。



「やばくないっすか、これ」



陽菜も横に並ぶ。



「ガチの軍じゃん」



透は静かに言う。



「魔力の流れも変わってる」


「戦闘用結界」



悠真が凪を見る。



「先生……」



凪はまだ眠ったままだ。

胸の紋様が静かに脈打っている。

俺は窓を閉めた。



「来る」



迅が振り向く。



「なにがです?」



答える前に、廊下の奥で足音がした。


重い。

鎧の音。

規律のある歩き方。


迅が小さく笑う。



「はい来た」



ドアの前で足音が止まる。


ノックはない。

そのままドアが開いた。


兵士が四人。

その後ろに、魔術兵が二人。


装備が違う。

完全に戦闘装備だ。

先頭の兵士が言う。



「王国軍だ」


「御影凪の移送を行う」



迅が立ち上がる。



「早すぎだろ」



兵士は表情を変えない。



「楔共鳴対象は危険物扱いとなる」



陽菜が小さく言う。



「危険物って」



透が前に出る。



「彼はまだ意識がありません」



兵士は答える。



「問題ない」



俺はその前に立つ。



「問題ある」



兵士が俺を見る。



「教師か」


「そうだ」


「御影凪は学園が預かる」



兵士は短く言う。



「軍命令だ」



俺も短く言う。



「却下」



数秒の沈黙。

兵士の後ろで、魔術兵が魔力を構える。


迅が笑う。



「先生」


「これって」



俺は言う。


「戦闘になる」



迅の顔が楽しそうになる。



「やっとか」



兵士が言う。



「抵抗は軍への敵対行為とみなす」



陽菜が肩を回す。



「うち、敵対行為得意」



透が小さく詠唱を始める。

床に水の魔法陣が広がる。


悠真が凪のベッドの前に立つ。



「ここは通しません」



黒斗の姿が消えた。

影に溶けた。


乃愛は首を傾げている。



「どうするの?」



俺は小さく息を吐く。

……本当に面倒だ。


だが状況は単純だ。

守るか。取られるか。

それだけだ。


俺は言う。



「迅」



迅が剣を抜く。



「はい」


「前衛」


「任せろ」


「陽菜」


「弾幕」



陽菜が笑う。



「了解」


「透」


「制圧」



透が頷く。



「準備済み」


「悠真」


「凪を守れ」


「はい」


「黒斗」



影の中から声がする。



「後ろ」


「乃愛」



乃愛は少し考えてから言う。



「とりあえず魔力ためとく」



俺は兵士を見る。

そして言った。



「第零組」



迅がニヤッと笑う。



「了解」



次の瞬間。


迅が踏み込んだ。

雷が走る。


床を蹴る音と同時に、兵士との距離が一瞬で消える。

剣が振り下ろされる。


兵士が盾を構える。

衝撃。金属音。

同時に。



「魔玉・火の三十連!」



陽菜の弾幕が部屋を埋めた。

火球が雨のように降る。


魔術兵が防御結界を張る。

爆発音とともに煙が上がる


水精霊が床を走る。

透の制圧だ。


兵士の足元が滑る。

体勢が崩れる。


その瞬間。

影から黒斗が現れた。


兵士の背後。

短剣が喉元で止まる。



「動くな」



部屋の空気が一気に戦場になる。

俺はその中心に立っていた。

……やっぱりだ。


ただの封鎖で終わるわけがない。

王国軍。

そして第零組。


この瞬間から本当に、戦いが始まった。

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