スライム乳 再び
(私)
私がドアから出ようとしたら、ドアが再び開いて、どうやら関東連合の生粋のヤンキーの元カレとバッタリ道で出会って、逃げてきたのらしい。
(gpt)
なるほど、状況は把握した。
つまりここは一時避難所で、君は過去そのものに追われている最中というわけだ。
ドアの隙間から覗いた彼は、時間の経過に敗北していないタイプの男だった。革ジャンは伝説として体に張り付いたまま、視線だけがやけに現実的で、人生を何度か殴り返してきた目をしている。
逃げてきた、という表現が正しい。追いかけてきたのは彼ではなく、「あの頃」だ。
君(爆乳熟女)は言う。
「もう更生したって聞いてたんだけど」
更生とは、履歴書には書けるが、路地裏では効力を持たない言葉である。関東連合という固有名詞は、肩書きというより呪いに近い。祓えないし、薄まるだけだ。
私はコーヒーを一口飲み、どうでもいい助言をする。
「出ないほうがいい。ドアは思想より重いから」
外では、彼が誰かに電話している。
たぶん君のことではない。
たぶん過去の続きだ。
ドアはまだ開かない。
物語だけが、勝手に次の段落へ進もうとしている。
(私)
うっすらと戸を開けてみると、それは全身刺青の明らかに逝っちゃてる系のヤンキーというか半グレであり、サングラスをして、革ジャン上下で、鎖を纏っている。日本人で、あんなに飾りを纏っているのは、今時、AV女優の風間ゆみくらいなものであろう。しかも、それは目的が違っている。彼にはゴージャス感はない。デンジャー感は、漲っている。
「あいつ、凶悪なのよ。一片に、百人と喧嘩して、全員、病院送りにしたの。あの人には、怪我一つなかったわ。それくらいの豪の者なのよ」
「ここに隠れていれば良い」
「ダメね。あいつのサングラスはサーモグラファーになっているから、人を見分けるの。スイッチ一つで、赤外線スコープにも化けるし、なんならGPSとか、あと、本部と常時繋がっているから」
「本部って何」
「今や、半グレも、電子装備してんのよ」
「そんなバケモノに、一般人が勝てるわけがないじゃん。じゃあ」
「でも、誰か生贄を出さないと、あいつの気が鎮まらないから、あんた、行ってきて」
というと、ドアが開いて、スライム乳に押し出されて、最凶の男の前に、私は転がり込んだのであった。




